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【GS米国成長株集中投資ファンド】厳選銘柄への集中投資がパフォーマンスに繋がるか?【投資信託マラソン】

【GS米国成長株集中投資ファンド】厳選銘柄への集中投資がパフォーマンスに繋がるか?【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、GS米国成長株集中投資ファンドという、米国の成長株に投資するファンドを分析します。銘柄数を厳選して集中投資を行うことで、アクティブファンドらしいリターンを目指しています。この戦略がパフォーマンスに繋がっているか分析しますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的として作成されており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。取り上げている投資信託はランダムに抽出しています。運用会社、販売会社と当社の間における業務提携は一切ございません。中立の立場で分析をお伝えします。

投資信託概要

概要

概要です。GS米国成長株集中投資ファンドは、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントが運用しています。

米国株に投資を行い、NISA成長枠での投資が可能です。信託報酬は2.01%、総額65億円で、年2回決算となっています。

特徴です。米国の成長株に投資を行うアクティブファンドで、選定基準は高成長が見込める割安銘柄を選んでいます。

投資テーマとしては、AI、クリーンエネルギー、ヘルスケア、リショアリング(生産拠点などの国内回帰)が選定基準となっており、20銘柄を下回るごく少数の銘柄に集中投資しています。15~20銘柄への集中投資ということは、1銘柄あたりの投資比率が5~10%ですから、かなりの集中投資を行うアクティブファンドだと言えます。

このような厳選投資がファンドのパフォーマンスに繋がっているかどうかを、本日はチェックしたいと思います。

投資戦略

高成長が見込め、かつ割安な銘柄から成長性が見込める分野に絞り込む、意外とシンプルな戦略です。そのため、パフォーマンスは銘柄選定能力にかかっていると言えます。

ファンドのポイントです。長期にわたって優れた利益成長が期待でき、本来の企業価値に対して現在の価値が割安なものを選んでいます。利益成長があり、割安なものに株式投資を行っていることがわかります。

分析はボトムアップを中心に行っており、個別の銘柄をピックアップし、15~20銘柄に厳選して投資しています。

長期的に優れた成長性を有する企業の条件です。まずは強固なフランチャイズビジネスを持っていることです。ファンダメンタルズの投資の教科書に載っているような、確立されたブランド、高い市場シェア、価格支配力、継続的な収益構造を持っているか、投資に対するリターンが高いかといった、非常にオーソドックスな選定を行っています。

また、優れた長期見通しを持っているかという観点で、持続可能な成長か、長い製品ライフサイクルか、強固な競争優位性があるか、人口動態から見た優位性を検討しています。

最後に経営陣がしっかりしているかといった、銘柄を絞り込むためにしっかりと分析していることがファンドの特徴となっています。

銘柄戦略

直近の組み入れ銘柄を見ると、情報技術分野が40%近くを占めており、次にヘルスケア、コミュニケーションサービス、金融が続いています。

ここだけを見ると、かなりオーソドックスな割合です。個別銘柄では、イーライリリー、アルファベット、マスターカード、AMDなどが上位に並んでおり、成長性の高い大型株が入っている印象です。

銘柄組入は、決算発表や業種全体の変化などによる大きな見通しの変更がない限り保有し続ける、バイ・アンド・ホールド戦略を採用しています。このことがパフォーマンスにどう影響するかに注目です。また、非常に有名どころが多くなっていることがどのようにパフォーマンスに結びついているのでしょうか。

ファンドパフォーマンス

パフォーマンス

少数の銘柄に集中投資しているため、値動きの大きさが目立ちます。5年、3年いずれのチャートでも、マーケットと比較しても非常に大きく動いていることが確認できます。

組入銘柄を見ると、時価総額も大きく米国を代表する成長株が並んでいますが、銘柄数が少ないことで個別銘柄の動きの影響が大きく反映されます。

リスクは20%を超えています。一方で、市場平均と比較したリターンは、過去5年間ではS&P500よりも50%低く、世界株平均よりも20%低いです。過去3年間でもS&P500や世界株平均を下回っており、パフォーマンスとしてはあまり優れたものではありません。

短期的には指数を上回る瞬間もありますが、このファンドの場合、それはごく一時的に限られています。基本的にはパフォーマンスが良くないと言えるでしょう。

リスクが高いのは銘柄を厳選して少数銘柄に投資をしていることもあり、結果的に仕方ない部分もあります。とはいえリスクが高いのであれば、リターンがそれに見合うことが求められます。シャープレシオは0.7~0.8と常に下回っていることから、明らかに効率性があまり良くありません。

集中投資を行っているにもかかわらず、銘柄選定はうまくいっていません。銘柄選定においても、特に独自性や特徴が確認できません。15~20銘柄に絞っている割には一般的な銘柄選定となっており、結果的にパフォーマンスに繋がりませんでした。

集中投資の割には、指数を大幅に上回る大型株が組み込まれていない点も問題です。成長性を謳っていますが、疑問の残る銘柄選定もあり、ファンドのパフォーマンスが残せていないことは明らかです。

もちろん、今後、組み入れている銘柄の一部が大きく上昇すれば、ファンドのパフォーマンスが好転することもあるかもしれません。しかし、直近までのパフォーマンス、値動きを見ると、そういった期待はあまり持てません。

10年パフォーマンス

これは長期間でも同じです。緑のチャートが北米株関連の投資信託平均パフォーマンス、青がGS米国成長株集中投資ファンドです。過去10年間で見ても、コンスタントに負けています。オーバーパフォームした時期もありましたが、長続きしていません。銘柄選定で安定的なパフォーマンスが実現できないファンドといえそうです。

資金流出入

流出が目立ちます。

評価

評価は1.5です。リスクが高い分に見合ったリターンがあれば良いのですが、あまり優れたパフォーマンスではありませんでした。

また、銘柄選定においても特徴がなく、今後の上昇もあまり期待できません。リスクもリターンも期待を下回るファンドなので、評価は1.5とさせていただきました。

アメリカの株式市場は、コロナ以降非常に堅調な状態が続いています。米株に集中投資することでリターンの期待も高く、また、ゴールドマンサックスAMが運用していることで期待感を持つ方も多いでしょう。しかし、このファンドに限ってはリターンもリスクも期待に応えることができていません。銘柄選定、戦略に独自性があまりない印象です。他に厳選されたファンドが数多くありますので、比較しましょう。

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