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【大和住銀DC海外株式アクティブファンド】高評価のアクティブファンド。分析していくと本当の実力が明らかに!【投資信託マラソン】

【大和住銀DC海外株式アクティブファンド】高評価のアクティブファンド。分析していくと本当の実力が明らかに!【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、大和住銀DC海外株式アクティブファンド、海外株に投資するアクティブファンドを分析します。このファンドは非常に高評価を受けている海外株のファンドです。詳細に分析を進めることで、その実力を明らかにしています。ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的として作成されています。投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。また、取り上げている投資信託につきましてはランダムに抽出しています。運用会社や販売会社と当社の間における業務提携は一切ありません。中立の立場で分析をお伝えします。

投資信託概要

概要

大和住銀DC海外株式アクティブファンドは、三井住友DSアセットマネジメントが運用を行っています。投資対象は世界株で、NISA成長枠での投資が可能です。信託報酬は1.78%、純資産総額は1552億円です。

このファンドは、円ベースで世界株の平均を上回る成果を目指したグローバル株式のアクティブファンドです。分散投資を行いながらリスクを軽減し、グローバルな投資機会の獲得を通じて長期的な成長を目指しています。また、ファンドのポートフォリオは原則として世界株の平均に類似させておきながら、細かなリバランスや銘柄選定により長期的な超過リターンを獲得する方針です。

チェックポイントです。利益の積み上げができているかどうか、長期で安定したパフォーマンスが獲得できるかどうかを見ていきたいと思います。

過去のパフォーマンスです。トータルリターンは、過去の平均カテゴリーと比べて10年、5年、1年で上回っていますが、3年では若干アンダーパフォームしており、少しばらつきが見られます。

リスクを見ると、過去10年、5年、1年では下回っていますが、3年で上回っています。基本的にはリスクをコントロールしながら、超過リターンを狙うファンドであることがわかりました。

投資戦略

非常にオーソドックスな投資戦略です。ファンドの仕組みは、投資家から集めた資金をマザーファンドを通して、そのマザーファンドへの運用指示はティー・ロウ・プライスが行っています。つまり、実質的な運用者はティー・ロウ・プライスです。ティー・ロウ・プライスは、非常に運用能力が高い世界的に評価されている会社です。この会社が海外の株式を選定しているとなると、つい期待が高くなるファンドです。

実際の運用プロセスは非常にオーソドックスで、世界の株式市場から定性・定量の分析を行い、有望な銘柄に投資します。買ったものについては必要に応じて買った銘柄を入れ替えるという、非常にオーソドックスな投資スタイルです。

銘柄戦略

組み入れは約7割がアメリカ株で、業種別では半導体、情報技術、金融、医薬品などが多く入っています。あまり特徴のないように見えるポートフォリオですが、株式市場全体が上昇したときにはしっかりと追随できるようなポートフォリオといえます。

一方で、外部環境でショックを受けた状態、急激な下落に対する耐久性が持てるよう留意した構築が行われていることも特徴です。

ポートフォリオだけを見れば世界株平均とあまり違いがないように見えますが、ファンドの売買回転率は2を超えています。頻繁なリバランス、銘柄の入れ替えを機動的に行っています。もし、この機動的な入れ替えが機能していれば、良いパフォーマンスをもたらしそうな印象です。

例えば最近入れ替えた銘柄を見ると、ペプシコへの新規投資を行っています。一方でシュルンベルジェは売却しており、両方とも決算内容を踏まえた上での入れ替えとなっています。

一見指数に追随することを目指した運用に見えますが、実際には個別銘柄をしっかりと選定し、細かく入れ替えを行っています。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

パフォーマンスにはややばらつきがあります。5年チャートで見ると、赤の基準価格をオーバーパフォームしています。一方で、3年ではアンダーパフォームしています。

パフォーマンスには時期によってややばらつきがあります。過去5年間で30%ほど指数よりも高いリターンが出ています。そこで、設定来のパフォーマンスを見ると、2006年12月からの設定来ではベンチマークを下回っていました。ファンドの投資方針とは異なり、短期的な値動きでは指数に追随しながらも、長期では成果を出せていないといえます。

また、直近のパフォーマンスを見ると、苦戦が続いています。過去3年間で大きく指数に遅れをとっていることがグラフからわかります。特に2020年、2022年には20%以上も下回っている状況です。2020年にはテクノロジー株が大きく下がりましたが、このファンドはテクノロジー株を多く保有しているため、2020年、2021年に特にパフォーマンスが良かった反動で大きく下がっています。

値動きを示すリスクの値は16~18と、市場平均よりやや大きいことがわかります。運用効率を示すシャープレシオは多くの期間で下回っているため、リスクに見合った投資かというと、そうではなさそうです。

ポートフォリオ自体はそれほど大胆な選定を行っている印象はありませんが、このようにパフォーマンスが発揮できていないのは、機動的な入れ替え戦略が細かすぎて裏目に出ている可能性があると言えるでしょう。

ファンドとしては長期保有方針ですが、一部において短期的な売買が行われており、それが逆効果になっている可能性があります。

ベンチマークのMSCIコクサイ・インデックスを設定以来下回っていることから、期待通りのアクティブファンドとは言い難いです。

資金流出入

資金の流入傾向が続いています。パフォーマンスを見ると少しギャップを感じます。

評価

評価は2です。パフォーマンスにややばらつきがあり、ベンチマークにあまり勝てていないことから、アクティブファンドとしての魅力が欠けているように感じます。細かく銘柄を入れ替える戦略を採っていますが、実際の成果が伴っていないため、長期で投資するには少し不足があります。そのため評価は低めになります。

本日は、非常に人気のあるファンドを分析しました。資金流入は続いていますが、長期的に見ると、ベンチマークに対してアンダーパフォームしています。短期間でもぶれ幅が大きいです。特に2022年の下落局面において、銘柄の入れ替えが外的ショックに対抗すると謳いつつも、実際には影響を大きく受けていました。長期的に投資する価値があるかどうかについては、他のファンドと比較しながら、しっかりと分析してみましょう。

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