12月11日の東京株式市場において、日経平均株価は続落し、前日比453円(0.90%)安の5万0148円で取引を終えました。市場が注目した米連邦公開市場委員会(FOMC)は、金融緩和に前向きな「ハト派」的な内容と受け止められ、前日の米国株市場では主要株価指数が上昇したため、東京市場への追い風が期待されていました。しかし、米取引時間後に決算を発表した米オラクルの株価が時間外取引で急落したことが「冷や水」となり、主力のAI(人工知能)関連銘柄を中心に株安が波及する展開となりました。
FOMCはハト派的な利下げを決定
米連邦準備理事会(FRB)は10日まで開催したFOMCで、市場予想通り3会合連続となる0.25%の利下げを決定し、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導目標を3.50〜3.75%としました。同時に、市場に必要な資金を供給するため、米財務省証券(TB)の購入を始める方針も示されました。
FRBのパウエル議長は記者会見でインフレにやや楽観的な見方を示し、雇用情勢の弱さを強調したことから、市場では「ずいぶんとハト派的な内容だった」との声が聞かれ、米株高を後押ししました。この結果、10日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が497ドル高と反発し、ナスダック総合株価指数も続伸しました。また、米長期金利は低下(債券価格は上昇)し、日米金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが先行したことで、円相場は一時1ドル=155円台後半まで上昇しました。
オラクル・ショックがAI関連株を直撃
11日の日経平均株価は、FOMCの結果を受けて寄り付き直後には一時前日比273円高の5万0875円の高値を付けましたが、買いは続きませんでした。下げ幅は午後に入って拡大し、一時節目の5万円を割り込む場面もありました。
株価下落の最大の要因は、AI関連セクターへの懸念拡大でした。米オラクルが10日に発表した2025年9〜11月期決算は売上高が市場予想に届かず、さらに2026年5月期通期の設備投資を従来見通しから150億ドル増やす方針が明らかになったことで、過剰投資への懸念から株価は時間外取引で約1割下落しました。
この影響を最も強く受けたのが、オラクルとAIデータセンター構築計画「スターゲート」を進めるソフトバンクグループ(SBG)でした。SBG株は7.69%安となり、この1銘柄で日経平均を約288円押し下げる要因となりました。最近のSBG株の動向が示すように、AI株は株高再加速のきっかけをつかめていない状況が続いています。
循環物色が継続、焦点は日銀会合へ
AI関連株が下落する一方で、FOMCの無難な通過を受けて、出遅れ感を意識した循環物色の流れは継続しました。東証株価指数(TOPIX)は一時4日に付けた最高値を上回る場面が見られました。特に、みずほフィナンシャルグループなどの銀行株、三井物産や住友商事などの商社株、大成建設や大林組などの建設株が年初来高値を更新しました。市場関係者は、今年上昇したAI株の再浮上は期待しにくいものの、「好業績が期待できる銘柄には引き続き資金が向かう展開になりそうだ」と見ています。
FOMCは波乱なく通過したものの、オラクルやSBG株の下落は、年末高に向けた不安を残す形となりました。次の東京市場の焦点は、18〜19日に開催される日銀の金融政策決定会合に移ります。株式市場の懸念材料である長期金利の上昇に歯止めがかかるのか、日本株の最高値更新に向けて関心は一段と高まりそうです。
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