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【JPMアジア・オセアニア高配当株式ファンド】高配当で低ボラティリティ銘柄に投資することで高いシャープレシオを実現【投資信託マラソン】

【JPMアジア・オセアニア高配当株式ファンド】高配当で低ボラティリティ銘柄に投資することで高いシャープレシオを実現【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、JPMアジア・オセアニア高配当株式ファンド(愛称:アジアの風)、アジア・オセアニア地方の高配当株式に投資する世界株ファンドを分析します。このファンドは、高配当かつ低ボラティリティの実現を目標としており、その結果、資金の効率が良くなっています。

アジア・オセアニアファンドといえば、どうしてもボラティリティが高く、リターンも大して高くない印象を持たれがちですが、実際はどうでしょうか。分析をしていきます。

お願い

最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的として作成されたものであり、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではございません。また、投資信託はランダムに抽出しています。運用会社や販売会社と当社との間に業務提携は一切ございません。あくまでも中立な立場での分析です。

ファンド概要

概要

JPMアジア・オセアニア高配当株式ファンド(愛称:アジアの風)は、JPモルガン・アセットマネジメントが運用する世界株の投資信託です。信託報酬は1.625%、純資産総額は45億円ですが、NISAでの投資は不可能となっています。

特徴です。日本以外のアジアとオセアニアの株式に投資するアクティブファンドです。

投資方針は主に高配当株式中心ですが、それだけではなく、割安かつ低ボラティリティ銘柄の選定にフォーカスしています。アジアの株式といえばリスクの高い印象があるかもしれませんが、どういったパフォーマンスを残しているのでしょうか。

組み入れの国は、中国が25%、台湾が18%、オーストラリアが16%、次いで韓国、インドが続いています。これだけを見ても、非常に成長性の高い国々に投資を行っていることがわかります。日本株以外の国に投資していますから、日本株ファンドなどとうまく組み合わせることも1つの案だと言えるでしょう。

投資を行う際には積極的に企業取材を行い、相対的に高い配当利回りが維持できることが見込まれ、株価の上昇が期待できる銘柄を選んでいます。

「相対的に」高い配当利回りですから、高配当だけではなく、比較的高配当な銘柄にもフォーカスが当たっていることがポイントでしょう。

チェックポイントです。アジア株ファンドには低いリターンのイメージがありますが、実際のパフォーマンスはどうなのでしょうか。

簡易パフォーマンスです。10年、5年、3年、1年の期間で同カテゴリーのファンドに比べてプラスに推移しています。アジア・オセアニアファンドにおいても、良いパフォーマンスが残せていることがわかります。また、標準偏差は同カテゴリーを下回っていることから、低リスク、高リターンだと言えます。

投資戦略

目論見書を簡単にまとめると、アジア・オセアニア各国の株式に投資を行い、安定的かつ高水準の配当を確保し、中長期的な成長をはかることを目的としています。単に高いだけでなく、ある程度相対的に高い水準の良い銘柄を選んでいることがポイントです。

銘柄戦略

高配当で低ボラティリティの銘柄を選定していることもあり、業種別では銀行業が最も多く、20%を占めています。次いでテクノロジー、半導体、メディアなどのセクターが並んでいますが、銀行の比率が高いことが1つの特徴でしょう。

銘柄数は70~80と分散が効いています。ボラティリティが低い(リスクが低い)銘柄を選んでいることに加え、70~80銘柄に分散することでもリスクをコントロールしていることがわかりました。

ポートフォリオの平均配当利回りは3.8%ですから、配当利回りがそこまで高いわけではありません。単に高配当銘柄に投資しているだけでなく、割安感、成長性といった要素も加味した投資が行われています。

組み入れ上位の銘柄を見ると、最も多いのは台湾セミコンダクター(TSMC)で、1銘柄だけでポートフォリオの10%を占めています。他にもテンセント、サムスンの比率が高くなっていますが、これらの銘柄はそこまで配当利回りが高くありませんので、値上がり期待から組み入れていることがわかります。

注意点として、中国株の割合が多いことをどう捉えるかがポイントになります。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

ファンドのパフォーマンスは、リターンだけを見れば近年は低調です。

世界株平均の円ベースと比較しても、過去5年間で70%程度、過去3年間で30%程度下回っています。これは中国株をはじめとする新興国全体の低調さが影響しています。このファンドに限らず、同カテゴリーが低調だったと言えます。

とはいえ、近年成長している半導体、テクノロジー株を多く組み入れていることを考えると、本来であればもう少しパフォーマンスが良くてもいいはずです。そのため短期的なパフォーマンスだけを見ると、そこまで評価できない状況です。

しかし、銘柄選定方針でもご紹介した通り、ファンドの特徴はボラティリティの低さにあります。ファンド全体としても値動きをかなり抑えた運用となっています。

個別銘柄ベースで低ボラティリティの銘柄を選定し、ある程度の分散を利かせることで、ファンドのリスク値も過去3年で平均11%と、アジア株としては非常に低く抑えられています。新興国株に投資するファンド平均を大きく下回っており、先進国株と比べても低くなっています。

リターンは低いものの、リスクが大幅に抑えられた運用ができていることもあり、シャープレシオは1を超えています。

直近の新興国の中期シャープレシオ平均は1未満が多いですから、このファンドは非常に資金効率が高いと言えます。

組み入れ銘柄には高配当の株式だけでなく、アジアのテクノロジー企業や半導体関連企業も多く含まれており、今後の値上がりも期待できるポートフォリオとなっています。短期的なパフォーマンスだけでなく、中長期的には低いボラティリティとシャープレシオの高さ、テクノロジー企業を入れていること、アジアへのアロケーションがとれることを考慮すると、魅力的のあるファンドに感じます。

ただ、中国をはじめとしたカントリーリスクを伴っている点には注意が必要です。

資金流出入

最近は資金の流入が増えています。アジアの成長への期待や、今後ボラティリティが上昇しそうな市場環境において、低いボラティリティを求める投資家が増えているためと考えられます。

評価

評価は3.5です。ファンドの特徴は、アジア・オセアニアに特化し、日本を除く地域にエクスポージャーを持つ点にあります。ボラティリティも低いですから、自然とシャープレシオは高くなる傾向があります。今後の混沌としたマーケットにおいて能力を発揮する可能性がありますので、期待値も含めて評価は3.5としました。

ただし、短期間の実績ではアンダーパフォームが続いています。単体で保有するよりも、他のファンドとの組み合わせの妙味を期待する方が適切です。

とはいえ同様のファンドは他にもありますので、比較をした上でご判断いただければと思います。

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