2026年2月26日の東京株式市場で、日経平均株価は続伸し、終値は前日比170円(0.29%)高の5万8753円となり、連日で最高値を更新しました。午前の取引では一時上げ幅が700円を超え、取引時間中として初めて5万9000円台に乗せる場面もありました。26日早朝の大阪取引所の夜間取引では日経平均先物が5万9650円で終了していたこともあり、「6万円台到達」への期待が高まっていましたが、大台の壁は意外にも厚く、徐々に上げ幅を縮小する展開となりました。チャート上で短期トレンドを示す25日移動平均線からの上方乖離率は6%を超えており、「買われすぎ」の目安とされる5%を上回っているため、短期的な過熱感も意識されています。
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市場予想を大きく超えたエヌビディアの「絶好調」決算
この日の市場の最大の関心事は、米国時間25日の取引終了後に発表された米半導体大手エヌビディアの2025年11月〜26年1月期決算でした。売上高は前年同期比73%増の681億2700万ドル、純利益は同94%増の429億6000万ドルと、四半期ベースで過去最高を更新する驚異的な内容となりました。売上高純利益率は63%と、前年同期比で7ポイントも上昇しています。また、26年2〜4月期の売上高見通しについても780億ドルと市場予想を上回る強気の数字を示しました。同社のジェンスン・ファンCEOは「エージェント型AIは転換点を迎えた」と述べ、旺盛なAI半導体需要への強い自信をのぞかせています。市場で高まっていた過剰投資への不安も、今回の決算内容を受けていったん解消に向かうとみられています。
半導体株は利益確定売り、資金は出遅れ銘柄へ循環
好決算の発表にもかかわらず、26日の日本市場ではアドバンテストや東京エレクトロン、レーザーテックといった主力半導体株が軒並み下落しました。日経半導体株指数は昨年末時点からすでに4割超も上昇しており、エヌビディアの決算という一大イベントを通過したことで「好材料出尽くし」と受け止められたことが背景にあります。これまで決算を先取りして買っていた短期投資家がポジションを手じまった形です。
一方、相場全体の地合いが崩れたわけではありません。半導体株から流出した資金は、直近まで下げの大きかった銘柄や出遅れ銘柄へと向かっています。みずほフィナンシャルグループなどの銀行株・保険株に買いが入ったほか、AIの進化によって打撃を受けるとの懸念から売られていたSHIFTや野村総合研究所といったソフトウェア株も、割安感から大幅な反発を見せました。こうした「循環物色」が進んでいることは、日本株全体の底堅さと投資意欲の強さを示しています。
膨張するエヌビディアの手元資金とAI特需の死角
絶好調な業績の裏で、AIブームの構造的な危うさを指摘する声も出始めています。エヌビディアは自社工場を持たないファブレス経営であるため設備投資負担が軽く、AI特需によって1月末時点の手元現金等はおよそ10兆円(625億ドル)にまで急増しています。同社はこの潤沢な資金を使い、オープンAIやコアウィーブなどのAI企業に巨額の出資・融資を行っていますが、投資先がその資金を元手に再びエヌビディアの半導体を購入するという「循環投資」の構図が強まっています。需要を人為的に先食いしているとの指摘があるほか、最大級の顧客である米メタも急速な資金繰りの悪化が報じられており、AIの明確な収益モデルが確立されないまま先行投資だけが膨らみ続ければ、ブーム全体に綻びが生じる可能性も否定できません。
日経平均株価の今後の行方と焦点
足元の日経平均株価は、短期的な過熱感から6万円の大台を前に足踏みしていますが、先高観は依然として強い状況にあります。前日25日に示された日銀の審議委員人事案では、緩和的な金融・財政政策を志向する「リフレ派」とされる浅田統一郎氏と佐藤綾野氏の起用が明らかになり、早期利上げ観測が後退しました。これにより、株式市場に有利な緩和的環境が続くとの見方が広がっています。今後は、高市早苗政権による財政拡張的な成長投資への期待や、企業の利益率改善の進捗が実際に確認できるかどうかが、日経平均が6万円の壁を突破し、さらなる高みを目指すための試金石となるでしょう。
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