本日は、ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンド(愛称:ポジティブチェンジ)を分析します。
社会にインパクトを与える、ポジティブな変化をもたらす銘柄に投資するファンドです。こうした投資方針は、長期的な視点で見た場合、銘柄の成長が期待できます。一方で、短期間でパフォーマンスにプラスになりにくい傾向があります。そこで本日は、このファンドはどのようなパフォーマンスを残しているなどを分析したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
お願い
最初にお願いです。この記事はあくまで情報提供を目的として作成されており、投資の勧誘、売買の推奨を目的としたものではありません。投資信託の選出においては、運用会社や販売会社と当社の間に業務提携は一切ございません。あくまでもランダムに抽出し、中立な立場で分析します。
投資信託概要
概要
ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンド(愛称:ポジティブチェンジ)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する世界株ファンドです。NISA成長投資枠での投資が可能で、信託報酬は1.52%、純資産総額は1,101億円です。

特徴です。世界各国の株式の中から社会的な変化をもたらす、非常にインパクトのあるテーマに沿って投資を行うアクティブファンドです。
世の中にインパクトを与えるテーマとして、ファンドは4つを挙げています。「平等な社会・教育の実現」「環境・資源の保護」「医療・生活の質向上」「貧困層の課題解決」です。
それらのテーマに合致する銘柄を選定し、投資先の企業と対話を通じて成果に結び付くよう促進していることが特徴です。
社会貢献を推進するようなESG投資を行っており、従来の銘柄選定手法に加え、社会的なテーマを加えたアクティブファンドです。長期的なテーマとしては非常に注目に値するファンドの1つだと感じています。
チェックポイントです。社会にインパクトを与える銘柄、企業への投資が高パフォーマンスにつながるかを確認します。得てしてギャップが生じがちですが、このファンドはどうでしょうか。
投資戦略
「平等な社会・教育の実現」「環境・資源の保護」「医療・生活の質向上」「貧困層の課題解決」をインパクトテーマとして掲げ、解決策を提供できる企業を選出することが銘柄選定の軸となっています。

日本株を含めた、世界各国の株式市場が投資対象です。
まずはインパクトテーマに沿った企業があるかスクリーニングをかけた後、成長性、ファンダメンタルズ分析を行います。
その後は社会環境への影響度合い、経営者の考え方、商品・サービスのインパクト、ビジネスプランをトータルで考慮するインパクト分析を行い、最終的なポートフォリオを構築します。
ポートフォリオの構築後は、投資家として責任を持って企業に働きかけを行い、ファンドのパフォーマンス向上と企業の成長を促しています。
銘柄戦略
ポートフォリオは30銘柄前後と一定の集中を行っています。30銘柄に絞った投資信託は、世界株に投資しても米国に集中することが多いです。しかし、このファンドは米国の比率が意外と低くなっています。

米国が最も多いのは確かですが、時価総額ベースで44%程度と低めです。以降はブラジル、台湾、オランダ、カナダが並んでおり、ボトムアップで銘柄選定を行った結果、国別配分が一般的なファンドとは大きく異なっています。
業種別に見ると、情報技術とヘルスケアが約半数を占めており、国別、業種別でも市場平均とは大きく異なっています。
銘柄の入れ替えについても、従来の業績によるものとテーマに沿ったものの双方の観点から行っています。直近では、10X GENOMICS INC、DISCOVERY LTDは業績や競争激化によりプロダクトの優位性が失われたことを理由に全売却しています。
一方で、日本企業のダイキン工業には、エネルギー削減に大きく貢献できる企業として評価が高まり、組み入れが行われています。
30銘柄ですから、銘柄入れ替えがあまり行われない印象を持つ方もいるかもしれませんが、必要に応じて入れ替えられていることがわかりました。
ファンド・パフォーマンス
パフォーマンス
パフォーマンスのブレ幅は大きいと言わざるを得ないです。こうしたテーマ株はどうしても変動幅が大きくなりがちです。業種と銘柄を集中した結果が、このファンドのパフォーマンスにも顕著に表れています。

設定来5年間の動きはかなりブレ幅が大きいです。TOPIX、世界株を大きく上回る成績を示しており、非常にパフォーマンスが良く見えますが、この動きの大きさには注意が必要です。チャートを見るだけでも、高いリスクがあるとご理解いただけることでしょう。
2020年~2021年前半にかけては世界株平均を100%以上上回っていますが、その後の下落局面では大きく値を下げました。組み入れ銘柄が30銘柄と集中しており、アメリカの高成長株、情報技術関連などの銘柄が多く含まれていることが影響したのでしょう。
他の国や業種も組み入れられているため、過去5年間のリターンは世界平均を上回っています。ただ、大きく上昇した期間を除いた過去3年間のパフォーマンスを見ると、数%のリターンに留まっています。世界株平均を60%も下回っているように、ここ3年間のパフォーマンスは良くありません。このようにブレ幅の大きなファンドです。
リスクも非常に大きく、過去3年間で22%を超えています。集中投資をしていることに加え、銘柄の入れ替えも比較的頻繁に行っていることから、今後も値動きがかなり大きくなると想定されます。
社会的にインパクトを与える企業の業績の伸びがマーケットで評価されるには、一定の期間が必要です。社会的に意義のある企業がすぐに評価されることは少ないです。そのため、このファンドへの投資が向いているのは、長期的投資ができる方となります。
過去の実績を見る限り、ファンド単独での耐久性は低いと言わざるを得ません。特定テーマに投資するスタイルリスクがあることへの理解があり、下落局面への耐久度の低さを他のファンドと組み合わせて下落を緩和できるよう、ポートフォリオの一部として組み入れるのであれば保有できるでしょう。
資金流出入

資金は流出が続いています。
評価

評価は2.5です。パフォーマンスだけを見ると、過去5年は良好な一方、過去3年は悪く、評価は2程度というのが正直なところです。
ただ、社会的にインパクトのある企業を4つのテーマに沿って選ぶことは、個人投資家にとって簡単なことではありません。こういったファンドを通じ、そういった企業を選定することは非常に有意義です。そのため、評価は0.5程度プラスさせていただきました。
パフォーマンスを見る限り、今後もボラティリティが高くなることが想定されます。同じようなテーマファンドの中には、リスクが低く抑え、リターンが安定しているファンドもあるかと思います。ぜひ比較をしてください。
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