2026年4月最終週は、世界の金融市場にとって極めて重要な「中銀ウィーク」となります。27日から28日にかけて日本銀行の金融政策決定会合が開かれるのを皮切りに、28日から29日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が、30日には欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されています。中東情勢の緊迫化を背景とした原油高が世界的なインフレ懸念を再燃させており、いずれの中央銀行も政策金利を据え置くとの見方が優勢です。各中央銀行が今後の政策運営にどう向き合うのか、市場の注目が集まっています。
原油高がもたらすインフレ懸念とFRBの難しい舵取り
米国とイランの停戦交渉の行方が不透明ななか、原油価格は高値圏での推移が続き、再び1バレル100ドルの大台をうかがう展開となっています。ホルムズ海峡封鎖の長期化が意識されるなか、交渉が難航すれば100ドルを超える可能性もあります。
このエネルギー供給の混乱は米国のガソリン価格を急騰させており、全米自動車協会によると、レギュラーガソリン価格は3月末に1ガロンあたり4ドルを超え、紛争開始前から約4割上昇しました。3月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.9%と、ロシアのウクライナ侵略後以来の高い伸びを記録しており、上昇の大部分はガソリン価格の高騰によるものです。インフレ高止まり懸念が広がる一方、物価高による消費者心理の悪化が企業の生産減少や雇用に影響を及ぼし、景気を下押しするリスクも浮上しています。
今回のFOMCでは政策金利の据え置きがほぼ確実視されていますが、パウエルFRB議長が今後の金融政策の方向性をどのように発信するかが焦点です。なお、パウエル氏は5月15日に任期満了を迎え、後任にはウォーシュ元FRB理事が就任する見通しであり、今回が最後のFOMCとなる点も市場の関心を集めています。
日銀会合と植田総裁の発言に揺れる円相場
日本国内では、日銀の金融政策決定会合と植田和男総裁の記者会見が最大の注目点です。日銀は今回の会合で政策金利を維持する公算が大きく、焦点は植田総裁のスタンスに移っています。
市場ではすでに6月か7月の利上げがある程度織り込まれているため、タカ派的な姿勢が示されても円高への振り戻しは対ドルで1円程度にとどまるとみられています。一方、ハト派的な姿勢が示された場合には介入警戒感から膨らんでいた円の買い持ちポジションが解消され、円安が加速するリスクがあります。直近の安値である1ドル=160円台半ばを超える展開も指摘されています。
前週には円相場が159円80銭台まで下落し、心理的節目の160円に迫りました。160円を超える水準では政府・日銀による為替介入への警戒感が一段と高まります。片山さつき財務相も投機的な動きには強い措置をとると述べており、実際に介入があれば1ドル=158円まで上昇するシナリオも視野に入っています。また、日銀会合翌日の4月29日や5月1日は国内外で祝日となり、流動性が低下することで相場が急変動しやすい環境にあります。2024年の同時期には計9.7兆円規模の介入が実施されており、市場関係者は警戒を強めています。
国内金利と株式市場への影響
原油高と為替の動向は、国内の債券市場にも強い上昇圧力をかけています。長期金利の指標である新発10年物国債利回りは前週末に2.445%まで上昇し、4月13日には一時2.49%という1997年以来の高水準を記録しました。日銀が早期利上げに積極的な姿勢を示せば、今回の会合で据え置きとなっても金利は2.5%を目指して一段と上昇するとの見方が多くなっています。30日のECB理事会で利上げ姿勢が強まれば、海外からの金利上昇圧力が日本に波及する可能性も指摘されています。
株式市場は底堅い動きを見せており、AI・半導体関連企業の好調な業績を追い風に日経平均株価は再び6万円台を目指す展開が予想されます。今週はアドバンテストや東京エレクトロンの決算に加え、マイクロソフトやアルファベットなどGAFAMの決算も控え、AI・データセンターへの設備投資の動向に注目が集まります。ただし、中東情勢の不透明感や大型連休を控えたポジション調整から、週後半には上値が重くなる可能性もあるでしょう。
今週の「中銀ウィーク」は、原油高を起点としたインフレ圧力と各国の金融政策の不確実性が交錯する極めて重要な局面です。日米欧の中央銀行トップの発言や中東情勢のヘッドライン、主要企業の決算に細心の注意を払いながら、相場変動への備えを万全にする必要があります。
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