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政府・日銀が円買い介入を断行 連休の薄商いを突かれた投機筋との攻防

政府・日銀が円買い介入を断行 連休の薄商いを突かれた投機筋との攻防

2026年4月30日、政府・日本銀行は外国為替市場で円買い・ドル売りの為替介入を実施しました。同日の東京市場では原油高による貿易赤字拡大懸念から円売りが膨らみ、一時1ドル=160円70銭台と、2024年7月以来およそ1年9カ月ぶりの歴史的な円安水準を記録していました。しかし日本時間午後7時30分頃から翌日早朝にかけて相場は急伸し、最大で約3%上昇して一時1ドル=155円57銭まで一気に円高が進む劇的な展開となりました。

「最後の退避勧告」と薄商いを狙った実弾介入

今回の強硬な介入の背景には、ゴールデンウィークに伴う市場流動性の低下と、投機筋による過度な円売り仕掛けへの強い警戒感がありました。片山さつき財務相や三村淳財務官が5月2日からウズベキスタンで開催されるアジア開発銀行(ADB)年次総会に出席するため、「当局者不在」の隙が意識されやすいタイミングでもあったのです。

介入に先立ち、片山氏は「外出のときもお休みのときもスマホを離さずに」と警告し、三村氏も「これを最後の退避勧告として申し上げる」と異例の強いトーンで投機筋を牽制していました。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータでは、4月21日時点でヘッジファンドなど非商業部門の円売り越しが9万4460枚に膨らんでいました。当局は流動性の低い時間帯を狙い、気配値を大きく上回る指し値で円買い注文を多数入れ、投機筋に損失覚悟の買い戻しを迫ったとみられます。

日米金利差と中東リスクが招いた160円超え

円相場が160円台まで急落した根底には、日米金融政策の方向性の違いと緊迫する中東情勢という複合要因がありました。日銀は4月28日の会合で政策金利を0.75%に据え置き、中東情勢の混迷から市場は追加利上げに懐疑的でした。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)も29日までの会合で政策金利を据え置いたものの、インフレ懸念から3人が緩和方向の声明文維持に反対票を投じています。5月退任を控えるパウエル議長の下での最後の会合でFRBのタカ派姿勢が改めて示され、利下げ観測が遠のいたことがドル高を主導しました。

加えて、米国とイランの紛争懸念から北海ブレント原油先物が1バレル120ドルを突破し、2022年のロシア・ウクライナ危機以来の最高水準に達しました。エネルギーの大半を輸入に頼る日本にとって原油高は貿易赤字拡大に直結し、「実需の円売り」観測を決定づけたのです。

米国との連携と「全方位」の介入戦略

今回の介入は、米国からの理解を得た上で実施された可能性が高い点も重要です。三村氏は米当局者と常に連絡を取り合っていると明言し、米財務省の報道官も緊密な連携を認めています。ベッセント米財務長官は、日本の円安が金利上昇と相まって市場不安につながるリスクを警戒しており、介入を容認する姿勢を示してきました。さらに当局は「全方位」での対応を強調し、外国為替市場だけでなく原油先物市場への介入の可能性も示唆しています。実際に円急伸と歩調を合わせ原油価格も下落に転じており、複合的な介入が行われた可能性が浮上しています。

「時間稼ぎ」の域を出るか、今後の展望

市場の一部には、今回の介入は「中東混迷が収束するまでの時間稼ぎ」に過ぎないとの冷めた見方も存在します。FRBのタカ派姿勢と原油高による「ドル一強」はインドルピー(過去最安値の1ドル95.322ルピー)や韓国ウォン、中国人民元などアジア通貨全体にも深刻な重圧をかけており、米イラン協議が難航し原油価格が一段高となれば、再び強烈な円安圧力が高まる事態も想定されます。連休明け以降も、投機筋の動向と為替相場の激しい値動きを巡り、当局と市場の神経戦が続くことは間違いありません。

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