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【GSグローバル・ビッグデータ・投資戦略Bコース】GS独自開発の計量モデルで高パフォーマンスを実現できるか?【投資信託マラソン】

【GSグローバル・ビッグデータ・投資戦略Bコース】GS独自開発の計量モデルで高パフォーマンスを実現できるか?【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、GSグローバル・ビッグデータ投資戦略Bコースです。ゴールドマンサックスが独自に開発した軽量モデル、ビッグデータを活用しながら世界の株式に投資するファンドです。

独自に開発された軽量モデルと聞くと、非常に高いパフォーマンスが期待できそうだと感じます。実際に世界株、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを残しています。今後、パフォーマンスが継続できるかを分析したいと思います。最後までご覧ください。

お知らせ

初めにお願いです。この記事は情報提供を目的として作成しています。投資の勧誘や売買の推奨は目的としていません。取り上げている投資信託はランダムに抽出しています。運用会社、販売会社との間に業務提携は一切なく、中立的な立場でお伝えしています。

投資信託概要

概要

本日は、GSグローバル・ビッグデータ投資戦略Bコース(H無)を分析します。 運用会社はゴールドマンサックス・アセットマネジメントです。国債株式で、NISA成長枠投資が可能です。信託報酬は1.35%、純増額が1227億円ですから、中型以上のファンドと言えるでしょう。

このファンドを取り上げた理由です。まず、日本を含む先進国株式に投資を行っていることが特徴です。ここ最近、日本株の上昇に注目する方も多いです。日本も含め、いい銘柄を選んでくれることは1つ魅力的なポイントでしょう。

2つ目の理由です。ビッグデータやAIを使い、ゴールドマンサックス・アセットマネジメントが独自に開発した軽量モデルで分析を行っています。ビッグデータ、AIを活用しているということは、人の力を超えた、しっかりとした分析を行うことができるため、いいパフォーマンスが期待できそうです。

多様な銘柄の評価基準に基づき、広範な銘柄に分散投資を行っています。分散投資がパフォーマンスにどう結びつくかに加え、多くの銘柄をピックアップすることでパフォーマンスが維持できるかに注目です。

ただ、ビッグデータやAIなどのテクノロジー関連企業に投資したわけではなく、ビッグデータを活用していろいろな銘柄を選定しています。ビッグデータやAI関連のテーマ株ではないことには注意していただきたいと思います。

チェックポイント

本日のチェックポイントです。独自モデルと謳っていますが、本当にいいパフォーマンスにつながっているのでしょうか。また、長期で預けることが投資信託の基本です。長期的に安定したファンドかどうかも分析したいと思います。

過去のパフォーマンスです。同カテゴリーに対して、全ての期間でプラスになっています。ここ1年間は大きくプラスになっていることから、アクティブファンドらしくプラスアルファが出せるファンドだと分かりました。標準偏差に関しても同じカテゴリーのリスクを下回っています。これだけのリターンを得ながらリスクを下回るということは、非常に投資効率がいいと言え、非常に期待感を持てるファンドです。

投資戦略

投資戦略を、目論見書の内容から簡単にご説明します。モメンタム、バリュー、収益性の3つのテーマから魅力的な銘柄を選んでいます。モメンタムとは、現在のマーケットのトレンド、投資家心理による株価の勢いを評価し、モメンタムに乗るような銘柄を選んでいます。バリューや収益性に関しては、割安であること、収益性が高いことを素直に評価しています。モメンタム、バリュー、収益性の観点から、分析材料を用いながら投資配分を決めています。

分析方法としては、銘柄の財務諸表やレポートだけでなく、関連するニュースや記事、検索エンジンなどの流入数など多岐にわたっています。新商品の開発など、モメンタムが見込まれるニュースもしっかりと拾っているとのことです。

ビッグデータを用いた銘柄選定を行う運用手法であり、人間が容易にリーチできないようなデータを集めて分析しています。ビッグデータ関連に投資を行うものではなく、ビッグデータで集めた情報を基に投資していることが分かります。

さらに、完全に機械的な運用を行うわけではなく、最終的な銘柄の選定は独自のモデルを用いて行いますが、最終判断はファンドマネージャー、すなわち人間が行います。そのことがどのようなパフォーマンスにつながっているかに注目です。

銘柄戦略

銘柄選定です。投資対象はほとんどが先進国です。ポートフォリオの70%はアメリカで、次いで日本が6~7%です。他の先進国は数%となっており、世界株よりもアメリカの割合が多くなっています。

銘柄を見ると、多くが皆さんによって馴染みのある銘柄が並んでいます。変わった銘柄選定というよりも、むしろオーソドックスな運用をしていることが配分からも分かります。無難な銘柄選定を行っているファンドが、どのようなパフォーマンスを残しているのでしょうか。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

結論から言いますと、ほぼ世界株平均と類似した推移となっています。ほとんど世界株と変わらない動きをしていることが分かりました。

リスクも平均と同程度です。リターンは短期的には指数と異なる場面があるものの、中期的にはどの期間をとっても指数とほぼ同じです。

また、効率性を図るシャープレシオに関しても1前後で推移しています。1を下回る局面も多くあることから、そこまで効率的だとは言えません。ビッグデータを用いた定量的な銘柄分析を行うことから効率が良さそうな印象がありますが、パフォーマンスを見ていると、ほぼ市場平均並みだと分かりました。

ビッグデータを使いながら多岐にわたって情報を集め、モメンタム、バリュー、成長性にフォーカスを当てて運用しているにもかかわらず、なぜこのような状況になっているのでしょうか。大きな原因は、銘柄の分散数が300を超えていることにあると思われます。

ファンドに組み入れられている国、業種をある程度選別はしていますが、銘柄数は常に300を超えています。アクティブファンドの中では銘柄数がかなり多いです。銘柄分散ができていると言えばそうですが、分散がかなり大きく、どうしても市場平均に収斂する傾向が出てしまいます。

特に銘柄の選び方が特別に他と異ならない場合、その傾向はより強くなります。市場平均を上回る成果を目指すアクティブファンドでありながら、実際の運用は市場平均にかなり近い印象です。インデックスファンドと比較しても魅力があまり見えてきません。

指数に大きく負けているわけではありませんから、決して悪いファンドではありません。ただ、ビッグデータを用いたアクティブファンドと聞いて期待された方からすると、少しアクティブファンドらしさに欠けている印象を持ったのではないでしょうか。

資金流出入

資金の流出が続いています。これだけ流出が続いているということは、皆さんの期待に応えられていない部分があるのでしょう。

評価

評価は2.5です。本来、パフォーマンスがインデックスと変わらないのであれば、2程度であってもおかしくありません。ただ、実際にインデックスに大きく負けているわけでもなく、今後のマーケットの状況によっては、ビッグデータで400銘柄に分散した効果が出てくる可能性は十分にあります。現在は市場平均並みということで、2.5と評価しました。ビッグデータを活用して分散をした結果、インデックス並みのファンドになってしまったというのが現状です。

アクティブファンドとして大きなプラスアルファのリターンを期待した方にとっては、少し期待外れの結果かもしれませんが、ビッグデータを集めてモメンタム、割安だと分析した結果、市場に対して大きく負けないとも言えます。今後、パフォーマンスでアルファが出てくるようであれば、改めて分析対象となるでしょう。

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