【日本株・ドル円 週間見通し】 10月19日号(10月21日〜10月25日)

【日本株・ドル円 週間見通し】 10月19日号(10月21日〜10月25日)

日本株先週の振り返り

10月14日に米国でNYダウとS&P500指数が最高値を更新したことから、15日の日経平均株価は一時4万円台を回復し、今年7月以来の高値をつけました。前日の米株高と円安を背景に、寄り付きから強い動きを見せました。東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、アドバンテストなどの銘柄が指数を押し上げましたが、14時半以降には機関投資家による利益確定売りが出て4万円を割り込みました。

また、オランダのASMLは、技術的なミスで決算発表が1日早まったことで株価が大幅に下落しました。7-9月期の売上は増収でしたが、EUV露光装置の需要回復が遅れており、受注は前期比で半減。さらに10-12月期の売上予想も市場予想を下回り、2025年の通期予想も引き下げられたことが失望感を招きました。結果、ASMLの株価は決算発表後の2日間で16%以上下落しました。この影響を受けて日経平均株価も16日には730円安となりました。

しかし、17日にはTSMCが7-9月期決算を発表し、売上高と利益が四半期ベースで過去最高を記録。AI向けなどの最先端半導体の需要が旺盛であり、今後の売上見通しも市場予想を上回る内容となったことが好感され、株価は前日比9.79%上昇しました。TSMCの好決算によりASMLをきっかけとした半導体株への不安は後退しましたが、18日の日経平均株価は38,981.68円(前日比+70.49円)と小幅上昇に留まりました。

日本株今週の見通し

今週(10月21–25日)は、日米の主要企業の決算が日経平均に影響を与えると見込まれます。日経平均は3万9000円近辺で底堅さを維持し、押し目を狙う買い意欲が期待されるでしょう。

先週リバウンドしたディスコの上昇が続けば、他の半導体株も見直される可能性があります。また、ニデック(23日)やファナック(25日)など主要企業の決算発表があり、内容次第で個別銘柄に物色が向かう展開が予想されます。先に発表されている6〜8月期の決算を見る限りでは、海外売上の好調さが目立つ企業、国内でのインフラ・ソフトウェア投資に支えられる企業が良好な結果を出す一方で、コスト増や中国市場の低迷に苦しむ企業も見られたため、この流れが続くかどうか注目です。

一方、10月27日の衆議院選挙を控え、積極的な売買は控えられる見込みです。自民党の過半数割れ報道もあり、特に海外投資家は政治不安から慎重な姿勢を見せるでしょう。

経済面では、10月のPMIや東京都区部のCPIといった重要な指標が発表される予定です。これまで多くの価格上昇が経済に影響を与えており、消費や景気の勢いに陰りが見られる可能性が指摘されています。

来週の為替注目点

ドル円相場は、9月16日の安値139.58円から10円以上も急反発し、今週後半には150.30円台まで上昇しました。ドル円の強気な動きの背景には、中国の景気刺激策や中東情勢の不安後退、トランプ氏の優勢報道などが挙げられます。来週の米経済指標(新築住宅販売件数、新規失業保険申請件数など)が市場予想を上回ると、米FRBによる11月の利下げ見送り観測が強まり、ドル円のさらなる上昇が期待されます。

円キャリートレードが再開されるとの期待も高まっており、海外投資家が再び円を売る動きが進む可能性があります。さらには、米大統領選挙でトランプ氏が優勢であるとの見方が強まり、「トランプトレード」の再開が期待されていることも、ドル高・円安の要因となっています。このような状況の中、心理的な節目である150円を突破したことで、日本政府による円安牽制発言があるかもしれませんが、実際の為替介入の可能性は低いと考えています。このため、円買いの動きは限定的となるでしょう。ドル買い・円売りトレンドの再開が見込まれ、ドル円相場の上昇を予想しています。

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