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【グローバルESGハイクオリティ成長株「愛称:未来の世界」】ESG銘柄に投資するの大ファンドの実力は?【投資信託マラソン】

【グローバルESGハイクオリティ成長株「愛称:未来の世界」】ESG銘柄に投資するの大ファンドの実力は?【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、グローバルESGハイクオリティ成長株(愛称:未来の世界)という、優れたESG銘柄に集中投資を行うグローバルな株式ファンドを分析します。

ESGに関するファンドはいくつかありますが、その中でも突出して巨大な純資産総額です。投資家からの期待が高いことがわかります。どのようなパフォーマンス、銘柄選定を行っているのかを分析していきたます。

一時期、EGSへの関心が盛り上がりった後、現在はやや落ち着いていますが、長期的に見るとESGが注目される取り組みであることに変わりありません。ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的として作成されたものであり、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。取り上げている投資信託はランダムに抽出しており、運用会社や販売会社と当社の間に業務提携等は一切ございません。あくまでも中立的な立場でお伝えします。

投資信託概要

概要

概要です。グローバルESGハイクオリティ成長株(愛称:未来の世界)は、アセットマネジメントOneが運用しています。世界株に投資し、NISA成長枠での投資が可能です。信託報酬は1.85%です。純資産総額は1兆1532億円を超える巨大なファンドとなっています。

特徴です。世界各国の株式の中からESGに重きを置きつつ、業績が良く、割安感のある株価の企業を選定しています。ESGに取り組んでいるだけではなく、その中でも業績が良く、割安感がある企業を選んでいるアクティブファンドです。

ESGに関しては、個別に評価するシステムを構築しています。組み入れ比率を調整し、取り組みが不十分な場合は投資対象から除外しています。

チェックポイントです。ESGに重きを置いた企業を選んだファンドがどのようなパフォーマンスを残すのか、です。ESGの取り組みは誰もが必要と考えていますが、パフォーマンスに反映されているかどうかに注目します。

さらに、ファンドは設立からまだ短いですが、長期で安定したパフォーマンスが今後実現できるかも見ていきたいと思います。

パフォーマンスです。同カテゴリーに対してパフォーマンスが上回っていますが、一方でリスクも上回っています。

投資戦略

運用はモルガン・スタンレーが担当しており、銘柄選定やバリュエーションを行っています。

プロセスです。まずは投資アイデアを抽出します。定量的な情報ネットワークを使った分析などを加えた後、クオリティ分析を2段階目に実施します。

次にクオリティ分析を行います。例えば、成長性や財務の健全性などの定量分析を行いつつ、ESGの評価を加えます。ESGの評価(アライメント)を行い、バリュエーション的に割安かどうかをしっかりと分析します。ESGに取り組んでいるだけで組み入れるわけではなく、割安で成長性があることが担保されている銘柄を選んでいます。

ポートフォリオを構築する際には、ESGに関する評価を行い、組み入れ比率を調整しています。例えば、取り組みが優れている場合は組み入れ比率を増やし、取り組みが不十分な場合は除外したり割合を減らしたりなどの調整を行っています。このように、バリュエーションとESGの評価を加えています。

銘柄戦略

銘柄戦略です。ポートフォリオを見ると、少数銘柄に集中投資を行っています。グローバルな銘柄の中で24銘柄と、アクティブファンドらしい集中投資を行っています。

その結果、米国の割合が7割となっており、その他は日本やデンマーク、インドとなっていますが、米国が中心のファンドとなっています。

業種としては、一般消費財サービスや情報技術関連の銘柄の保有割合が高い一方で、生活必需品やエネルギー関連の銘柄は保有していません。ESGの取り組みが一般消費財やサービスなどの分野で盛んであるとファンドが判断していることがわかります。

ファンドの見通しでは、ESGの取り組みに優れていること、財務内容が良好であること、外部環境の変化の影響を受けにくい企業を選んでいるとのことです。意外と保守的な運用を目指していることがわかります。

銘柄としてはウーバー・テクノロジー、サービスナウ、ノボ・ノルディクスなど、有名な企業が含まれています。これらの企業は業績面でも優れており、ESGへの取り組みに真剣に取り組んでいることから選ばれていることがわかりました。これらの銘柄は比率も非常に高くなっており、独自の銘柄選定が行われていることがわかります。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

パフォーマンスはあまり良くありません。2020年7月の設定から4年近くが経過していますが、その間のリターンは世界株平均を30%近く下回っています。

また、集中投資を行っているため、値動きも非常に大きくなっています。リターンがあまり良くないにもかかわらず、リスクが年間20%以上あります。シャープレシオも0.5と、資金効率があまり良くありません。グローバルな株式に投資するファンドと比較しても、シャープレシオが低いことから、資金効率が悪いという判断をされてもやむを得ないパフォーマンスです。

値動きが大きいため、短期間では市場平均を上回るパフォーマンスを見せることもありますが、全体的には長続きしない傾向があります。

ファンドの特徴として、ほとんど売買を行っていません。直近1年の売買回転率は0.1であり、買った銘柄はそのままホールドする方針です。その前年も0.59と、銘柄の入れ替えをあまり行わず、比率調整を若干行う程度で運用されています。

組み入れ銘柄やリバランスの頻度がパフォーマンスに直結するわけではありません。しかし、このファンドはポートフォリオに組み入れた後、そのまま運用する、銘柄買い入れに力を入れていることが特徴です。その後の相場環境に合わせたリバランス、割合調整はあまり行っていません。

ESGは、長期的にパフォーマンスが良くなることが基本的には認識されていますが、現状はパフォーマンスに繋がっていません。

ただ、組み入れ上位銘柄を見ると、Uberテクノロジー、サービスナウ、ノボ・ノルディスク、アマゾン・ドット・コムが並んでおり、ESG以外の観点からも評価される銘柄が多くなっています。しっかりした銘柄を選んでいますから、いずれパフォーマンスも追いついてくるでしょう。ESG投資を意識したファンドを保有したい方にとっては、検討価値があると言えるでしょう。

ESG投資に興味のある方は、ぜひ覚えておいていただきたいのですが、ESG投資においては「グリーンウォッシュ」や「ブルーウォッシュ」に気を付ける必要があります。

グリーンウォッシュとは、環境に配慮しているように見せかけて実際には取り組んでいない企業のことです。ブルーウォッシュは、人権問題や障がい者支援に取り組んでいるように見せかけて、実際にはそうではない企業のことを指します。個人の投資レベルでそういった銘柄を見極めることは容易ではありません。アセットマネジメント会社のリサーチ力を活用して、真剣にESGに取り組んでいる企業を選ぶことが重要です。この観点からも、このファンドには一定の価値があると言えるでしょう。

組み入れ銘柄のESGへの取り組み

銘柄選定の説明は、月次報告書等にも記載されています。組み入れ比率だけでなく、ESGの取り組みが企業の価値にどう結びつくかが詳しく書かれています。ESG投資に興味がある方にとっては参考になる部分も多いと思います。上位10銘柄の分析がなされていますので、ご一読いただければと思います。

資金流出入

設定当初は多くの資金が流入しましたが、その後のパフォーマンスが短期的に伴わないことに加え、資金効率が悪いと判断されたのでしょうか。他のファンドに資金が移っている可能性があります。

評価

評価は3とさせていただきました。2.5としなかったのは、ESG銘柄を選ぶことが個人投資家では容易ではないからです。ESGに真剣に取り組む、バリュエーション的に割安な銘柄を選定できるのは、アクティブファンドやアセットマネジメント会社の強みです。そこで、ポイントを0.5増やしました。

ただ、3に留めたのは、まだパフォーマンスが伴っていないためです。ESG投資が重要である一方、パフォーマンスが大きく乖離し続けた場合、資金の流出が続くことで徐々にファンドの運営が今後細っていく可能性もあります。そのため、現時点での評価は3としました。

本日は、ESGに投資する日本のファンドの中でも、一番大きなファンドを見ていきました。大きな金額を集め、モルガン・スタンレーが定性分析と定量分析、ESG評価を加えたファンドです。短期間でのパフォーマンスは伴っていませんが、長期的にESG株式がアウトパフォームしていくことを期待する方、自分でESG銘柄を選べない方にとっては非常に魅力的なファンドです。他のESGファンドと比較し、分析することをお勧めします。

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