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スタグフレーション懸念が市場を揺らす ― 原油高・中東情勢と日米株の現在地

スタグフレーション懸念が市場を揺らす ―  原油高・中東情勢と日米株の現在地

3月11~12日の金融市場は、中東情勢の緊迫化を背景としたスタグフレーション懸念から、日米ともに株価が大きく下落する厳しい展開となりました。東京市場では日経平均株価が一時1200円超の下げ幅を記録し、ニューヨーク市場でもダウ平均が昨年12月以来の安値を付けています。本記事では、スタグフレーションの基本概念を踏まえつつ、本日のマーケット動向を詳しく解説します。

スタグフレーションとは何か

スタグフレーション(Stagflation)とは、経済成長の停滞を意味する「スタグネーション」と、持続的な物価上昇を意味する「インフレーション」を組み合わせた合成語です。通常、景気が後退する局面では需要が落ち込み、物価は下落(デフレ)に向かいます。しかし、戦争などの地政学的リスクによる供給ショックや原材料価格の高騰が起きると、景気が悪いにもかかわらず物価が上がり続けるという特異な現象が発生します。

賃金が上がらない一方で生活必需品などの物価だけが上昇する「物価上昇と所得低迷のダブルパンチ」となるため、個人消費がさらに落ち込み、企業業績の悪化や雇用の不安定化を招くという悪循環に陥る恐れがあります。過去の代表的な事例としては1970年代のオイルショックが挙げられます。近年では2022年のロシアによるウクライナ侵攻時の資源高騰や、2025年のトランプ米政権による一律関税措置もスタグフレーションの引き金になり得るとして市場で警戒されてきました。

本日のマーケット概況とスタグフレーション懸念の背景

3月12日の東京株式市場では、日経平均株価が3日ぶりに反落し、前日比572円41銭安の5万4452円96銭で引けました。一時は下げ幅が1200円を超えるなど、非常に荒れ模様の展開となりました。

この急落の最大の要因は、中東情勢の悪化に伴う原油価格の高騰と、それに起因するスタグフレーションへの強い警戒感です。現在、米国・イスラエルとイランの軍事衝突を巡る不透明感が高まっており、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖が続いています。ペルシャ湾では商船三井のコンテナ船など船舶への攻撃が相次いでおり、物流の正常化には時間がかかる見通しです。

国際エネルギー機関(IEA)加盟国は過去最大規模となる4億バレルの石油備蓄の協調放出を決定しましたが、市場では「備蓄を放出しても原油以外のサプライチェーンの混乱解消には効果がない」と受け止められ、WTI先物は一時1バレル90ドル台前半まで上昇しました。「止まらない原油高によるインフレ再燃」と「コスト増による企業業績・個人消費の下押し」が同時進行するスタグフレーションのリスクが、投資家心理を大きく冷え込ませています。

米国市場と日本市場への影響

前日11日の米国株式市場でも、ダウ工業株30種平均が続落し、前日比289ドル24セント安の4万7417ドル27セントと昨年12月上旬以来の安値を付けました。2月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想と一致したものの、今後のエネルギー価格上昇が物価を押し上げる可能性が高まっており、米長期金利はおよそ1カ月ぶりの高水準となる4.22%に上昇しています。なお、オラクルの好決算などを背景にAI関連の半導体需要の強さが確認されたことで、ナスダック総合株価指数は小幅に続伸しました。

日本は原油輸入の9割強を中東に依存しているため、米国以上に原油高の逆風を受けやすい環境にあります。さらに、米国のプライベートクレジット(ノンバンク融資)を巡る金融不安も相場の重荷となりました。モルガン・スタンレーが自社ファンドに償還上限を設けたことや、JPモルガン・チェースがノンバンクへの融資を制限すると伝わったことで、日本のメガバンク株や証券株にも売り圧力が及びました。

まとめ

本日の日米マーケットは、中東の地政学的リスクに端を発するエネルギー供給不安が「物価高騰」と「景気減速」を同時にもたらすスタグフレーションへの恐怖に支配された一日となりました。日経平均は急落局面からの「半値戻し」を達成する手前で失速しており、事態の収束が見えない中、投資家が運用リスクを取りづらい神経質な相場環境が当面続くと予想されます。

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