不動産投資で成功を収めた資産家ほど、「金融資産運用には苦手意識がある」という特有の課題を抱えがちです。本記事では、総資産17億円の不動産オーナーが、得意分野である不動産投資から脱却し、築古物件の売却と金融資産運用、さらに相続対策を統合した「全体最適の戦略」へと転換した事例を解説します。
[ 目次 ]
1. 相談者の課題:得意分野への偏重と資産の流動性
今回の相談者様は40代前半で、総資産17億円をお持ちの不動産オーナーです。不動産投資には精通しているものの、その資産の多くが不動産に偏り、金融資産運用には苦手意識がありました。
1-1. 資産の組み替えと多角化の必要性
相談者様の課題は、以下の3点に集約されます。
- 金融資産への多角化: 今後、金融資産の比率を高めたいが、運用方法が分からない。
- 相続対策の必要性: 資産の多くを占める不動産に関する相続対策を進めたい。
- 築古物件の整理: 運用効率の低下した築古物件をどう整理すべきか。
1-2. 解決すべき課題:流動性の確保とコア・サテライトの導入
不動産に資産が偏ることで、流動性(換金性)の低い資産が多くなるリスクを抱えていました。不動産は相続対策にはとても適しているものの、リスク分散という面では資産の組み替えが必要でした。
2. 課題解決へのステップ:全体最適を目指す「金融と不動産の融合」
私たちは、相談者様の得意な「不動産」の視点を活かしつつ、「金融資産」への転換と全体最適を目指すサポートを行いました。
2-1. 【STEP 1】ゴールベース運用とコア・サテライトの導入
まず、相談者様のライフプランに基づいた「ゴールベースの運用スタンス」を共有し、資産運用の目的を明確化。その上で、金融資産の運用にコア・サテライト運用の概念を導入しました。
- コア(守り): 安定成長を目指す分散投資。
- サテライト(攻め): 不動産オーナーとしての知見を活かし、マクロ分析や資産クラスの動向を参考にしながら、より積極的にリターンを狙う運用。

2-2. 【STEP 2】不動産のプロとの連携による「売却戦略」
運用効率の低下した築古物件については、提携の税理士と不動産鑑定士と連携し、税務を考慮した最適な売却戦略(バルク売却など)を立案・実行しました。これにより、最も有利なタイミングと方法で不動産を現金化し、金融資産への組み替え資金を確保しました。
2-3. 【STEP 3】信託スキームによる相続対策の実行
流動性が確保された金融資産と、保有を続ける優良不動産全体に対し、信託スキームを導入することで、相続対策を大幅に削減・最適化しました。同時に、自立運用のために必要な金融資産の知識をすべて伝達し、「不動産」と「金融資産」の両方を管理できる能力を構築しました。
3. まとめ:全体最適は「苦手意識の克服」から始まる
この事例は、富裕層の資産管理が、得意分野に偏ることなく、「苦手意識のある金融資産」と「得意な不動産資産」を融合させる全体最適の戦略が不可欠であることを示しています。専門家と連携して、自身の知識を補完し、資産の組み替えを戦略的に行うことが、資産を永続的に守る鍵となります。
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