相談内容
現在40代で早期リタイアをして子供の教育を兼ねて海外に永住したいと考えています。不動産投資と資産運用で早期リタイアができる資産を保有することができました。今回、早期リタイアの一番の理由は、子供が海外の教育方針に慣れており今後も海外の教育を継続したいということです。
ただし、海外への移住となると就業による定期的な収入が見込めないことを前提として考える必要があるかと思います。今ある資金をフルに活用して住宅の購入、教育資金の確保、生活資金の確保、運用資金の確保、保険の加入、相続対策などのプランを立てておく資産管理が必要になると思うので、確実に全てを実現できるようにアドバイスとサポートを希望しています。
FIREの資産管理サポート
最近、特に増えてきている相談です。資産形成の手段が多様化したこともあり、若くして資産を形成される方が多くいます。資産形成と資産管理では行うべきことが異なることから相談が増えています。今回は、プレミアムファミリーオフィス にお問い合わせをいただき、まずは無料相談でお話をお聞きしました。その後、以下のサポートを行なっています。
ファミリーミッションステートメントの作成
私たちが資産管理に長年関わってきて感じることは、資産管理の目的が明確な方は、対策も明確になりやすいということです。今回のご相談も、目的が明確で対策も作成しやすいその典型的な例です。ファミリーオフィス における資産管理では、明確な目標設定「ファミリーミッションステートメント(目的)」のが不可欠です。まずは、ファミリーミッションステートメントを作成し、目的のセッティングを行いました。
資産管理のゴールセッティング
次に、資産運用です。現在の資産運用は、ETFや投資信託を中心にコストを意識しご自身でしっかりと分析されたポートフォリオ運用でした。私たちは、資産配分(アセットアロケーション)がその方のゴールセッティングに合致しているかを分析することで資産形成をサポートしていますので、まずは、この相談者の現在の資産額と将来の生活キャッシュフローを総合的に分析することから始めます。生活資金、教育資金のキャッシュアウトを加味しつつ、資産運用に方針に反映させていきます。
分析の結果、現在のポートフォリオは少しリスク・リターンの設定が高いということをお伝えし、最も保守的で目標が達成可能な資産配分をアドバイスさせていただきました。年齢的に長期での運用が可能であるため、リスクを最大限抑えたポートフォリオで年率6%程度の期待リターン設定を行いました。
また、コア・アセットとサテライト・アセット(運用)という運用方針を導入してプラスアルファーでの運用益を目指す場合のポイントをお伝えしつつ、運用サポートを継続させていただいています。
不動産や保険などの資産管理
将来のキャッシュフローに目処がついたことで、次に、海外の永住地での自宅購入の上限金額、保険の補償額などを決め流ことが出来ました。資産運用額の確保を軸にしてプランを構築していくことがポイントで、段階的に不動産の購入、保険、そして最後に相続対策で進めていけば、おおよその生涯プランが確定できます。
ここで必要になってくるのは、移住先における金融機関の選定と融資機能などを活用するプラン策定です。この段階で検討して、必要に応じて使い分けていきます。現地では、金融機関や担当者により手数料や融資条件が大きく異なってきますので、交渉のサポートで良い条件を引き出すことが重要です。さらに、海外移住するのであれば、保険は国内の保険と現地の保険を比較して検討します。国によりますが条件等が大きく異なるケースがほとんどです。
VISA・居住・教育
通常、海外への移住や永住には、VISAや永住権の取得が必要になります。今回は、投資を行うことで取得できるVISAの申請を行うことにしました。VISAの申請では、申請の手軽さを優先して取得すると、その後、お子様の進学先の選定などに制限等がある場合や、現地での投資に対する制限などがある場合があるため、正しい情報収集と最適なVISAの選択が必要になります。
海外の住居は、まずは、賃貸と購入の条件等を調べるところからスタートし相続のことも念頭においた所有者名義等を考えて検討していきます。次に、必要であれば現地のブローカーの選定を行いますが、トラブルの多い作業です。ここでは、エキスパートなどのネットワークを駆使して実績のある候補を見つけていきます。しっかりとした人選が重要です。
海外における教育は、現地校の選定における情報の収集と事前の準備等を行いますが、ここでは、学校側が提供する情報や口コミには、バイアスのかかった情報も多いので正しい情報収集を行なっていきます。正しい情報を元に学校の選定を行い、目指している学校にいくためのステップを踏んでいきます。サマースクールへの参加や、入学の空き枠がない場合は、他の学校に進学しつつ空き枠を待機するなどの方法も検討します。現地で入学に協力してくれるパートナーを見つけることも重要なポイントです。入学しやすいところを進めてくるアドバイザーも多いため、慎重に検討を進める必要があります。
まとめ
このように資産管理における重要なポイントは、最重要項目を先に固め、その他の重要項目を段階的に進めて行くプランニングで進めることが重要です。今回のケースは、依頼者の課題解決へ取り組む意識がとても高く、資産運用の枠組みを決める段階からスムーズに進んでいます。軸となる最重要の項目への目処がつけば、他の項目のやるべき時期が明確になるので、ご家族へ移住の時期や入学の時期などの目処を共有することができ、心理的に楽に進めていけます。