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【グローバル・ハイインカム・ストック・ファンド】米国・欧州・アジアに分散投資で安定したリターン【投資信託マラソン】

【グローバル・ハイインカム・ストック・ファンド】米国・欧州・アジアに分散投資で安定したリターン【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、グローバル・ハイインカムストック・ファンドという世界株ファンドを分析します。アメリカ、欧州、アジアの3地域に分散し、高配当株を対象とすることで安定したリターンを実現しているファンドです。戦略、銘柄選定を分析しますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事はあくまで情報提供を目的として作成されており、投資の勧誘や売買の推奨を意図したものではありません。また、投資信託はランダムに抽出を行っています。運用会社や販売会社と当社の間には、業務提携は一切ございません。あくまでも中立の立場で分析をお伝えします。

投資信託概要

概要

グローバル・ハイインカムストック・ファンドは、野村アセットマネジメントが運用する世界株ファンドです。NISA成長枠での投資が可能で、信託報酬は1.21%、純資産総額は402億円です。

特徴です。主に世界各国の高配当銘柄に分散投資を行います。投資方針としては、個別銘柄の選定だけでなく、地域別、業種別配分で分散を意識しています。具体的には、北米、欧州、アジア・オセアニアの3つの地域におおよそ1/3ずつの配分です。また、業種別では幅広い業種に分散しています。

市場環境です。マーケットサイクル的には高配当銘柄に注目が集まっており、ファンドにとっては追い風です。

チェックポイントです。グローバルに分散し、地域を3つに分割する戦略がどのようなパフォーマンスにつながっているのでしょうか。

投資戦略

世界の主要株式の中から、流動性の高い銘柄を絞り込んでいます。定量評価としては、配当利回りの水準が高いか、企業の利益水準がどうか、長期にわたって優れた実績を残し、配当が維持できているかを分析し、母集団を選定します。

その後、定性的な評価として、減配リスクがないか、業界内での競争力があるか、収益の成長を維持する仕組みがあるか、ビジネスの仕組みを含めて判断し、組入銘柄候補を絞り込みます。

最終的には地域を3つに分割し、地域、業種の偏りがないようにポートフォリオを構築しています。流動性、安全性、成長性、分散を意識したポートフォリオと言えます。

銘柄戦略

地域別では、北米、欧州、アジア・オセアニアが1/3ずつの割合となっています。

国別で最も多いのが米国の30%、次いで日本が20%(日本とアジアが約30%)です。組み入れ銘柄は110~120、ポートフォリオの平均配当利回りは3.1%と、世界の平均配当を上回り、分散もかなり利かせています。

銘柄選定の手法です。①配当利回りが市場平均を上回っている銘柄、②1株当たりの配当額やPERの水準などによる定量的スクリーニング、③今後の配当の成長が期待できるかどうかという定性分析。これら3つの観点で組み入れ銘柄を選定しています。

業種別では、ヘルスケアや生活必需品などの高配当でディフェンシブ株をオーバーウェイトしています。高配当でディフェンシブな銘柄ですから、景気の悪化局面に強いファンドです。

一方で、情報技術や一般消費財サービスなどはアンダーウェイトとしており、景気敏感株の比率は少ないです。

個別銘柄の上位には、アストラゼネカ、ネスレ、TSMC、マイクロソフト、トヨタに加え、リオティントなど鉱山を含む素材関連銘柄も組み入れられており、様々な業種に分散されています。

売買戦略です。売買回転率が1倍を下回っていますから、最初から地域、業種、銘柄を分散させることで頻繁な入れ替えは行わずに済む、配当をしっかり受け取りながら成長が狙える投資戦略をとっています。

非常にディフェンシブで安定性のある銘柄戦略ですが、具体的なパフォーマンスはどうでしょうか。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

直近のパフォーマンスは良好です。過去5年間、それ以上の長いスパンで見れば世界平均を10%下回っていますが、過去3年間では世界平均を若干上回るパフォーマンスとなっています。

北米、欧州、アジア・オセアニアへ均等に組み入れているため、世界の市場環境によっては世界平均に劣る場面があるかもしれません。

ここ数年間は、アメリカを中心に株式市場が大きく上昇してきました。欧州やアジア、オセアニアへの分散投資は安定性をもたらしますが、高成長の市場環境においてはパフォーマンスがやや遅れがちとなります。10%程度の遅れは、そうした事情を考慮すれば致し方ないのかもしれません。

特筆すべきはリスクの小ささです。過去3年間は年率11%、過去5年、それ以上の期間では14%程度と、非常に低く抑えられています。長期的なリスクは世界平均を少し下回る程度ですが、過去3年間ではかなり低く抑えられています。今後の市場環境を考えても、リスクは低い水準で維持されるのではないでしょうか。

シャープレシオは1.6を超えており、世界株に投資するアクティブファンドの中では、トップクラスの効率性と言えるでしょう。

背景には、地域の分散がしっかり行われていること、日本株の高配当銘柄も積極的に組み入れられていることがあります。他のファンドでは日本株を除外する場合が多い中、このファンドは比較的多めに日本株を選定しています。そのパフォーマンスがしっかり上がっていることも、良好なパフォーマンスの一助となっています。

高配当という投資テーマに特化してはいますが、これは国・地域、業種、個別の分散がしっかり行われた結果です。銘柄数も110と分散が利いていますから、中長期的に保有できるアクティブファンドと言えるでしょう。

資金流出入

流出が続いています。

評価

評価は3.5です。アメリカ、欧州、アジアに分散してリスクを低く抑えた、長期投資に適したファンドです。リスクが非常に低く3地域に分けているため、どうしても世界株全体に劣る場面も出てくることでしょう。

パフォーマンスを定性的に考えると意味あるものに思えますが、定量的に数字だけで見ると、他にもパフォーマンスの良いファンドもあります。また、リスクがコントロールできたファンドもあるかもしれません。ということで、パフォーマンスだけで見ると評価は3.5と判断しました。

ただし、3つの地域に分散してリスクを抑えていることから、本質的には4程度の実力がありそうです。今後のアジアの成長、欧州の復活が見込まれる状況になれば、このファンドが世界株をしっかりと上回る局面も出てくるでしょう。そのような時には、ファンドの評価もしっかりと上がってくることでしょう。

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