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【ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド】成長株の上昇局面を大きく捉えることを目的としたファンドの実力は?【投資信託マラソン】

【ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド】成長株の上昇局面を大きく捉えることを目的としたファンドの実力は?【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、米国の成長株に投資を行うティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンドの分析をします。

成長株の上昇局面を大きく捉えるという特徴を持っていますが、実際のパフォーマンスはどうでしょうか。アメリカの株式に興味を持っている方が多いと思いますが、他のファンドと比べて特徴的な点があるのかどうか、投資を判断する際に重要なポイントになるかと思います。ぜひ最後までご覧ください。

お願い

この記事は情報提供を目的として作成されており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではございません。また、投資信託に関してはランダムに抽出しています。運用会社、販売会社との間に業務提携は一切ございません。中立の立場でお伝えしていきます。

投資信託概要

概要

ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンドは、運用会社はティー・ロウ・プライスで、米国株に投資をしています。NISA成長枠での投資が可能で、信託報酬は1.46%です。純資産総額は4748億円と、米国株の人気が伺えます。

米国の成長株への投資に特化したアクティブファンドです。最近の成長株の上昇を背景にパフォーマンスが良好であることが想像されます。また、短期的な株価の変動にとらわれず、やや長めの視点から銘柄選定に取り組んでいます。

今後も株価の上昇余地が見込まれる銘柄や、株価上昇が期待されるにもかかわらず市場で見過ごされがちな銘柄を選別しています。モメンタム的に上がる銘柄と、割安で放置されている銘柄をしっかりと成長株の中で買っていくスタンスです。

銘柄選定に関しては個別企業の分析に基づくボトムアップ方式を採用しています。企業のファンダメンタルズなどをしっかりと分析しています。米国株とありますが、米国以外の企業にも投資している点にはご注意ください。

本日のチェックポイントです。成長性の高い銘柄群のパフォーマンスが実際にどうなのか。つまり、ボトムアップ方式を採用していますが、銘柄選定の質が高いかどうかを確認します。また、リバランスの頻度などもパフォーマンスに直結しますので確認していきたいと思います。

簡易パフォーマンスです。期間が少し短めではありますが、マーケットに対して1年間で+58%という実績を残しています。一方で、リスクについては市場のカテゴリーと同等になっており、大きなリスクを取るというよりも、市場並みのリスクを取りながらリターンの最大化を目指しているファンドだとわかりました。

投資戦略

ティー・ロウ・プライスは非常に知名度の高いファンド会社で、米国成長株式の運用チームが担当しています。企業の成長は利益とキャッシュフローに基づくものであり、そのような長期的に成長が期待できる銘柄の発掘を目指しています。

成長に関しては3つの視点から捉えて運用を行っています。まずは持続性のある成長が可能かどうか。次に、循環成長ということで、景気変動の影響を受けて景気が大きく後退した際、売られる局面になったとしても、景気回復期に大きくV字回復できるような循環的に売り込まれた銘柄を買います。あるいは、循環が良い時に、そこに便乗できるようなモメンタムのある銘柄を買っています。

また、特殊な成長は、構造改革や構造変化が起こった場合に特定の影響を受けるセクターなどを選び、ボトムアップで銘柄選定を行い投資をします。特殊な成長、循環成長、持続成長をうまく組み合わせることで、インデックスに対してのアウトパフォームを目指しています。

銘柄戦略

具体的なポートフォリオとしては、成長株を70銘柄保有しており、分散を効かせている印象です。半数近くが情報技術セクターに属しているため、情報技術の割合が多い印象です。

比較的細かく銘柄の入れ替えや比率調整を行っていることもわかりました。直近ではメタ・プラットフォームズやTモバイルUS、アドビなどを新規に組み入れる一方、株価が上昇したマイクロソフトやセールスフォースの一部を売却しています。単にバイ&ホールドするだけでなく、価値が上がったものについては一部利益を確定していくというスタンスです。

ただ、実際の組み入れ上位銘柄を見てみると、米国を代表する成長株や大型株を中心に組み入れています。70銘柄を保有しながらアメリカを代表する成長株を組み入れた場合、S&P500などとのパフォーマンス差を出せるかどうかを確認します。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

アクティブファンドらしいパフォーマンスとなっています。2019年12月の設定来、ファンドのパフォーマンスはS&P500並みになっています。

しかし、成長株に特化していることや組み入れ銘柄を頻繁に変更していることから、動きは指数とは異なる傾向があります。値動きが比較的大きく、ボラティリティがやや高いという特徴があり、相場状況に応じて指数との違いが鮮明になるファンドです。この点が、アクティブファンドらしいと言えるでしょう。

例えば、金利上昇などによって成長株が弱かった2022年には、S&P500に対して15%ほど下回るパフォーマンスとなりました。成長株を多く組み入れていることが明らかです。

一方、その後の上昇局面である2023年には、指数を30%ほど上回るパフォーマンスを見せました。成長株自体が指数全体に比べて値動きが大きくなる特徴がありますが、このファンドはさらに拍車をかけて値動きが大きくなる傾向があります。リターンが良い時、悪い時がはっきりしており、リスクが高めということがわかります。

リスクは年率で約20%を超えており、市場平均も大きく上回っています。しかし、シャープレシオは0.6と低く、リスクと見合ったリターンが出ているかというと、やや疑問が残ります。

設定されて5年も満たないため、長期的なファンドの分析は難しい面もあります。ただ、これまでのデータを見る限り、リスクにやや課題があり、効率的にリターンを得られている印象がありません。高いリターンが得られているといっても、それに見合うだけの高いリスクを取っているということです。

年ごとのリターンのばらつきが大きいため、長期投資を行う方にとっては少しハラハラする場面があるかもしれません。好調不調の局面が短期的に繰り返されている印象です。そのため、米国の成長株に特化したポートフォリオを短期的に保有するための手段としては悪くないかもしれませんが、長期的に成長株の株価上昇を捉えるためには最適なファンドとは言えないかもしれません。

アメリカの成長株に投資を行うファンドの中には、リスクを抑えながらプラスアルファのリターンを目指して実際に成果を出しているものもあります。それらと比べると今の段階では、このファンドは長期投資には適しているという評価を下せるほどのパフォーマンスは確認できませんでした。。

ただ、組み入れ上位には代表的な情報技術セクターの銘柄が並んでおり、特に大型株への投資比率が高いです。銘柄選定自体は無難であると言え、大きく奇をてらった運用ではありません。それでもボラティリティが高い点はしっかりと認識して分析する必要があります。

資金流出入

2021年以降、資金流出が続いています。ボラティリティの大きさが、投資家から少し敬遠されているかもしれません。

評価

評価は2となります。S&P500を上回るパフォーマンスを出していることから、成長株の上昇をしっかり取り込めていることが2023年のパフォーマンスからもわかりました。、しかし、リスクのコントロールに関してはある程度高いリスクを取っています。リスクを取った分に見合った成長というよりも、成長率に見合わないリスクを多めに取っている印象です。その点がリスクの方が多いと感じる要因となり、評価を2とさせていただきました。

本日は米国の成長株に投資を行う、ティー・ロウ・プライスが運用するファンドを分析しました。成長性の高いファンドに投資をすることで、2023年のように大きく上昇する局面においてはファンドのパフォーマンスも良好です。しかし、その分リスクも伴っての上昇となっていますので、長期的に預ける際には資金の効率を考えなくてはいけません。

他にもアメリカの成長株に投資するファンドは数多くありますので比較していただきたいと思います。

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