日本株先週の振り返り
先週(11月25日〜29日)の日経平均株価は、前週末比75.82円安の3万8,208.03円で終了しました。25日には、米国市場での上昇を追い風に一時3万9,000円台を回復。しかし、26日にはトランプ次期大統領のSNS投稿が市場に影響を与えました。投稿内容には、中国製品への10%関税やカナダ・メキシコからの輸入品に対する25%関税の計画が含まれており、リスク回避姿勢が強まり株価は下落しました。その後、27日も相場は方向性に欠ける展開が続きました。28日は米国市場が感謝祭で休場となり、翌29日は短縮取引だったため、海外投資家の取引が減少するなかでの推移となりました。週末にはドル円が円高方向に振れ、一時149円台を付けた影響で相場の動きは鈍くなりましたが、3万8000円を割り込む局面では押し目買いが見られ、下支えとなりました。全体として不安定ながら底堅さも見える週となりました。
日本株今週の見通し
今週(12月2日〜6日)の東京株式市場では、日経平均株価が3万8,000円前後での推移が予想されるものの、積極的な売買は控えめになる可能性があります。まず注目されるのは、米国のブラックフライデーに関連する小売業界の売上状況です。インフレの影響で前年を下回る見通しもある一方、予想を上回る結果が出れば市場にとって好材料となるでしょう。しかし、トランプ氏のSNSでの発言への警戒感が続いており、海外投資家はその内容に敏感に反応することが予想されます。米大統領選後は米国株式市場のみが強いと言っても過言ではなく、日欧などの株式市場は、軟調に推移しています。今回の閣僚人事を見る限りでは、市場が想定しているよりも個別のdeal(交渉)ではなく、まとめて関税引き上げる方針ではないかとの推測が広まりつつあります。そのため、今週以降もトランプ氏や閣僚候補者の発言により一喜一憂する展開が予想され、不透明感が続く可能性があり日本株は不安定に推移する可能性が高いと言えます。また、地政学リスクも不安材料です。プーチン大統領がウクライナの要所を標的とした新たな攻撃の可能性に言及したことから、緊張の高まりが市場心理を冷やす要因となり得ると考えています。
今週の為替注目点
ドル円は、11月15日に約3カ月半ぶりの高値となる156.75円を記録した後、反落に転じました。今週末にかけては一時149.47円まで急落し、10月21日以来の安値圏をつけています。ただ、この下落は米国の感謝祭を控えたポジション調整の動きとして捉えることができます。感謝祭の連休明け以降、市場参加者の復帰に伴い、再びドル買い・円売りトレンドが優勢となる可能性があるでしょう。 今週は、米国経済に関連する重要な指標の発表が相次ぎます。特に、11月ISM製造業景況指数をはじめ、11月ADP雇用統計、11月ISM非製造業景況指数、11月雇用統計、さらに12月ミシガン大学消費者信頼感指数が予定されており、これらは次回FOMC(12月17・18日開催 )での政策判断にも影響を与える材料となり得ます。こうした状況を踏まえ、ドル円相場のボラティリティが一時的に大きく拡大する可能性があるため、慎重な対応が求められます。
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