本日はGS米国REITファンド「愛称:コロンブスの卵」という、米REITに投資するファンドを分析します。配当利回りに注目が集まりがちなREITですが、キャピタルゲインにもフォーカスを当てていることが特徴です。そこで、このファンドがどのようなパフォーマンスを残しているか、どのような特徴があるかを分析します。ぜひ最後までご覧ください。
お願い
最初にお願いです。この記事は情報提供を目的として作成しており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。また、取り上げている投資信託はランダムに抽出しています。運用会社、販売会社と当社の間における業務提携は一切ございません。あくまでも中立の立場で分析します。
投資信託概要
概要
GS米国REITファンド「愛称:コロンブスの卵」は、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントが運用する米REITファンドです。信託報酬は1.57%、純資産総額は638億円となっています。

特徴です。米REITに投資するアクティブファンドで、投資テーマは特に設定していません。配当が良く、キャピタルゲインが狙えるREITを選択するため、バランスシートの良好さ、強固なビジネスモデル、質の高い不動産の保有、優秀な経営陣などの観点からREITを選定しています。上場している米REIT約150銘柄を30銘柄まで絞り込み、キャピタルゲイン、インカムゲインの両方を得ることを目指します。
投資戦略
150の銘柄から割安、かつ長期的な成長が見込める銘柄30程度に投資しています。ファンド自体の運用方針は地域のデータ、財務諸表、物件、戦略を見ながら絞り込む非常にオーソドックスな戦略です。銘柄選定能力の有無によって、パフォーマンスが大きく左右されることでしょう

米REIT市場は、日本、オーストラリアを10倍近く上回る規模を持っています。MSCI米国REITインデックスと比較すると、このファンドのセクター構成は少し異なる戦略をとっています。
銘柄戦略
近年市場規模が拡大しているデータセンター、通信施設などにフォーカスを当てています。組み入れ銘柄は約30と、比較的集中がされています。

ポートフォリオの平均は3.2%と、参考指標利回りを0.5%ほど下回っていました。割安な高配当銘柄を保有するよりは、REITの中でも成長性のある分野、配当よりも成長性による値上がり益を重視した銘柄選定となっていると言えます。
売買はあまり行っておらず、社会生活の変化を追い風に構造的な成長が見込めるビジネスモデルを有するセクターをオーバーウェイトしている一方で、対照的に事業環境悪化が見込まれるセクターをアンダーウェイトしています。
直近の売買銘柄を見ると、データセンターや通信施設を大きく買い増している一方で、小売の割合はインデックスから10%近く減らしています。店舗型よりもネットでの売買がアメリカでは浸透していることなどが背景にあるのでしょう。
ファンドパフォーマンス
パフォーマンス
キャピタルゲインを狙ってはいますが、パフォーマンスはほぼ指標通りです。FTSE NAREITインデックスの円ベースと比較すると、過去5年、過去3年ともに指数とほぼ同じ推移となっています。指数と組み入れ銘柄、業種構成が異なるため、短期的な動きにはズレがあるものの、中期的にはほぼ似通っています。結果的に、銘柄選定を行ってはいますが、インデックスとほぼ同じ推移となっています。

パフォーマンスだけでなく、リスクもインデックスとほぼ同じです。リスクの大きさ、シャープレシオも市場平均並みで、パフォーマンス面で目立った特徴はありませんでした。
ただ、銘柄を集中させており、今後のマーケット見通しを踏まえて業種もやや偏りを持たせているにもかかわらず値動きも平均並みに抑えられていることは一定の評価ができるでしょう。
ここ最近はREITのパフォーマンスがあまり良くない時期もありました。その間、アクティブファンドにもかかわらずよく持ちこたえたという評価もできます。
ここ数年は米REITの市場が非常に低調でしたが、今後の利下げでREITのパフォーマンスは良くなると想定されています。REIT全体が好調になれば、このファンドのパフォーマンスも良くなることが期待できます。
アクティブファンドらしさが出せるとすれば、オフィス・産業REIT、データセンターなど特化型REITの比率を少し高くしていますから、米国の景気、企業業績がさらに上向き、在宅勤務からオフィス勤務に移行する人が増え続けるようであれば、パフォーマンスにもプラスアルファが期待できる可能性があります。
ただし、インデックスとの違いが出せるかといえば、正直なところ過去の実績を見る限りやや疑問です。
資金流出入
これらの評価が影響しているのでしょうか。資金の流出が続いています。

評価

評価は星2つです。現時点でのパフォーマンスはほぼベンチマーク通りで、特徴があまりありません。FTSE NAREITと比較してもほぼ同じ動きです。他のREITファンドにはパフォーマンスに優れたものもありますので、ぜひ比較の上で判断いただければと思います。
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