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【専門家解説】事業承継のための遺言書作成ガイド:円滑な株式集中と法的効力

カテゴリ: ファミリーオフィス型相続対策 > 遺言・信託活用
【専門家解説】事業承継のための遺言書作成ガイド:円滑な株式集中と法的効力

親族内承継や従業員承継を行う富裕層にとって、遺言書は単なる相続手続きの書類ではありません。それは、後継者に自社株式や事業用不動産といった経営資源をスムーズかつ確実に引き継ぐための、最も重要な法的ツールです。

しかし、遺言書に不備があったり、遺留分(いりゅうぶん)を侵害したりすると、かえって深刻な相続トラブル(争族)の原因となります。本記事では、事業承継のための遺言書作成が担う役割、確実に効力を生じさせるためのポイント、そして注意点を専門家が徹底解説します。

1. 事業承継における遺言書が担う役割と法的種類

事業承継(特に親族内承継・従業員承継)において、遺言書は後継者に経営資源をスムーズに引き継ぐ役割を担います。遺言書で引き継ぎ先を明確に示しておくと、遺族間における不要なトラブルを回避可能です。

1-1. 遺言書が担う「経営の空白期間」回避の役割

遺言書を作成する最大の意義は、後継者への引き継ぎ先を明確に指定し、遺族間における不要なトラブルを回避することです。これにより、多くの手間と時間を要する遺産分割協議を不要とし、経営に空白期間を作らないための法的基盤を確立できます。

1-2. 事業承継に最適な遺言書の種類とリスク比較

遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がありますが、事業承継という重要度の高い場面では、公正証書遺言が推奨されます。

種類特徴リスクと専門家の見解
自筆証書遺言遺言者がすべて自書。作成が最も容易。リスク高:記載方法の誤り、紛失、偽造のリスクが大きく、法的な効力が無効になる可能性が高い。
公正証書遺言公証人が作成・保管。費用が発生する。推奨:公証人が内容を確認するため、法的リスクを心配する必要がない。費用は発生するが、確実性を最優先すべき事業承継では最適。
秘密証書遺言遺言者が作成・封印し、公証人に保管してもらう。利用稀:内容の秘密性は保てるが、公証人が内容を確認しないため、法的記載不備のリスクが残る。

まとめ:事業承継では、経営の安定性を最優先するため、法的効力の確実性が高い公正証書遺言の作成が鉄則です。

2. 事業承継のための遺言書作成時の4つのポイント(HowTo)

現在の経営者の死亡後は遺言書の修正が不可能となるため、以下の4つのポイントを押さえ、相続の専門家から協力を得て慎重な作成が求められます。

2-1. 【ポイント1】文章表現の明確化と「付言事項」の活用

人によって解釈が異ならないよう、文章表現を工夫し、曖昧さを排除します。さらに、法的な効力を持たないが、遺言者の想いや希望を記載する付言事項を必ず活用しましょう。付言事項は、なぜ後継者に株式を集中させたのかという真意を伝えることで、残された家族間の感情的な対立を防ぐ効果があります。

2-2. 【ポイント2】遺言執行者の選任と補充遺言

遺言書に記載された内容をスムーズに実現させる遺言執行者を必ず選任しておきましょう。遺言の執行には膨大な手続きが求められるため、この選任は不可欠です。また、後継者が遺言者(現在の経営者)よりも早く死亡した場合を想定する補充遺言も必要に応じて活用します。

遺言執行者の選任と手続き補充のための遺言作成。

2-3. 【ポイント3】遺留分侵害を回避する資産分割

遺言書は、遺留分(一部の法定相続人に最低限保障される遺産の取り分)を侵害できません。たとえ遺留分を侵害するような遺言書を作成しても、他の相続人が遺留分侵害額請求を主張すれば、遺言書の内容は無効となり、深刻なトラブルに発展します。したがって、他の後継者の遺留分侵害が生じないよう、事前に遺産を分配し、現金を準備するなど、専門家と相談して対応しましょう。

3. まとめ:事業承継は「仕組み」と「中立的な専門家」が鍵

事業承継において遺言書は、後継者に自社株式・不動産などの経営資源をスムーズに引き継ぐために大きな役割を担います。独断で作成せず、複数の専門家に相談し意見を集約して判断すること、そして遺留分侵害が生じないよう計画的に準備を進めることが、事業承継成功の鍵となります。確実に効力を生じさせ、不要なトラブルを回避するためにも、相続の専門家から協力を得ることが大切です。

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