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日銀利上げ示唆で市場激震|長期金利17年半ぶり高水準・日経平均1,000円安

日銀利上げ示唆で市場激震|長期金利17年半ぶり高水準・日経平均1,000円安

植田総裁発言で12月利上げ観測が急浮上

2025年12月1日、日本銀行の植田和男総裁が名古屋市で開催された金融経済懇談会において、12月18〜19日の金融政策決定会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と発言しました。この発言は市場で事実上の12月利上げ予告と受け止められ、国内金融市場に大きな影響を与えています。

金利スワップ市場(OIS)では、植田総裁の発言後、12月会合での利上げ予想が足元で75%程度に上昇しました。これまで利上げに慎重姿勢だった総裁の発言だけに、市場では「やや意外感があった」との受け止めもあります。

債券市場は金利上昇、株式市場は大幅反落

植田総裁の発言を受けて、国内債券市場では長期金利が上昇しました。指標となる新発10年物国債利回りは前週末比0.035%高い1.840%をつけ、2008年6月以来17年半ぶりの高水準となりました。新発2年物国債の利回りも前週末比0.015%高い1.005%を記録し、17年半ぶりに節目の1%を超えています。

一方、東京株式市場では日経平均株価が大幅に反落しました。植田総裁の挨拶が始まった10時過ぎから下げ足を速め、午後の取引では下げ幅が一時1000円を超え、終値は前週末比950円(1.89%)安の4万9303円で引けました。先週回復した5万円の大台をあっさり割る事態となり、年末株高への期待に冷や水を浴びせる形となりました。

業種別では銀行株が逆行高

金利上昇と円高進行は、業種によって明確な影響の違いをもたらしました。円相場が対ドルで一時155円49銭と強含んだ場面では、トヨタやホンダといった自動車株が下げ幅を広げました。また、金利上昇による成長株の割高感から、AI・半導体関連の一角も大きく下落しました。

一方、銀行株は逆行高となり、業種別で上昇率トップに立ちました。三井住友FGは8日続伸し株式分割考慮ベースの上場来高値を更新、三菱UFJも実質的な上場来高値を更新し、みずほFGは年初来高値を更新しています。地銀株にも買いが広がりました。

利上げ判断の根拠と今後の展望

植田総裁は利上げの判断材料として、企業の賃上げ姿勢を重視しています。特に来春闘に向けた初期のモメンタムが継続するかどうかが、政策転換の成否を左右するとみています。また、実質金利が依然として自然利子率を大きく下回っている状況を踏まえ、利上げは景気のブレーキではなく、「過度に踏み込んだアクセルを緩める正常化のプロセス」と位置づけています。

一方で、今月は米FOMCが先に開催されるため、日銀は米国金利の反応や円相場への影響を確認した上で、12月18〜19日の会合で最終判断を下す可能性があります。当面は、日米の政策スタンスの違いが市場の不安定さを生みやすく、金利・株価・為替の変動が大きい状況が続くとみられます。

投資家にとっては、金利正常化の流れが止まらない前提で、ポートフォリオの金利感応度を見直す局面に差し掛かっています。

開催日程
日銀金融政策決定会合12月18日(水)・19日(木)
FOMC12月9日(火)・10日(水)(米国現地時間)


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