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【ブラックロック・USベーシック・バリュー】このファンドの真価はこれから発揮されそう【投資信託マラソン】

【ブラックロック・USベーシック・バリュー】このファンドの真価はこれから発揮されそう【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、アメリカの株式市場に投資を行うブラックロック・USベーシック・バリューです。今後、マーケット環境次第では、真価が発揮されそうなファンドだと感じましたので、本日はこちらのファンドを取り上げました。ぜひ最後までご覧ください。

お知らせ

初めにお願いです。この記事は情報提供を目的として作成しています。投資の勧誘や売買の推奨は目的としていません。取り上げている投資信託はランダムに抽出しています。運用会社、販売会社との間に業務提携は一切なく、中立的な立場でお伝えしています。

投資信託概要

概要

ブラックロック・USベーシック・バリューは、ブラックロックジャパンが運用しています。投資対象は、米国株です。ただ、当ファンドは、NISAの成長枠投資枠外ですから、特定口座での買い付けとなります。信託報酬は1.77%、純資産総額は254億円と、規模としてはそれほど大きくないファンドです。

このファンドを取り上げた理由は、徹底的なバリュー株、割安株に投資を行う米国ファンドだからです。このようなファンドは多数存在しますが、その投資戦略など特徴は様々ですので、分析してみると意外に優秀なファンドと出会えることがあるため分析をしてみました。

具体的な戦略としては、PER、PBRを基に、市場平均と比べて過小評価されている銘柄に投資を行う、いわゆる王道の投資スタイルを取っています。

一般的に、好景気の局面ではバリュー株よりもグロース株は優位になりがちです。このファンドは、経済のサイクルを意識する守りの銘柄を選び、さらにその中から財務体質などクオリティの高い銘柄を選定しています。景気サイクルの悪い局面における耐久度合いを意識したファンドだと言えます。

チェックポイント

チェックポイントです。株価指標等から見て、過小評価されていると判断される銘柄、一時的に過小評価されているものの、回復する見込みがある銘柄に投資し、値上がり益とインカムゲインの両方を狙う戦略を採っています。この戦略が本当に実現できているかを確認していきます。また、経済サイクルをどのように活用して、乗り越えていくかも確認したいと思います。

簡易パフォーマンスです。10年、5年、3年、1年を見ると、3年を除き、ほとんどがカテゴリーよりも劣っています。リスクは、どの年代においてもカテゴリーを下回っています。リスクを抑えていますが、パフォーマンスが伴っていないですから、アクティブファンドとしての魅力が欠ける可能性があります。

投資戦略

証券市場は基本的には、非効率的な面があります。企業価値がいつも株価に織り込まれているわけではなく、割高になったり割安になったりを繰り返しています。株式は市場環境が良好なときには過度に上昇し、市場環境が悪化したときには過度に低下傾向があります。これを上手く利用した運用スタイルを謳っています。

例えば、ディープバリュー、つまり、大きく売られたときには投資を行い、株価が過度に上昇した場合は、あまり追いかけて購入することなく、過剰な相場動向に乗らないスタンスの投資といえます。

また、株価が過小評価されておりベーシック・バリューから乖離している銘柄を買うスタンスであることから、ディープバリューハンター的なファンドと言えるでしょう。

バリューの発生(バリュエーションの低下)、バリューの実現(バリュエーションの見直し)、バリューの達成(ある程度評価を受けた後の低下)のサイクルを上手く見極めながら、投資を回しています。私たち個人ではなかなかできない、ディープに売り込まれ、回復に向かう銘柄の拾い上げを行ってくれることが分かりました。

銘柄戦略

ポートフォリオを見ると、ヘルスケア、銀行、エネルギーなど、市場で人気のある情報技術などの銘柄は取り入れず、かなりディフェンシブな銘柄を組み入れていることが分かりました。

シティグループ、ウェルズ・ファーゴなどが上位に並んでおり、GAFAMなどの米国を代表する銘柄は入っていません。では、こういった銘柄選定でどのようなパフォーマンスを残しているのでしょうか。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

世界株平均とはほぼ同じです。青いチャートは世界株、このファンドは赤いチャートです。5年、3年での期間で見るとほぼ同じパフォーマンスです。

ただ、このファンドは米国株のファンドですから、S&P500との比較する必要があります。S&P500と比較をすると、5年比較では-30%、3年比較では-10%となり、S&P500と比べるとパフォーマンスが明らかに劣っています。

だとすれば、リスクがコントロールできればいいのですが、年間約15%のボラティリティです。特に高いわけではありませんが、目立って低いわけでもありません。つまり、リスクは標準的で且つ、リターンがあまり良くないことが分かりました。

ここまでの段階では、このファンドはあまりいいパフォーマンスではありません。ただ、守りを意識したファンドであることが、1つの特徴です。

組み入れ銘柄が60から70程度と、20~30に絞ったファンドよりも少し分散を多めに効かせています。ただ、売買が頻繁には行われていないため、バイ・アンド・ホールド、守りを意識した米国ファンドの可能性があります。

このような運用スタイルだと、普通であればパフォーマンスはもっと芳しくない可能性があります。このようなポートフォリオでありながら、世界株平均と同等のパフォーマンスを示していることは、ある程度評価に値すると言えます。つまり、いい銘柄選定が行われて可能性があります。

最近のパフォーマンスの悪さは、成長性の高いIT企業や半導体株が中心に、成長株優位の状況が続いていることが影響しています。このファンドが投資対象としているバリュー株では、ここ最近は、S&P500を上回る運用がとても厳しいといえます。そう考えると、もし仮に銘柄選定がしっかりしているとすれば、将来的にはアウトパフォーマンスを残す可能性があります。今後の景気サイクル次第では、真価を発揮する可能性があるのではないかと思います。

ただ、このファンドは、景気サイクルや市場の動きに応じて力を発揮することが目的です。景気サイクルで過剰に売られた銘柄を購入し、価格が高騰したものは追随しません。この戦略は、今後の景気サイクル、市場の動きによっては、しっかりとパフォーマンスを出してくる可能性があります。

運用会社のコメントに、「経済に警戒すべき兆候が見られており、米国経済が既にピークに達しており、米国経済は景気後退リスクの上昇と共に減速に向かうと考えている」とあります。ファンドマネージャーは今後景気が減速する、もしくは後退することを踏まえてポートフォリオを構築しています。

今後景気後退局面になったときには、他のファンドよりも下落の強度が高い可能性があります。ハイテク株や成長株ではなく、ポートフォリオの中で非常にディフェンシブな投資を行いたいと考える投資家にとっては、1つの投資対象に成り得るかと思います。

資金流出入

ここ最近、ファンドのパフォーマンスが良くないことで、評価はあまり良くない、資金流出が続いています。

評価

評価は3.5です。ファンドのパフォーマンスから見ると2.5、場合によっては2となるでしょう。ただ、目論見書や月次報告書を見る限り、景気サイクルを意識していることを、他のファンドと比較しても強く打ち出しています。

今後の下落局面をしっかりと想定した上で、ポートフォリオを組んでいることがよく伝わってきます。ディフェンス力を高めたいと考えている投資家にとっては、守備力の高いファンドは一考の余地があるかと思います。そのため、今回は3.5と評価させていただきました。

本日はブラックロックが運用する、米株式に投資するファンドを取り上げました。非常に守備力を意識したファンドで、今後の景気減速、景気後退を横目で見ながら運用するスタンスが、皆さんの投資スタンスに合うかもしれません。ご自身のポートフォリオに組み入れた結果、よりいいポートフォリオになりそうであれば、こういったファンドも投資対象になるかもしれません。ぜひもう少し深く調べていただければと思います。

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