ファミリーオフィスに依頼すると費用が高いのではないか、とよく質問されます。欧米から始まったファミリーオフィスにはそのようなイメージがあるかもしれませんが、私たちが提供する「日本型ファミリーオフィス」は、費用体系が大きく異なります。
本記事では、ファミリーオフィスへの依頼費用がなぜ高いと言われるのか、その構造を解き明かし、費用を抑えつつ最大の価値を得るための考え方について解説します。
[ 目次 ]
1. ファミリーオフィスの費用構造は2つのタイプに分けられる
ファミリーオフィスの費用は、そのサービスモデルによって大きく異なります。まずは、両者の違いを理解することが重要です。
1-1. 伝統的ファミリーオフィス
伝統的なファミリーオフィスは、運営チームメンバーを社員として雇用し、資産運用、法務、税務、事業承継などの専門家を複数抱えています。
- 特徴: 一族の資産管理だけに焦点を当てたフルコミットメント型です。
- 費用構造: 人件費やオフィス維持費などの固定費が莫大にかかるため、年間で数百億円規模以上の運用資産を持つ超富裕層向けといえます。
1-2. 課題解決型ファミリーオフィス
私たちのような課題解決型ファミリーオフィスは、社員としてのフルコミットメントではなく、戦略立案からゴールまでの限定的な支援を提供します。
- 特徴: 依頼者の課題に合わせて、必要な専門家をチームとして組成します。
- 費用構造: 固定費を抑え、プロジェクトの範囲と工数に応じた柔軟な費用体系です。
伝統的なファミリーオフィスと単純に費用を比較することは意味がありません。ご自身の資産管理の状況に応じて、最適な依頼先を見極めることが重要です。
【関連記事:【完全解説】ファミリーオフィスの費用体系:成功報酬・固定報酬・成果報酬を徹底比較】
2. ファミリーオフィスへの依頼費用が高くつく理由
なぜファミリーオフィスへの依頼費用が「高い」と感じるのでしょうか。その主な理由は、資産家が抱える「資産管理の課題」にあります。
2-1. 資産管理の課題が複雑な場合
資産運用のみであれば、金融機関に相談するのが費用面で優位に感じます。しかし、複数の課題が複雑に絡み合う場合、事態は一変します。
たとえば、資産運用と事業承継を同時に検討したい場合、個々の専門家(税理士、弁護士など)にそれぞれ相談すると、以下の非効率な状況が発生します。
- 時間的コスト: 同じ情報を何度も各専門家に説明する必要があり、時間がかかります。
- 重複コスト: 専門家間の連携が不十分で、業務が重複し、余計な費用が発生することがあります。
- 部分最適化: 各専門家がそれぞれの専門分野に特化した提案をするため、全体最適が図れず、かえって非効率な解決策になってしまうことがあります。
2-2. 課題が不明確なまま相談先を転々とする場合
「どこから手をつければいいか分からない」「複数の提案をもらわないと判断できない」といった場合、あちこちの金融機関や専門家を回るのは、時間的にも費用的にも大きな負担となります。
ファミリーオフィスは、このような「課題の診断」を最初に行い、全体像を把握したうえで、最適な専門家をアサインする「ナビゲーター」としての役割を担います。

3. 費用を安く抑える3つのコツ
ファミリーオフィスへの依頼費用を抑えつつ、最大限のメリットを享受するためには、以下の3つのポイントが重要です。
3-1. 資産管理の課題を「見える化」する
まずは、ご自身の資産管理における現状の課題、将来の目標、そして家族構成や価値観を整理しましょう。課題が明確になれば、依頼すべき専門家やサービスが特定しやすくなり、無駄な費用を削減できます。
3-2. 「適材適量」のサービスを選ぶ
すべての資産管理業務を外部に委託する必要はありません。自力で対応できる部分と、専門家のサポートが不可欠な部分を切り分け、必要な専門家(適材)に、必要な時間(適量)だけサポートを依頼することが、コスト効率を最大化する鍵です。
3-3. ワンストップの窓口を活用する
複数の課題を抱える方は、一元的な窓口を持つファミリーオフィスに相談するのが最も効率的です。ファミリーオフィスは、資産家と各専門家の間に立ち、全体を統括する役割を担います。これにより、以下のメリットが生まれます。
- プロによる診断: 専門家ネットワークを活用し、課題を的確に診断します。
- 最適な専門家の選定: 課題に応じて最も適した専門家をアサインします。
- 業務の効率化: 専門家間の連携を密にし、無駄な業務や重複を排除します。
【関連記事:ファミリーオフィスの費用対効果とは?コストを上回る「見えない価値」を専門家が解説】
4. ファミリーオフィスに関するよくある質問
4-1. ファミリーオフィスに依頼するメリットは何ですか?
ファミリーオフィスの最大のメリットは、資産家が抱える多岐にわたる課題に対し、包括的かつ中立的な立場で解決策を提案できる点です。特定の金融商品やサービスに偏ることなく、長期的な視点で資産管理をサポートします。
4-2. どのような人がファミリーオフィスを利用すべきですか?
以下のような資産家には、ファミリーオフィスの利用が特に有用です。
- 解決すべき課題が明確にできていない方。
- 解決すべき課題が複数の分野に広がっている方。
- 課題解決のために依頼すべき専門家の数が多くなる方。
まとめ
ファミリーオフィスへの依頼費用は、そのサービスモデルによって大きく異なります。単純な金額だけで「高い」と判断するのではなく、ご自身の課題解決に必要な「適材適量」のサービスを選び、費用対効果を最大化することが賢明な選択です。
特に、複数の課題が複雑に絡み合う場合や、何から手をつければいいか分からない場合は、ワンストップでプロの診断とコーディネートを受けられる「日本型ファミリーオフィス」の利用を検討する価値は大いにあるでしょう。
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