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米株急反発も楽観は禁物? 原油高止まりと中東情勢の行方が握る4月相場の展望

米株急反発も楽観は禁物? 原油高止まりと中東情勢の行方が握る4月相場の展望

3月の最終取引日となった3月31日、米国株式市場は急反発を見せました。ダウ工業株30種平均は前日比1125ドル高の4万6341ドルで取引を終え、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も3.8%高(167ポイント高)と大幅に上昇しました。しかし、この株高は純粋な景気回復やリスクの完全な払拭を意味するものではなく、買い戻しが中心の展開と言えます。今回は、この相場環境の裏側にある要因と、4月相場に向けて注視すべきポイントについて解説します。

株価急反発の背景 買い戻しと「ドレッシング買い」

今回の急反発の直接的な引き金となったのは、米国とイランの武力衝突が早期に終結するのではないかという期待感です。トランプ米大統領が「ホルムズ海峡が封鎖されたままでも軍事作戦を終える用意がある」と側近に伝えたことや、イランのペゼシュキアン大統領が「条件次第で戦闘を終わらせる意思がある」と発言したことが好感されました。

しかし、3月末というタイミングを考慮すると、機関投資家による「ドレッシング買い(お化粧買い)」の影響も大きく働いたと考えられます。これは決算期末や月末に、ファンドなどの運用機関が自身の保有資産の評価額を高く見せるために恣意的に買い注文を入れる動きです。また、これまでの急落によって、超大型ハイテク7社「M7」のうち、エヌビディアやマイクロソフトなどの予想PER(株価収益率)が20倍を下回るという異例の割安感が台頭していたことも、買い戻しを加速させました。

ただし、注意が必要なのはハイテク株の先行きです。市場専門家の分析によれば、ダウ平均が一定の下値支持線まで調整を完了して反発したのに対し、ナスダックなどのハイテク株は過去の高値水準と比較して「もう少し下落余地がある」と指摘されています。目先の買い戻しが一巡した後の上値の重さには警戒が必要です。

原油価格の高止まりとインフレ・金利への波及リスク

今後の相場を占う上で最大の懸念材料は、原油価格の高止まりです。31日のニューヨーク市場でWTI原油先物は1バレル101.38ドルへと反落したものの、3月の月間上昇率は51.3%と、1983年の上場以来最大の上昇幅を記録しました。ピーク時にはブレント原油が126ドルに達するなど、1970年代のエネルギー危機以来とも言われる供給障害が起きています。

2月28日に始まった米イスラエルによるイランへの共同軍事攻撃(エピック・フューリー作戦)を機に、世界の原油供給の約20%が通過するホルムズ海峡は事実上の封鎖状態にあります。原油タンカーなどが攻撃の標的となり、海上輸送はほぼストップしています。

この原油高は、インフレの再燃リスクを急激に高めています。エネルギー価格の高騰によって米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、結果として金利が高止まり、あるいは上昇に転じれば、バリュエーションの高いハイテク株にとって大きな重荷となります。米国株市場は、地政学リスクだけでなく、インフレと金利の動向という「ファンダメンタルズの悪化」にも直面しているのです。

今後の最大の注目点 4月6日の期限と米国の「丸投げ」シナリオ

今後数週間の相場を左右するのは、米イランの停戦交渉の行方です。トランプ政権は、事実上の停戦協議の期限を4月6日に設定しています。

最大の注目ポイントは、トランプ大統領がホルムズ海峡の封鎖解除を待たずに軍事作戦を終了させる可能性を示唆している点です。同氏は「我々が長く居続ける必要はない」と述べ、エネルギー自給率の高い米国は直接的な打撃が少ないことから、海峡の安全確保を英国や日本などの同盟国に自力で行うよう迫っています。

もし米国が軍事作戦を終結させたとしても、ホルムズ海峡の封鎖が長引けば、世界的なエネルギー危機は解消されません。一方で、4月6日までにガリバフ国会議長らイラン側の交渉担当者との間で妥協点が見出せず、米軍が地上部隊の投入やカーグ島(イランの原油輸出の9割を経由する要衝)の占拠などに踏み切れば、紛争は数年単位で泥沼化する恐れもあります。

日本経済・日本株への波及 物流危機への追い打ち

米国市場が地政学リスクに揺れる中、日本への影響も甚大です。特に深刻なのが「物流」への打撃です。ただでさえ日本では、トラックドライバーの不足や「2024年問題」に起因する構造的な物流危機が進行しており、2030年度には3割以上の荷物が運べなくなると試算されています。

そこへホルムズ海峡封鎖による燃料価格の高騰が直撃すれば、運送業界だけでなく、コスト増を価格転嫁しきれない多くの企業の業績を圧迫することになります。

足元の米国株式市場の反発は、過度な悲観論の巻き戻しや期末要因が重なった結果であり、手放しで喜べる状況にはありません。今後の相場は、①4月6日に向けた米イランの交渉の行方と地上戦回避の可否、②ホルムズ海峡の再開時期、③原油高止まりがもたらす米金利への影響、という3つの要素によって激しく上下する「ヘッドライン相場」が続くと予想されます。中長期的にはM7などの優良株に割安感が出ているのも事実ですが、当面はボラティリティの高さに備えた慎重な投資判断が求められるでしょう。

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