経済成長と実質所得改善の展望
2026年の日本経済は、実質GDP成長率が緩やかな成長軌道をたどる見通しです。成長を支えるのは、人手不足を背景とした企業の設備投資意欲、海外景気の持ち直し、そして高市早苗政権による総合経済対策です。
物価面では、消費者物価指数(コアCPI)が一時的に前年同期比2%を割り込む局面があるものの、特殊要因を除けば+2%程度のモメンタムを維持すると予測されています。特に注目すべきは、2025年から続く賃上げの効果が実質所得に反映され、実質賃金がプラスに転じることです。これにより、長く停滞していた個人消費が徐々に回復することが期待されています。
為替市場 円安から円高修正へのシナリオ
為替市場では、日米の金利差とトランプ政権の政策が引き続き焦点となります。2025年末には1ドル=157円から160円前後まで円安が進み、2026年前半には日銀の利上げペースが緩やかとの見方から、162円程度まで円安が進む可能性が指摘されています。
しかし、2026年を通じては円高方向への是正が起こるシナリオも有力です。米国ではFRBが利下げを進め、2027年にかけて政策金利が中立金利の3%近くに収束すると予想されます。さらに、パウエル議長の任期満了に伴いハト派の議長が任命されれば、ドル安圧力が強まる可能性があります。日銀による半年に1回程度の利上げ継続と相まって、日米金利差の縮小が意識されれば、円買いの動きが強まる可能性があるでしょう。
株式市場 史上最高値更新か調整局面か
株式市場にとって2026年は、歴史的なアノマリーとの戦いの年になります。十二支の相場格言では、午年は「午尻下がり」[耕山1] と呼ばれ、過去の平均騰落率はマイナス5.0%と、十二支の中で唯一マイナスのパフォーマンスです。これは、辰年と巳年の上昇相場の後で高値警戒感が強まりやすいためです。
一方、ポジティブな見通しも存在します。2025年に日経平均株価は史上初めて5万円の大台を突破し、「高市トレード」への期待から5万2636円の史上最高値を記録しました。2026年も、AI・半導体関連銘柄への投資や政府の景気刺激策が下支えとなれば、秋口以降に上昇基調を強め、6万円の大台を視野に入れるとの予測もあります。
ただし、リスクシナリオにも注意が必要です。AI関連投資が市場の期待ほど収益に還元されない場合や、日銀の利上げによる金利上昇が企業の負担となる場合、株価は4万5000円前後まで調整する可能性があると警鐘を鳴らす専門家もいます。
金融政策と財政運営の課題
日銀は2026年も半年に1回程度のペースで利上げを継続する公算が大きいでしょう。植田総裁は円安による物価上振れリスクを警戒しており、円安に歯止めがかからない場合は利上げのタイミングが早まることも想定されます。市場では、長期金利が2.5%程度まで上昇することを覚悟すべきとの声も出ています。
財政面では、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」に基づき、2026年度予算案は一般会計総額が120兆円超と過去最大規模になる見通しです。この拡張的な財政運営が景気を支える一方、国債増発への警戒感が長期金利を押し上げる要因となるため、政府と日銀の難しい舵取りが続きます。
2026年の日本経済を左右するのは、11月の米中間選挙に向けたトランプ大統領の動きと、国内の賃上げと物価の好循環が定着するかどうかです。高市政権の経済政策「サナエノミクス」の真価が問われる一年となるでしょう。
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