日本株先週の振り返り
先週(9月16〜19日)の東京株式市場で、日経平均株価は一進一退の展開を経て、最終的に前週末比277円高の4万5045円で取引を終えました。週前半は日米の金融政策イベントを前に4万5000円前後での攻防が続きましたが、17日に米FOMCが0.25%の利下げを決定。さらに年内2回の追加利下げが見込まれるとの見通しが示され、市場心理を下支えしました。その流れを受けて翌18日には買いが強まり、日経平均は一時4万5500円を超える場面がありました。
週末19日も米株高を背景に上昇してスタートし、朝方には4万5800円台に到達。しかし同日に開かれた日銀の金融政策決定会合で、金利据え置きと同時にETFやJリートを市場で段階的に売却していく方針が発表され、これが投資家心理を冷やす要因となり一時急落しました。もっとも、日銀のETF売却ペースは1日あたりに換算すると十数億円程度にとどまる計算です。現在の売買代金が4兆〜5兆円規模に達するマーケットにとっては、その影響はごくわずかにすぎないのではないか、という市場の見方が優勢になり、13時過ぎから株価は大きく下げ幅を縮小しました。また、半導体やAI関連といった成長株への物色意欲は根強く、下げ幅を縮小して引け値は再び4万5000円台を維持しました。この動きで余計に相場の強さを感じました。
日本株今週の見通し
今週(9月22〜26日)の東京株式市場では、現在の半導体株やAI関連株への資金集中がどの程度持続するかが焦点となりそうです。先週はアドバンテスト(6857)やソフトバンクグループ(9984)が引き続き買われただけでなく、これまで出遅れていた東京エレクトロン(8035)、レーザーテック(6920)、SCREENホールディングス(7735)などにも投資資金が波及しました。海外勢は運用成果を確保するために成長株比率を高める動きを強めており、その一方で資金を捻出するために他の業種を売却しているとみられます。この流れが続くなら、非ハイテク分野は軟調さが意識されやすいでしょう。
ただし、ハイテク株の一部で利益確定売りが広がれば、相対的に内需関連株などへ物色の矛先が移る可能性もあります。主力の値がさ株が調整局面に入ると日経平均の下げ幅は大きくなり得ますが、主要イベントを通過した安心感や自民党総裁選を控えた国内要因から、押し目買い意欲は依然として根強いと考えられます。
今週の為替注目点
ドル円相場は当面、下値の堅さが意識されそうです。9月16〜17日に開かれた米FOMCでは0.25%の利下げが決まりましたが、0.50%の大幅利下げを主張したのは就任直後のミランFRB理事のみでした。パウエル議長も会見で「リスクに備えた予防的な利下げ」と説明し、次回以降の追加利下げに積極的な姿勢は示しませんでした。さらに公表されたドットチャートでは、年内2回の利下げがメインシナリオとされ、市場予想とほぼ一致。2026年の利下げ回数は1回と、従来より緩やかな見通しが示され、想定ほどのハト派色はみられませんでした。直前までドル売りが先行していた反動もあり、ここからはドル安を一方的に仕掛けにくい環境です。
もっとも、議長が雇用悪化リスクを警戒した点は重視され、今後は米経済指標に相場の注目が集まる見通しです。今週はPMI速報値、GDP確定値、新規失業保険申請件数、PCEデフレータなど重要指標が並びます。さらに国内では自民党総裁選が接近しており、高市氏優勢なら円安、小泉氏有力なら円高と受け止められ、為替は報道次第で振れやすい展開になりそうです。
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