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【米国株】‌‌半導体株ラリーの継続でS&P500はさらに上昇するか?【7/28 マーケット見通し】

【米国株】‌‌半導体株ラリーの継続でS&P500はさらに上昇するか?【7/28 マーケット見通し】

本日のテーマは、「米国株 半導体ラリー継続でS&P500はさらに上昇?」でお伝えしていきます。

先週のアメリカ株式市場も非常に堅調に推移しました。この堅調さが今後も続くのかどうか、分析したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

2025年第二四半期の米国企業決算

米企業決算は好調スタート 予想越え8割超の高水準

株式が大きく上昇している背景には、米企業決算の好調さがあります。

先週は、日米の関税交渉において動きがあり、当初は25%と想定されていた関税が、15%に引き下げられることになりました。ユーロ圏に対しても同様に、15%に引き下げられるというニュースが報じられています。

一時期は非常に高かった関税が、ある程度受け入れられやすい水準にまで下がってきており、そのことがマーケットでは好感されている状況となっています。

市場を揺さぶるような材料が避けられているなかで、改めて注目されるのは、経済成長の動向や企業業績の内容でしょう。前回の記事でもお伝えしましたが、企業業績が事前予想と同程度に留まると、株価は下がる可能性があります。

私は「おそらく企業業績はいつも通りに市場予想を上回る」のではないかと前回の記事でもお話ししていましたが、やはりその通りの展開になっています。現在、決算発表は全体の約3分の1が終了していますが、8割以上の企業が市場予想を上回っています。S&P500の企業のうち、予想を下回った企業は20%、そして予想を上回った企業は80%と、4年ぶりの強い水準となっています。

また、前年比で4.2%ほどの利益成長と思われていたものが、現時点では約5%となっています。今後の決算発表によって、6〜7%まで伸びていくだろうと見られるなど、好調な決算内容が、現在の株価を下支えしています。

半導体銘柄が牽引する米国株市場とは?

AIインフラ投資拡大でSOX上昇余地 メガテック決算に注目

半導体銘柄がマーケットを大きく牽引しています。年初来の推移を示したチャートをご覧ください。黄色がS&P500、青がSOX指数です。

ご覧の通り、関税導入が取り上げられた際には、世界経済が停滞し、半導体需要が減少するのではとの予測からSOX指数は大きく下落しました。しかし、その後はしっかりと回復し、年初来ベースでS&P500を4%近く上回るパフォーマンスとなっており、半導体が現在の相場を牽引している状態です。

さらに、注目すべきは先週7月24日に発表された、アルファベットの決算です。Google Cloudを中心とした設備投資が前年比で大幅に増加し、なんと224億ドルに達したとのことで、市場予想を大きく上回る半導体への需要の強さを裏付ける内容となっています。

半導体に対する需要が引き続き強く、SOX指数が上昇すれば、当然、株価にもプラスの影響を与える流れが続いていく状況と言えるでしょう。

そして今週は、マイクロソフト、アマゾン、メタ・プラットフォームズなどの決算が控えています。設備投資費用は、前年比でメタが+41%、マイクロソフトが+14%、アマゾンで+13%と、いずれも積極的な投資姿勢を示しています。

そのため、7月30日のメタ、マイクロソフト、31日のアマゾン、アップルなどの決算発表において、アルファベットと同じように、予想を上回る設備投資のアナウンスがあれば、SOX指数がさらに上昇する可能性があるでしょう。

AIインフラへの投資が確認されれば、SOX指数がさらに上値を追い、半導体指数が全体を押し上げる展開になると予想されます。そのため、今週は企業決算が大きな注目ポイントと言えます。

世界の半導体市場、止まらぬ成長

次に、個別企業、特にメガテックでは、半導体の需要が非常に強いことは知られていますが、市場全体としても本当に強いのかを確認していきます。

そこで今回は、WSTSが出している世界の半導体市場動向をまとめているレポートを取り上げました。資料から分かることとして、2025年の半導体市場は前年比で+11.2%の成長が見込まれています。データセンター投資など需要は引き続き強く、2026年についても+8.5%の成長が見込まれているとのことです。

左の図をご覧ください。2025年は+11.2%、2026年は+8.5%という見通しとなっており、半導体の需要が今後も増えていくことを示しています。特に注目すべきはアメリカ地域での成長率です。2025年には+18%、そして2026年にはなんと+9.6%と、アメリカにおける半導体需要の力強さが際立っています。

こうしたデータを踏まえると、M7のみならず、全体としても半導体需要が非常に強いことが確認できます。

では、半導体の需要が強ければ、それだけで株価が上昇するのでしょうか。

もちろん、需要が強いだけでは不十分です。企業の業績、つまり利益が伴わなければ株価は反応しません。

主要半導体企業の在庫動向と株価の関係

そこで次に注目したいのが、世界の主要半導体企業における在庫日数です。在庫日数が増えていることは需要が減り、在庫が余ってしまっていることを指し、在庫日数が減っていることは需要が強く、生産が進んでいることを表します。

棒グラフは、インテル、マイクロン、エヌビディアといった世界を代表的する半導体企業における、前年比で在庫がはける日数推移を示したものです。棒グラフが上に行けば行くほど在庫が多く、下に行くほど前年比で在庫が少ないことを表します。

黒のチャートは7社の在庫日数平均を表しているのですが、現在は0を下回っています。メガテック企業はさらに設備投資を加速させようとしている一方で、在庫は減少傾向にあることが分かってきました。

では、こうした状況が株価にどのような影響を与えるのでしょうか。S&P500のチャートを見ると、過去10年間の傾向として、半導体の在庫が大きく積み上がったタイミングで株価は下落する傾向が見られます。現在のように半導体の在庫が積み上がっていないということは、株価が下がりにくく、上昇しやすい環境にある、と言えます。

そうすると株価も下がりにくい状況となるため、今の相場はそう簡単には崩れにくいのではないか、という見方ができると思います。

米マネーサプライ(M2)と米株の需給はどうなっているのか?

マネーサプライが米国株式市場を支える

次に、半導体需要を支える要素として、マネーサプライを確認してみましょう。左のチャート、白がグローバルな流動性、マネーサプライを表し、黄色がS&P500を表しています。流動性が高まると、連動するように株価も上昇する傾向があることが分かります。


今、グローバルな流動性は上昇傾向にあり、世界的に利下げの流れが進んでいることから、流動性の下押し圧力が弱いことを意味しています。つまり、現時点では流動性が下がる可能性は低いと言えそうです。

続いて、右のチャートをご覧ください。赤はアメリカのM2の前年比、青はISM、購買者のPMIを表しています。マネーサプライが前年比でプラスになると、ISMは下げ止まる傾向があります。M2がアメリカにおいて前年比で増えてくると想定されるなかにおいて、ISMは大きく下げる要素は少なく、PMIが強いということは、半導体もそこまで大きくは落ち込まない、株価がある程度底堅くなるだろうと、流動性から確認できました。

ヘッジファンドの売り越しが示す”下値の底堅さ”

最後に、需給関係を確認したいと思います。こちらのチャートは、ヘッジファンドがS&P500を売っているのか、買っているのかを示したものです。


ご覧の通り、2025年に入ってから、過去1年間で最も大きなS&P500のショートポジションが構築されています。

過去を振り返ると、特に2022年から2023年にかけて、ヘッジファンドがS&P500のショートポジションを大きく膨らませた局面がありました。その後、利下げに転じたことで、株価は大きく上昇に転じ、買い戻しを余儀なくされています。つまり、ショートポジションが膨らんでいる局面では、株価が上昇するとその反動で買い戻しが発生しやすく、株価が上昇しやすいと言えます。

現在の需給環境を見ると、ヘッジファンドは引き続き大きくショートをかけています。そのため、株価が堅調に推移すれば、買い戻しの動きが出やすくなり、株価が下落しにくく、下値の底堅さにつながります。

本日は、以下のことを確認しました。1.半導体の需要が非常に強いこと。2.今週発表されるメガテック3社の決算では、設備投資の増加が期待されていること。3.世界的に半導体需要は拡大しており、半導体企業の在庫は増えておらず、今後、半導体企業の利益が増える可能性があること。4.世界的な流動性が減るとは想定しづらく、ヘッジファンドがショートを振っていることから、需給面でも株価が支えられる要因となっていること。

高値圏から株価が調整される可能性は十分ありますが、大きく売り込まれるのかというと、意外と底堅く、押し目があれば投資家が入りやすい、底堅い相場環境にあると考えられます。こうした環境が、現在の夏相場の上昇を支えているとも言えます。

ぜひ今週の決算発表に注目していただき、今後の半導体指数の動向にも目を向けていただければと思います。

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