日本株先週の振り返り
先週(11月10〜14日)の日経平均株価は、週後半にハイテク株が大きく売られたものの、資金がバリュー株へ移ったことで全体としては小幅高で終わりました。最終値は5万376.53円で、前週比100円ほどの上昇です。週明けは、米政府機関再開への期待や米中関税引き下げの報道が追い風となり、一気に5万1000円目前まで上昇しました。11日は一時5万1500円台を取り戻す場面がありましたが、ソフトバンクグループの決算を控え、午後から利益確定の動きが優勢に。そのソフトバンクグループは決算こそ良好でしたが、エヌビディア株の全売却が嫌気され翌日に下落。12日の日経平均も連れ安となりましたが、三井金属など好業績銘柄が買われたことで投資心理が好転し、結果的に反発して取引を終えました。
NYダウが政府閉鎖解除期待で最高値を更新したことも追い風となり、13日の日経平均は続伸。しかし米市場で13日に利益確定売りが広がった影響で、14日の東京市場では半導体・AI関連株が大きく売られ、主力3銘柄が指数を押し下げました。とはいえ、内需系などバリュー株に資金が向かったことで全体の下支えとなり、一週間を通してみると相場は底堅く推移しました。
日本株今週の見通し
今週(11月17〜21日)の日経平均株価は、5万円を維持したことで下値の強さが意識されつつも、方向感を探る展開になりそうです。14日の急落でも大台を割り込まず、25日移動平均線付近まで下げたことで、短期的なリバウンドが入りやすい位置にあります。一方で、米市場では半導体・AI関連への利益確定売りが広がっており、東京市場もその流れに左右されやすい状況です。特に指数への影響が大きい値がさハイテク株が軟調になると、相場全体の重荷となるでしょう。
焦点は11月19日に控えるエヌビディアの決算です。エヌビディアが再びAI成長期待を刺激すれば、調整中のソフトバンクグループなど大型ハイテク株に反発の流れが戻り、日経平均を押し上げる可能性があります。反対に、成長鈍化が意識されれば利益確定売りが加速し、「5万円割れ」への警戒が高まります。国内では決算発表が一巡したことで、業績内容を手掛かりにした個別株物色が強まり、銘柄ごとの明暗が分かれる相場になりそうです。
今週の為替注目点
今週のドル円は、円売り基調が引き続き優勢となりそうです。高市政権が財政拡大路線を一段と鮮明にしたことで、投資家の間では「積極財政=円安」という構図が強まっています。特に、プライマリーバランス黒字化目標の撤回は政策転換としてインパクトが大きく、来週も“高市トレード”が意識されやすいでしょう。
一方、米国では43日間続いた政府閉鎖がようやく解除され、市場にとっては一つの安心材料となりました。しかし、経済損失が大きかったことやトランプ政権の支持率低下を背景に、米政局に対する不安は払拭できていません。12月FOMCでの追加利下げ期待は後退しており、18日に発表予定のADP週次雇用レポートに注目が集まっています。また、9月の雇用統計が20日に公表されることになり、市場予想通りの内容なら金利見通しに大きな変化は生まれにくいでしょう。一方、失業率が悪化すれば、利下げ期待が再び強まる可能性があります。加えて、今週はNY連銀製造業景況指数やPMIなど複数の指標発表が予定されており、政府再開に伴う変則的な公表スケジュールにも注意が必要です。こうした不透明感もあり、リスクオンの円売りが続く展開が見込まれます。
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