本日は、新光ピュア・インド株式ファンドというインド株ファンドを分析します。ここ最近インドの成長に注目が集まっています。インド株は成長著しいものの、値動きが大きい傾向があります。そのため、本日はインドの内需成長にフォーカスしつつ、低リスクに抑えるファンドを取り上げました。パフォーマンスはどうかを含めて分析しますので、ぜひ最後までご覧ください。
お願い
最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的として作成されており、投資の勧誘、売買の推奨を目的としたものではありません。また、投資信託はランダムに抽出しています。運用会社、販売会社と当社の間における業務提携は一切ございません。あくまでも中立の立場で選択しています。
投資信託概要
概要
新光ピュア・インド株式ファンドは、アセットマネジメントOneが運用するインド株ファンドです。NISA成長投資枠が利用可能で、信託報酬2.06%、純資産総額は2,685億円となっています。
特徴です。内需関連を中心に幅広く投資するアクティブファンドです。成長力があり、バリエーション的に割高でない企業に投資し、中長期の値上がりを狙うスタンダードな戦略をとっています。具体的には、銀行がポートフォリオの4分の1以上を占め最も多く、次いで素材やエネルギーが多くなっています。
チェックポイントです。インド株の人気の高さから、インド株ファンドは多く存在しています。その中で際立ったパフォーマンス、運用方針があるかを確認します。
投資戦略
運用は車で有名なTATAグループが行っています。インドに深く根付いたTATAグループの運用会社が銘柄を選定していますから、銘柄選定能力が高いのではとの期待が高まります。
銘柄戦略
銀行がポートフォリオの4分の1近くを占めており、次に素材、エネルギーが多くなっています。内需関連の業種に力を入れたファンドと言えます。
最近は金融サービス、ヘルスケア機器・サービス、医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンスなどの銘柄を買い増しています。60銘柄とインド株に投資するアクティブファンドにしてはやや多めで、分散を多く図ってます。内需かつ銘柄分散を少し利かせた結果、パフォーマンスが若干下回っているのでしょう。
ファンドの組み入れ銘柄のテーマとしては、人口動態、低水準の家計債務、消費の拡大、都市化の普及など、インド内需に関係するテーマで銘柄選定を行っています。
ファンドパフォーマンス
パフォーマンス
SENSEXをやや下回っています。インド株自体が非常に堅調ですから、チャート自体は右肩上がりですが、有名なSENSEX指数と比較すると指数を下回っています。過去5年間では30%、過去3年間で10%程度下回っており、パフォーマンスはあまりいいとは言えません。
背景には60近い銘柄に分散していること、ポートフォリオに多くの金融株が占めていることがあります。ここ最近はテクノロジー企業の成長が大きく、金融株は少し低迷気味で、パフォーマンスはあまり良くありませんでした。
内需管理に特化したポートフォリオで、テクノロジー企業の値上がりはそこまで取れていません。結果として、ベンチマークを少し下回るパフォーマンスとなっています。
ファンドの値動きは市場平均よりもやや小さく抑えられています。過去3年間のリスクは15%程度と、インド株平均、新興国と比較しても低くなっています。過去5年、それ以上では20%程度と、長期でとるとリスクは少し大きいですが、それでも新興国の動きと比較すると値動きは小さくなっています。
パフォーマンスはあまり良くないですが、リスクがコントロールできているため、直近のシャープレシオは1.4。効率的な運用だと言えるでしょう。
インドの経済、特に内需関連株価の上昇が続くようであれば、いいパフォーマンスを残す可能性はあります。ただ、インド株ファンドを調べると、内需に強いファンドが数多く存在しています。そういったファンドと比較しないと、優位性があるとまでは言えません。ファンドの成長はインド市場の強さも影響していますから、その強いマーケットの中でよりいいパフォーマンス、よりリスクがコントロールできているものがないかを比較する必要があるでしょう。
10年パフォーマンス
そこで10年パフォーマンスにて、ピュア・インド株ファンド、高成長インド・中型株式ファンドを比較してみました。右肩上がりではあるものの、高成長インド・中型株式ファンドの方が大きく上昇しています。内需関連での成長株ファンドでは、中型ファンドが上昇しやすい傾向が続いています。高成長インド・中型株式ファンドのように、他のファンドでもパフォーマンスがより良く、最大下落率もほぼ変わらないファンドがありますから、比較検討する必要があると言えるでしょう。
資金流出入
資金流入が続いています。
評価
評価は3です。インデックスを下回り、パフォーマンスはやや低めです。内需関連、金融株を多く入れているため、ハイテク中心だった恩恵が受けられず仕方がないとも言えます。
今後内需がさらに強く伸びる中で、成長を取り込めるかは確認する必要はあります。ただ、比較するともっと優れたファンドがあるようにも見受けられます。ぜひ比較検討していただけますと幸いです。