日本株先週の振り返り

先週の日経平均株価は、先週末比で883.14円(2.31%)上昇し、最終的に3万9,091.17円で取引を終えました。週初の12月2日は、厚生労働省が公的年金の運用目標を引き上げる方針を発表したことで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用比率拡大への期待感が高まり、株価は3万8500円台を回復。翌3日には、米国が対中半導体規制の強化を発表したものの、制裁対象が予想より限定的で、日本やオランダなどが規制から除外されたことが好感され、日経平均は約3週間ぶりに3万9,000円台を回復しました。5日には米国市場で主要指数が過去最高値を更新した流れを受け、一時3万9,632.30円まで上昇しましたが、6日には米雇用統計の発表を控えて利益確定の売りが広がりました。ただ、3万9000円を維持し底堅い動きを見せました。
日本株今週の見通し
今週の日経平均株価は、12月17~18日開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、方向感に欠ける展開となることが予想されます。FOMC前のブラックアウト期間に入り、FRB関係者の発言が制限されることで、金融政策に対する明確なシグナルは期待しにくい状況だからです。そして、日経平均株価は、もみ合い継続となる可能性が高そうです。3万9,500円付近で利益確定の売り圧力が強まる一方、3万9,000円付近での押し目買いが入りやすくなるからです。ただ、13日の株価指数先物・オプション12月限のメジャーSQを控え、先物の需給に振られやすい展開となるでしょう。
今週の為替注目点
12月9日に予定されている日本の第3四半期GDP速報値が市場予想を上回り、12月11日に発表される米国の11月消費者物価指数(CPI)が予想を下回った場合、日銀の追加利上げとFOMCでの利下げが見込まれ、日米の金利差縮小が進む可能性があります。これにより、円キャリートレードの巻き戻しが加速し、ドル円相場には下押し圧力がかかる展開も予想されます。また、今週は米国の11月生産者物価指数や消費者物価指数、日本の日銀短観など重要な経済指標の発表が控えています。これらの結果次第で市場のセンチメントが変わり、ドル円相場にも影響が及ぶ可能性が高まります。特に金利やインフレに関する材料は市場の注目ポイントとなりそうです。
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