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【日興キャッシュリッチ・ファンド】キャッシュリッチ企業への投資で高いリターンと下落局面に強みを実現【投資信託マラソン】

【日興キャッシュリッチ・ファンド】キャッシュリッチ企業への投資で高いリターンと下落局面に強みを実現【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、日興キャッシュリッチファンドという、日本株の投資信託を分析します。

日本の企業の中でも、キャッシュを多く持つ企業への投資を行う日興キャッシュリッチファンドは、キャッシュリッチ企業に投資しながら高いリターンを目指し、下落局面にも強い投資戦略を取り入れています。なぜこのような特徴があるのかを含め分析します。

お願い

最初にお願いです。この記事は情報提供を目的として作成されたものであり、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではございません。また、取り上げている投資信託については、あくまでもランダムに抽出を行っています。運用会社や販売会社と、当社との間に業務提携は一切ございません。あくまでも中立の立場で分析を行います。

投資信託概要

概要

日興キャッシュリッチファンドは、日興アセットマネジメントが運用する日本株の投資信託です。NISA成長枠での投資が可能です。信託報酬は2.06%、純資産総額は173億円です。

投資信託の特徴です。キャッシュを多く持ち、割安な株式に投資を行うことを目的にしています。

キャッシュリッチとは企業、業界内で相対的に流動性の高い資産を多く保有するなど、資金に比較的余裕があり、自社の手持ち余剰資金を使って事業拡大を進める、もしくは株主還元策を実施する可能性の高い企業を指します。

キャッシュリッチかつ、バリュー株に焦点を当てた独自の調査・運用体制により、株式市場で見過ごされている銘柄の発掘、投資を行っています。

本日のチェックポイントです。キャッシュリッチ企業のパフォーマンス、下落局面における耐久度合いが高い理由を確認します。

簡易パフォーマンスです。過去10年、5年、3年、1年で見ても、基本的には同カテゴリーを上回っています。5年だけは少しマイナスですが、比較的安定してプラスの結果を出しています。

リスクを見ても、カテゴリーに比べて低くなっています。評判通りにリスクが少なく、高いリターンを実現できていることが確認できました。

投資戦略

目論見書には、ファンドの特徴が3つ挙げられています。

1つ目。株主価値重視への経営姿勢の転換などが見込まれる企業に投資しています。

2つ目。キャッシュリッチ企業の定義として、同カテゴリー内でキャッシュを多く持つ企業にフォーカスを当てています。

3つ目。バリュー株(割安株)に焦点を当てています。本来は価値が高いものの、割安で放置されている銘柄に投資しています。

銘柄戦略

キャッシュリッチな銘柄を選別した結果、ポートフォリオは中型株中心の構成となっています。大型株も組み入れられていますが、割合はそれほど多くありません。具体的には2,000億円以上の銘柄が52%、2,000億円以下の銘柄が48%近くとなっています。

業種別では、化学、機械、電気機器が多く、非常に分散された銘柄群となっています。

銘柄数は現在106です。分散投資が徹底されており、リスクコントロールが行われていることが分かります。中小型株が多い中で分散することで、リスクを軽減する戦略です。

景気見通しが微妙なとき、減速傾向にあるとき、または、後退局面においては、負債額が多い企業はクレジットリスクを伴うため、キャッシュリッチ企業に比べて大きく下落しがちです。そのような影響を受けにくいキャッシュリッチな企業にフォーカスを当てた結果、ディフェンシブ株が多くなっています。このことが下落局面に強い理由となっています。

組み入れ銘柄の入れ替え基準は、多くが株価の割安度合いによっています。株価上昇による利益確定、株価下落による割安感の増加を理由とした買い付けなどがほとんどとなっています。

最近の売買を見ると、割安感が出てきた日東電工、イビデンを新規に買い付けています。

一方で、割安で買い付けて値上がりした銘柄、例えばNECネッツエスアイ、ニチレキなどは保有株を全売却しています。

上位銘柄を見ると、リクルートなどの大型銘柄も多く含まれますが、上位でも2%と分散が利いています。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

短期的なパフォーマンスは、ほぼTOPIXと同じです。5年チャート、3年チャートを見ても、TOPIXとほぼ同じ動きを示しています。

ただ、ここ数年間の日本株は大型株主導による上昇が強く、比較的中小型株の出遅れ感が指摘されています。その中でも中小型を中心にTOPIXに追随していることは、一定の評価に値します。

この期間のリスクはTOPIXとほぼ同等で、収益面でもリスク面でも、TOPIXと同等のパフォーマンスを短期で残しています。

中長期に目を移すと、設定された2005年以降、TOPIXを大きく上回るパフォーマンスを残しています。

TOPIXの騰落率140%に対して、このファンドは440%と大幅な高リターンです。ファンドが主に投資する中小型株の直近のパフォーマンスが大型株に比べて出遅れているにもかかわらず値動きが安定していること、長期実績でリターンがしっかりと積み上がっていることを踏まえると、今後中小型株が優位になる局面が来れば、さらにパフォーマンスが向上する可能性があります。

キャッシュリッチ企業は配当や自社株買いなどにより株主還元が可能であるため、長期で見ると株価が上昇しやすい傾向があります。

また、安定的に多くの配当を出せ、自社株買いができることで、1株当たりの純利益も高くなることから、株式価値も上昇しやすいです。長期で見ると評価できる企業を割安なときに買っていますから、さらなる上昇が期待できます。

リスクが低いことで、シャープレシオも5年で1を超えています。資金効率も高いですから、長期で保有できる日本株の1つと言えるでしょう。

資金流出入

資金の流出入はまちまちです。

評価

評価は4つ星です。

株主企業の株主還元策を重視するキャッシュリッチ企業は、企業価値の上昇が見込め、投資家からの支持も受けやすいです。そのような銘柄を割安で購入しているため、長期で見ると非常に安定したパフォーマンスが実現できています。

また、ここ最近のパフォーマンスもTOPIXに追随しています。中小型株でありながらリスクをコントロールしつつ、一定のリターンを得られている点も評価に値すると言えるでしょう。

本日は、日本株のキャッシュリッチ企業に投資するファンドを取り上げました。借入金額が少なく、負債率が低い企業は下落に強いです。長期的に見ても株主還元策、割安での購入はプラス要因となります。

2005年以降に設定されてから、非常に良いパフォーマンスを残しています。いろいろな企業のアクティブファンドと比較するには、十分に価値のあるファンドです。ぜひ比較検討していただければと思います。

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