HOME > 投資信託マラソン > 【次世代通信関連 世界株式戦略ファンド】情報技術銘柄へ集中投資でS&P500超えを実現か?【投資信託マラソン】
【次世代通信関連 世界株式戦略ファンド】情報技術銘柄へ集中投資でS&P500超えを実現か?【投資信託マラソン】

【次世代通信関連 世界株式戦略ファンド】情報技術銘柄へ集中投資でS&P500超えを実現か?【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、次世代通信関連世界株式戦略ファンドです。このファンドは情報技術銘柄に集中して投資するテーマ型ファンドです。

テーマ型ファンドは、うまくいけばS&P 500を大きく上回るパフォーマンスを実現でき、インターネット等でも注目されている投資信託です。

本日は、このような注目を集める投資信託を分析し、パフォーマンスが持続可能か、コスト面はどうかを検討します。最後までご覧いただければ幸いです。

お願い

初めにお願いです。この記事は情報提供を目的に作成しており、勧誘や売買推進を目的とはしていません。銘柄はランダムに抽出しており、運用会社や販売会社との業務提携は一切ございません。中立の立場から分析しています。

ファンド概要

概要

ファンドの愛称は「THE 5G」で、5Gに関する企業にフォーカスしていることが窺えます。

三井住友アセットマネジメントによって運用されており、銘柄としては世界株に分類されます。アメリカのみならず、世界的に投資対象を広げていることがわかります。NISA成長枠を利用しての投資が可能です。信託報酬は1.85%、総資産は4,664億円となっており、その人気の高さが伺えます。

愛称にもあるように、次世代通信5Gの関連企業に投資するテーマ型ファンドです。このようなファンドは、うまく運用できれば、S&P 500を大きく上回るパフォーマンスが期待できます。

組み入れられている銘柄の約半数は情報技術です。情報技術関連の会社はこれからも高い成長が見込まれます。ですから、銘柄の中身も確認したいと思います。

チェックポイント

本日のチェックポイントです。

  1. テーマファンドでも投資の対象になり得るか?
  2. リスクとリターンは見合うか?
  3. インデックスファンドや他のアクティブファンドとの比較

の3点です。

簡易パフォーマンスです。3年、5年のパフォーマンスは同カテゴリーとほぼ同じですが、昨年1年間のパフォーマンスは非常に優れていました。

標準偏差は、5年、3年、1年を通して、同カテゴリーで非常に高いリスクをとっています。高い変動率を取り、昨年1年間だけで非常に高いリターンを得られています。この数字だけを見ると、ボラティリティが高さを敬遠したい方にとっては、少し距離を持ってしまうかもしれません。

投資戦略

5Gにフォーカスを当てたファンドです。5GはAI、IoT、自動運転など、技術を進化させる原動力となります。情報技術分野の成長可能性の根幹を担う、息の長いテーマだと言えます。

このファンドは、インフラ構築から商用化、普及に至るまで、各段階での企業成長に合わせた銘柄選定を行っています。また、一過性のものではなく、長く続くテーマを追っています。メガトレンドをしっかりと追いかける、長く投資できるファンドだと謳っています

運用会社はニューバーガー・バーマンです。非常に有名なファンド運用会社で、個別の宣伝能力も高いですから、5Gに関連する銘柄をどう選定しているかが注目です。

銘柄

通信インフラ、通信サービス、そしてIoT企業とテーマを分け、ほぼ3割ずつに配分しています。ただ、実情としては半導体関連銘柄が多くなっており、情報技術が72%と非常に高い割合となっています。

例えば、アメリカではエヌビディア、AMDが入っています。台湾ではTSMCという、ニュースでも頻繁に名前が挙がる企業が上位にランクインしています。そういった銘柄を個別に購入するよりも、選定をしっかり行う企業に任せたい方にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

パフォーマンスの詳細です。テーマ型ファンドであるため、パフォーマンスはやや値動きが大きくなっています。1年間の成績は良いものの、その分リスクを取っていることがわかります。

ファンドとしてのリスクは高く、リターンの変動幅も大きい印象です。例えば直近のパフォーマンスを見ると、2020年は非常に好調で、世界株に比べて大きく上昇しました。世界株が水色、基準価格はピンク色ですが、30%以上オーバーパフォームしています。

ただ、2021年、2022年は金利の上昇もあり、世界株と比較しても20%、10%アンダーパフォームしています。

2023年から現在にかけては大きく上昇しており、指標を30%上回っています。ここからもわかる通り、値動きが大きく、リターンが市場環境に応じて大きく変動するファンドです。

リスク数値は、ここ数年間で22%~27%と、一般的な株式ファンドの20%と比較しても大きな値となっています。リスクが非常に大きなファンドだと確認できました。

リスクが大きい分、リターンも大きく変動しているため、シャープレシオは1以下となります。取ったリスクに対して、リターンがそれほど見合っていません。長期で預ける場合、シャープレシオが低いと、リターンの積み上げが低くなる可能性が高いです。あまり効率的ではありません。

また、個別銘柄の売買は積極的には行っていません。基本的にはテーマ関連の銘柄を保有し、定期的にリバランスを行う、価格の上昇や下降に応じて割合を調整しています。個別の選定能力というよりも、テーマに関連する企業を見つけ出し、リバランスを少し行う程度で長期的に保有しているようです。

組み入れられている銘柄は、大型株が多いです。個別銘柄の売買を多く行い、超過リターンを狙うファンドではありません。半導体や通信関連企業の動向が良いときには市場を大きく上回りますが、悪いときは下落するという特徴を持っています。売買によって不利な局面を乗り切ろうとするファンドではないことが明らかになりました。

このファンドは、テーマの関連企業の動向によって大きく値上がりする場面があるものの、下落を回避することは難しいことが明らかになりました。リスクが高く、業種に偏りがあるため、長期的に保有をお勧めできるファンドとは言えません。ある程度短期的に半導体銘柄が上がっていくとき、例えば生成AIの注目度が高く上がっていくときなどに、ある程度分散保有してもいいファンドではあるかもしれません。

アルファを見ると、5年間では2、3年間ではマイナスです。6ヶ月や1年では大きくアルファを出していますが、長期で見ると、高いアルファを継続的に出すのが難しいです。

資金流出入

残高は大きいものの、過去3年近く資金の流出が続いています。

評価

評価は2.5です。半導体セクターの上昇によるアウトパフォームは存在します。全体として非常に悪いとまでは言えません。しかし、半導体関連のセクターに投資したい、セクターを重視したい方には○となるでしょう。

とはいえ、長期的に資産を預けたい方にとってはリスクが大きいです。銘柄の入れ替えがあまり行われておらず、下落局面での強さが欠ける可能性があるため、△となります。

本日は、注目の集まる半導体企業を中心としたテーマ型ファンドを取り上げました。長期投資に適しているかといえば、シャープレシオ、銘柄の入れ替え頻度、運用スタンスなどを見ると、必ずしも長期保有に向いているとは言えません。ポートフォリオ全体で半導体を多めに持ちたい方が中期的に保有し、ある程度オーバーパフォームすれば他の投資にシフトする、セクターローテーションを考える方には向いている可能性があります。

続きを読む

「資産を守るために、着実な資産管理を」

ファミリーオフィスドットコムでは無料で⾃信で⾏っていただける資産管理から、
エキスパートによるオーダーメイド型の資産管理まで、様々なサービスを提供しています。

メディアでご紹介いただきました

おすすめ記事