今週は、7月30・31日にFOMCと日銀金融政策決定会合が予定されています。これらの金融政策での注目ポイントについて解説します。
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FOMC(連邦公開市場委員会)では、現状の金融政策が維持される見込みです。パウエル議長の会見では、8月下旬に予定されているジャクソン・ホール会議までの間、具体的な政策変更を示唆しない可能性が高いものの、「近々の利下げが正当化されつつある」と匂わせる発言をする可能性もあります。このような発言があれば、短期金利の低下とともに逆イールドの解消が現実味を帯び、景気後退の懸念が高まるでしょう。
また、週末に発表される雇用統計で失業率が悪化すれば、景気後退のシグナルとされる「サーム・ルール」が点灯し、市場の警戒感が一層強まる恐れがあります。サーム・ルールは、かつてFRB(連邦準備制度理事会)のエコノミストで、現在はブルームバーグのコラムニスト、クラウディア・サーム氏が考案したルールで、失業率の3カ月平均が1年間の最低値から0.5ポイント上昇すると景気後退が始まるとされています。
出典:FRED
FRBは6月の経済見通しで年内に1回の利下げを見込んでいたので、市場では9月の利下げが有力視されています。パウエル議長が物価上昇率2%への持続的な低下に対する確信を示せば、利下げへの期待が一層高まるでしょう。
日銀金融政策決定会合では、長期国債買い入れ減額計画の決定と利上げ見送りが予想されています。利上げが見送られた場合、円安が進み、8月の円買い介入への関心が高まるでしょう。
ただ、市場では日銀が追加利上げに踏み込むかどうかが注目されています。日銀は無担保コール翌日物の金利を0~0.1%の水準に誘導していますが、政府・自民党内からは金融政策の正常化を求める声が高まっており、早期の利上げを予想する意見も増えているからです。もし利上げが行われた場合、政策金利は0.25%程度になると考えられます。その場合は円高に振れる可能性があるので、注意が必要です。
追加利上げが見送られた場合、次の焦点は9月会合に移ります。9月のFOMCでの利下げが日本の金融政策に与える影響も考慮しつつ、日銀がどのような対応を取るかに注目です。FOMCが9月に利下げを行った場合、日銀がその後の会合で利上げを実施するかどうかが問われるでしょう。米国の利下げと日本の利上げによる金利差縮小を念頭に置いた為替相場の動きが、9月会合前に再び予想されます。日銀が「利上げ」という選択肢を残しておく場合、FOMCの利下げと重なる9月会合を避け、10月会合での実施に焦点を移す可能性もあります。市場の動向をしっかりと見極め、投資判断を行う上でこれらのポイントを押さえておくことが重要です。
今後の日米金融政策のスケジュール
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