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【あおぞら日本株式フォーカス戦略ファンド「愛称:しゅういつ」】‌18銘柄に集中投資をしたらこのようなパフォーマンスになりました【投資信託マラソン】

【あおぞら日本株式フォーカス戦略ファンド「愛称:しゅういつ」】‌18銘柄に集中投資をしたらこのようなパフォーマンスになりました【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、あおぞら日本株式フォーカス戦略ファンド(愛称:しゅういつ)という日本株ファンドを分析します。

15~20銘柄に集中投資を行うファンドが、どのようなパフォーマンスを出しているのかを分析しますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。本記事はあくまでも情報提供を目的に作成されており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではございません。また、投資信託はランダムに抽出しており、運用会社や販売会社と当社との間に業務提携は一切ございません。あくまで中立的な立場で分析をお伝えします。

投資信託概要

概要

あおぞら日本株式フォーカス戦略ファンド(愛称:しゅういつ)は、あおぞら投信が運用する日本株ファンドです。NISA投資成長枠での投資が可能で、信託報酬は1.69%、純資産総額は16億円と、やや小規模な投資信託です。

特徴です。個別銘柄の稼ぐ力に着目し、徹底的した集中投資を行う日本株ファンドです。日本株ファンドといえば、最近のボラティリティの上昇もあり、集中投資を避けたいと考える投資家も多いかもしれません。このファンドのパフォーマンスはどうなのでしょうか。

企業の成長性だけでなく株価の割安性にも注目し、グロースとバリューの両面から銘柄分析を行っています。

組み入れ銘柄は15~20と、分析を行い確度の持てるものに集中するファンドです。

市場環境はボラティリティが高く、今後も不安定な状況が続く可能性がありますから、集中投資はやや逆風になりがちです。そこを乗り越えるだけの能力が備わっているのでしょうか。

チェックポイントです。集中投資で最も求められる銘柄選定能力が高いかどうかを確認します。

簡易パフォーマンスです。同カテゴリーに対して、ここ1年はプラスですが、3年でほぼ同じ、5年では若干のマイナスです。リターンが優れているという印象ではありません。

これだけの集中投資を行っているにもかかわらず、リスクは同カテゴリーに対してマイナスです。通常、集中投資では同カテゴリーを上回るリスクが想定されます。なぜリスクが下回っているのか、後ほど詳しく分析します。

投資戦略

比較対象としてTOPIXの配当込みを参照していますが、基本的にはベンチマークを設けず、市場とは異なるリターンの実現を目指しています。投資家から選ばれない可能性を理解した上で、それでも市場とは異なるリターンを追求する独自のスタンスをとっており、非常に面白いと感じました。

一般的なアクティブファンドは、ベンチマークを意識して多くの銘柄に投資します。その中で優劣をつけてウェイトを配分し、市場平均に似たリターンを目指すポートフォリオを組むことが多いです。

一方で、このファンドはベンチマークを意識しないことで自信を持てる銘柄のみに集中投資を行います。原則15~18銘柄に絞って集中投資を行い、長期的に市場平均とは異なるリターンを目指しています。

運用プロセスです。企業のファンダメンタルズを重視して分析を行い、企業が本来持つ本質的な価値に対して、マーケットの評価が過小なディープバリュー銘柄を選び、確信を持って集中投資を行います。ここがファンドの一番の特徴です。

全上場銘柄の中から日々の売買高、流動性を加味して1000銘柄まで絞り込んだ後は、大型銘柄、小型銘柄に分けて分析し、業績、割安面から銘柄を選定します。

市場との認識ギャップ、長期的な成長性が期待できるかなど、独自調査を加えて分析を行います。

本来は価値があるものの、評価との認識がズレた銘柄は変化率が生まれやすく、上昇が大きくなります。そこを狙って大型株50、中小型株50まで絞り込み、最終的には15~18の秀逸な銘柄に投資を行うことから、愛称がしゅういつとなっているようです。

銘柄戦略

銘柄選定においては、個別の稼ぐ力に着目しつつ、マクロの投資テーマにも注目しています。具体的には、銘柄の選定を行う際に、個別銘柄のファンダメンタルズと、長期的なテーマに沿っているかどうかを確認しています。DX投資、AIの実装による業務効率化の進展、コーポレートガバナンス改革といった構造改革などに敏感な企業を取り入れることで、個別の稼ぐ力、マクロテーマの成長性の両方を取り入れながら銘柄を選定しています。

組み入れ上位には、コンコルディア・フィナンシャルグループ、日立製作所、伊藤忠商事が並んでおり、比較的大型株がメインとなっています。よく知られた銘柄が並んでいますが、ディープバリューで購入できる確信があり、テーマに合致しているものを買い入れています。

売買回転率は3倍近いです。これは15~18銘柄に絞った結果、各銘柄の組み入れ比率が高いことから、大きくなった価格変動のリバランスが主となっています。

組み入れ銘柄の株価水準、業績などをしっかり分析しながら、リバランスを加える形で入れ替えも行っていることがわかりました。

例えば、大王製紙や名古屋鉄道、ソシオネクストなど、業績見通しや株価水準の変動によっては全売却しています。リバランスのみならず、業績をしっかりと見極めながら、株価水準が一定の基準を満たした場合に売却しているため、結果的に回転率は3倍近くなっています。売買をかなりしっかりと行っている印象です。

少数銘柄に集中投資しつつ、個別銘柄の比重調整だけでなく、業績の変化などをしっかりとチェックし、それに見合った投資行動を行っています。15~18銘柄は運用会社が非常に力を入れている、厳選された銘柄だと言えるでしょう。

ファンドパフォーマンス

パフォーマンス

結果は良好です。ベンチマークではありませんが、TOPIXを比較対象としても、中長期的にはリターンが上回っています。過去5年間では+15%、過去3年間では+10%と、そこまで大きくはありませんが、しっかりとTOPIXを上回っています。

リターンが安定しているだけでなく、集中型投資としては珍しくリスクが低いことが最大の特徴です。過去3年の平均リスクは10%程度と、市場平均だけでなく他の日本株ファンドよりも値動きがかなり抑えられています。

集中投資を行っているものの、それぞれの銘柄を細かく分析し、リバランスや入れ替えを機動的に行っているため、低リスクが実現できていると考えられます。

運用効率を示すシャープレシオは、過去3年平均で1.5を上回っています。これは集中投資を行うファンドとしては非常に珍しいことです。個別銘柄要因を受けやすい状況においてもリスクをコントロールできているのは、銘柄選定能力が高さ、リバランス、全売却、入れ替えをしっかり行った結果です。非常に丁寧に運用されているファンドとの印象を持ちました。

リターンは市場平均を着実に上回っており、リスクは最小限に抑えようとする努力が見られます。今後のパフォーマンスに期待が持てる、中長期で保有できる日本株のアクティブファンドだと言えるでしょう。

資金流出入

資金の流出が続いています。

評価

評価は4です。集中投資特有のリスクを抑えつつ、15~18銘柄に集中投資しているため、本来であればリスクが高く、リターンも高くなるところですが、このファンドはリスクがしっかり抑えられています。

背景には銘柄選定や売買選定の「しゅういつ」さがあるため、評価は4とさせていただきました。

4.5をつけなかった理由は、集中投資であること、マーケットの変動によっては今までよりもリスクが高まる可能性があるためです。そのため評価は4相当とさせていただきました。

このファンドの特徴は、集中投資を行いながらもしっかりとリスクをコントロールしている点にあります。そのために、銘柄選定に加え、3倍という高い売買回転率でしっかりと売り買いを行っています。こういった特徴は非常に効果的です。

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