日本株先週の振り返り
先週(9月22日~26日)の東京株式市場では、日経平均株価が連日のように最高値を塗り替えました。最終的には26日に反落したものの、週間では先週末比309円18銭高(+0.69%)の4万5354円99銭で取引を終えています。22日の寄り付きは前週末から447円高と大幅上昇で始まり、19日に日銀が発表したETF売却の影響による下げを取り戻しました。とりわけソフトバンクグループ(9984)が高値を更新し、東京エレクトロン(8035)をはじめとする半導体やAI関連銘柄に資金が集まったことが相場をけん引しました。
週の後半は、配当や株主優待を意識した買いに加え、米国での追加利下げ観測が後退し長期金利が上昇したことからメガバンク株が堅調。さらに為替が1ドル=149円台後半まで円安方向に振れ、輸出株への物色も強まり、25日には終値で4万5754円93銭と史上最高値を更新しました。ただし26日は反落し、4万5500円を下回って終了。配当権利取りの最終日だったため、AI株中心に利益確定売りが出て、資金がバリュー株へ移る展開となりました。
日本株今週の見通し
今週(9月29日〜10月3日)の東京株式市場は、10月4日に投開票を迎える自民党総裁選を意識し、下値の堅さが意識されそうです。一方で、週末には米国の雇用統計発表を控えており、投資家の間では積極的な売買を控える「様子見姿勢」が強まる可能性があります。日経平均株価については、配当落ちの影響が約300円と試算されており、4万5000円から4万5500円のゾーンが相場の目安になりそうです。
注目されるのは、これまで上昇をけん引してきたソフトバンクグループをはじめとしたAI・半導体関連株に再び買いが集まるかどうかです。もし利益確定の売りが続くようであれば、相対的に割安とみられる金融株やディフェンシブ株など、バリュー株への資金シフトが一段と進む展開も想定されます。加えて、総裁選が近づくにつれ、候補者が打ち出す政策テーマに関連した銘柄に物色の矛先が向かう可能性があります。特に高市氏が掲げる「核融合炉」や、小泉氏の「ライドシェア」といった政策に絡む分野の株式が、短期的に材料視されやすい点には注意しておきたいところです。
今週の為替注目点
今週のドル円相場は不安定な動きが予想されます。米国では重要な経済指標が相次ぎ、特に10月3日に公表される9月の米雇用統計に注目が集まります。先日のFOMC後、パウエルFRB議長が「雇用の弱さがリスクになり得る」と述べたこともあり、市場参加者は雇用データに敏感になっています。先週はパウエル議長が利下げ時期に触れなかったうえ、複数の地区連銀総裁が早期緩和に慎重な見解を示したことで過度な利下げ期待は後退しました。雇用統計の内容次第で相場の方向感が大きく変わる可能性があるため、乱高下には警戒が必要です。米国では雇用統計以外にも、30日のJOLTS求人件数や消費者信頼感指数、10月1日のADP雇用報告とISM製造業景況指数、3日のISM非製造業景況指数など、重要指標が立て続けに発表される点も為替の変動要因となりそうです。
さらに国内では、10月4日の自民党総裁選も焦点です。小泉氏と高市氏の対決が想定されるなか、市場はまだ織り込み不足の状況です。結果は土曜日に判明するため、週明けのオセアニア市場で大きく反応する可能性があります。一般的に、高市氏が勝てば財政拡大や日銀の緩和継続が意識され円安方向、小泉氏なら石破路線の継続で円高方向に振れるとの見方が広がっています。加えて、米国では「つなぎ予算案」を巡る与野党協議が難航しており、期限の9月30日までに合意できなければ政府機関の一部閉鎖リスクがあります。ただ、例年のように土壇場で合意に至れば、市場への影響は限定的とみられます。
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