日本株先週の振り返り
先週(10月20日〜24日)の日経平均株価は堅調に推移し、週間では前週比1717円高の4万9299円で取引を終えました。21日には高市自民党総裁の首相就任が確実視され、「高市トレード」と呼ばれる関連銘柄への買いが膨らみ、日経平均は一時4万9945円まで上昇し5万円台目前に迫りました。その後は材料出尽くし感から半導体やAI関連株を中心に利益確定売りが優勢となり、22日はソフトバンクグループの下落も重石となりましたが、内需系やバリュー株が買われる展開に。
23日は米政権による対中輸出規制の報道でハイテク株が売られ、日経平均は666円安と続落しました。しかし夜の高市首相の所信表明演説や、トランプ大統領による米中首脳会談発表が好感され、週末24日は再び買い戻しが進行。ハイテク株中心に急反発し、週を通しては「政策期待」と「米中摩擦緩和観測」が上昇を支える結果となりました。
日本株今週の見通し
今週の日本株は、いよいよ“5万円の壁”突破が視野に入ります。高市政権の政策運営が本格化する中で、投資家心理は良好。短期的な調整を挟みつつも、押し目買い意欲は極めて強いと見られます。
市場の関心は「サナエノミクス2.0」とも言える新たな成長戦略に向かっています。宇宙・核融合・先端医療など、政府の支援が想定される次世代産業への資金シフトが進む公算です。特に、政府が掲げる「安全保障×技術立国」の枠組みの中で、防衛・半導体・医薬バイオの3領域が注目を集めそうです。
一方で、来週からは主要企業の決算発表が本格化。好決算銘柄には資金が集中する半面、期待未達の銘柄は売られる二極化相場が予想されます。指数全体としては、やや値動きの鈍い「レンジ調整局面」となる可能性もあります。
海外では、28〜29日にFOMCが開催され、追加利下げの有無が最大の焦点。結果次第では、為替を通じて日本株にも影響が波及します。
国内では29〜30日に日銀金融政策決定会合が控えており、政策金利の据え置きが有力視されていますが、植田総裁が会見でどのような“メッセージ”を発するかが市場の関心事です。
さらに、28日の日米首脳会談、30日の米中首脳会談など、外交イベントも相次ぎます。交渉の行方次第で市場心理が一変する可能性があり、リスク管理を伴うポジション調整が重要な局面に入ります。
とくに、米中関係が再び硬直化すれば輸出株には逆風となる一方、防衛関連や内需インフラ株には追い風となる構図が見込まれます。
今週の為替注目点
今週のドル円相場は、日米両国の金融政策イベントと首脳外交が重なるため、極めて神経質な展開が想定されます。
最大の注目は、28日に予定されるトランプ大統領と高市首相の初の首脳会談です。議題は、日米関税合意の進捗、5500億ドル規模の対米投資、防衛費負担など。トランプ政権が一部関税率を25%へ戻す可能性を示唆している点は円高リスクとなります。為替への直接言及があれば、短期的に円買いが強まる可能性も。
また、30日のAPECではトランプ大統領と習近平国家主席が会談予定。11月1日に予定される対中関税引き上げの「回避シナリオ」が実現すれば、リスクオンのドル高・株高の流れが再燃する公算です。逆に合意が難航すれば、安全資産として円が買われやすい局面も想定されます。
米国ではFOMCにて0.25%の追加利下げ(3.75〜4.00%)が有力視され、QT(量的引き締め)の停止が議論される見込み。労働市場の軟化を背景に、パウエル議長は「緩和維持+慎重なデータ依存姿勢」を示すと見られます。
一方、日本では高市政権の誕生直後でもあり、日銀は利上げを見送る公算。片山財務相は「為替の安定が望ましい」と繰り返しており、為替介入よりも総裁会見での発言ニュアンスが焦点となるでしょう。
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