2025年10月30日、東京株式市場で日経平均株価は続伸し、終値は前日比17円(0.04%)高の5万1325円となりました。これにより連日の最高値を更新する結果となっています。この日の市場は、前日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、本日の日本銀行の金融政策決定会合という二大イベントを通過し、複雑な値動きとなりました。しかし、最終的には生成AI関連株への根強い投資意欲が相場を支える展開となっています。
「タカ派的利下げ」が朝方の重しに
米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開催したFOMCで、2会合連続となる0.25%の追加利下げを実施しました。これにより政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は3.75%〜4.0%となっています。
ただし、パウエルFRB議長は記者会見で、12月の追加利下げについて「既定路線というにはほど遠い」と慎重な姿勢を示しました。この発言を受けて、金利先物市場のデータ「フェドウオッチ」によると、12月利下げ実施の予想は前日の90%強から56%へと大幅に低下しています。この「タカ派」とも受け止められる利下げ姿勢により、日経平均は午前中に下げる場面が目立ちました。
日銀の金利据え置きとAI投資熱
市場の懸念を和らげたのが、本日発表された日銀の金融政策決定会合の結果です。日銀は政策金利である無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.5%で据え置くことを決定しました。これは1月の会合で利上げを決めて以来、6会合連続の金利維持となります。
最終的な相場をけん引したのは、生成AI関連株への衰えぬ投資意欲でした。エヌビディアの追加投資や企業間での連携の報道などが相次ぎ、AI銘柄が改めて注目されました。
AI・半導体関連株が急伸
特に注目されたのが、半導体試験装置メーカーのアドバンテストで、一時7%高まで上昇しました。また、製造装置メーカーのレーザーテックは一時ストップ高となる5000円高(21%高)の2万8575円まで急騰しています。これは一部アナリストが目標株価を3万5000円まで引き上げたことが材料視されたと見られています。
市場の背景には、AI半導体で独走状態にある米エヌビディアの存在があります。エヌビディアは前日、世界の企業として初めて時価総額が5兆ドルを突破しました。さらに、米メタは29日、2025年12月期の設備投資額が底上げされる見通しを示し、2026年の投資計画も「25年よりも著しく大きくなる」と説明しています。
今後はAI・半導体関連銘柄がけん引する流れが続きつつも、出遅れていたバリュー株などへの物色がどこまで広がるかが、日経平均5万円定着を左右する焦点となりそうです。
また、米国のテック企業の設備投資額はフリーキャッシュフロー比で見るとまだまだ余録がある状態であることも忘れてはいけません。
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