国内外で金利が上昇する中、個人向け国債や社債が再び注目を集めています。「変動10年型」個人向け国債は、金利上昇に連動して利回りが向上する仕組みが特徴で、元本保証もあるため初心者に適した商品です。また、大手企業が発行する社債や米国債も安定的な収益を狙う投資家に人気で、それぞれの特性を活かした分散投資が重要です。この記事では、具体的な債券の選択肢とその魅力を詳しく解説します。
国内の金利が13年7カ月ぶりの高水準に
1月9日の債券市場で10年国債利回りが一時1.185%に上昇し、約13年7か月ぶりの高水準となりました。国債が売られ価格が下落すると長期金利が上昇し、固定型住宅ローン金利にも影響を及ぼします。国内の金利が上昇する中、個人向け国債や社債といった債券投資が再び脚光を浴びています。中でも、国内の「変動10年型」個人向け国債は注目度が高い商品です。この債券は市場金利に連動し、最低でも0.05%の金利が保証されているため、金利上昇局面での利回り向上が期待できます。加えて元本保証が付いていることから、特に投資初心者にとって魅力的な選択肢となっています。

出典:財務省
また、企業が発行する社債も多くの投資家に選ばれています。例えば、大手企業が発行する社債は、信用リスクが低く、年利1〜2%程度の安定した利回りが得られます。2024年にはソフトバンクグループが発行した7年債の利率が3.03〜3.15%に達し、2019年の発行時と比較して1.7〜1.8ポイントも高くなりました。この背景には、企業の信用力向上とともに、基準となる国債利回りの上昇が影響しています。さらに、イオンモールの5年債(利回り1.1%)や東京建物の7年債(利回り1.19%)なども発行され、いずれも1%以上の利回りが投資家の人気を集めています。
米国債は4%以上の利回りを狙える
一方、米国債はより高い利回りを狙いたい投資家にとって魅力的な選択肢です。特に10年債や30年債は年利4%台後半の利回りがあり、日本国債や国内社債と比べて収益性が高いのが特徴です。最近では、米国10年債の利回りが一時的に4.5%を超え、長期的な安定収益を求める投資家の注目を集めました。ただし、米国債はドル建てのため、為替リスクが伴います。円安時には為替差益が期待できるものの、円高が進むと逆に損失が生じる可能性があるため、慎重な判断が必要です。これらの選択肢を有効活用するには、分散投資が重要です。例えば、国内では元本保証のある個人向け国債を基盤に据え、大手企業の社債で利回りを補完し、さらに高収益を狙うなら米国債をポートフォリオに加えるといった戦略が考えられます。金利上昇局面での債券投資は、リスクを抑えつつ安定的な収益を得る手段として非常に効果的です。それぞれの商品特性を理解し、自分の投資目的やリスク許容度に応じて適切なポートフォリオを構築することで、長期的な資産形成に役立てるようにしましょう。
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