18日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落し、前日比1620円(3.22%)安の4万8702円で取引を終えました。終値で節目の4万9000円を下回ったのは10月23日以来となります。
下落の背景には、日本時間20日早朝に発表される米半導体大手エヌビディアの四半期決算への警戒感があります。過熱感が意識されていた人工知能(AI)や半導体関連株を中心に売りが膨らみ、日経平均は下値支持線として意識される25日移動平均(4万9930円近辺)を下回りました。
米国市場の低調な動きが波及
17日の米国市場では、ダウ工業株30種平均が前週末比557ドル(1.2%)安の4万6590ドルで3日続落しました。ナスダック総合株価指数も0.8%安で引けています。時価総額が約700兆円と世界で最も大きいエヌビディアは2%安となりました。同社の決算内容は「年末までのハイテク銘柄の先行きを決定づける」と市場で高い注目度を集めており、決算発表というリスクイベントを控えてテック株に持ち高調整の売りが出やすくなっています。
さらに、米連邦準備理事会(FRB)高官から追加利下げに慎重な発言が続いたことも相場の重荷となりました。FRBのジェファーソン副議長は17日の講演で、追加利下げを慎重に進める必要があるとの認識を示しています。
ビットコイン急落も追い打ち
この日の市場では、リスク回避姿勢の強まりが日本株の下げ幅拡大に繋がりました。代表的な暗号資産であるビットコインも急落し、日本時間18日午後には対円相場が1ビットコイン=1400万円割れ、対ドルでも9万ドル割れと7カ月ぶりの低水準を付けました。
AI関連株が軒並み安
個別銘柄では、ソフトバンクグループが7.47%安、東京エレクトロンは5.46%安に沈みました。ソフトバンクグループ株は10月29日に付けた上場来高値からの下落率が3割を超えています。
特に象徴的だったのがフジクラの動きです。データセンター向け電線などに強みを持つ同社は「AIインフラ株」として注目されていましたが、この日は終値で9.90%安の1万7875円となり、25日移動平均(1万8870円近辺)を大きく割り込みました。
今後の展開は
まずは、18日終値ベースでの日経平均の予想PERは18.25倍と25年10月の水準に近づいています。さらに下落が続くようであればバリュエーション面で物色が入りやすい水準になります。また、日経平均はテクニカル分析上の次の下値メドとして、日経平均株価は75日移動平均(4万5810円前後)が意識されるでしょう。また、市場関係者からは「米国の金融緩和なども背景に株高は行き過ぎていた面もあり、もう少し調整してもおかしくない」との見解が示されており、エヌビディア決算を前に、リスクオフムードはさらに広がる可能性があります。市場は、エヌビディア決算という「試金石」の結果を待ちながら、神経質な展開が続く見通しです。
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