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【富裕層の選択】従業員承継はなぜ増えている?「株式譲渡資金」と「革新性」の課題を解説

カテゴリ: ファミリーオフィス型事業承継 > 親族内承継/従業員承継/M&A
【富裕層の選択】従業員承継はなぜ増えている?「株式譲渡資金」と「革新性」の課題を解説

事業承継の方法のうち、従業員承継(役員承継含む)は、親族内承継に次いで広く採用されています。これは、後継者候補の選択肢が広く、自社の経営に精通した人材に託せるという明確なメリットがあるからです。

しかし、従業員承継には、「株式の買い取り資金調達」「事業の抜本的な革新性の欠如」といった、親族内承継とは異なる特有の課題が潜んでいます。本記事では、従業員承継のメリットとデメリットを比較し、成功のための戦略と注意点について専門家が徹底解説します。

1. 従業員承継の現状と親族内承継との決定的な違い

従業員承継は、少子高齢化や親族の進路希望の尊重といった背景から、親族内承継が減少する中で、実施件数を増やし続けています。

1-1. 従業員承継の持つ2つの戦略的メリット

他の事業承継の方法と比較して、従業員承継には以下の特徴的なメリットがあります。

  1. 後継者候補の幅広さ: 親族に限定されず、自社の経営・業務に精通する人材を後継者候補として広く探せるため、経営者としての資質・能力が最適な人材を見つけやすいです。
  2. 関係者からの理解: 従業員や役員は日常業務で取引先と交流しているため、経営者の交代について取引先や従業員から受け入れてもらいやすいです。これは、事業の存続において非常に重要な要素です。

1-2. 親族内承継との動向比較

中小企業庁のデータ(2019年中小企業白書など)によると、親族内承継が依然メジャーな方法(約50%)ではあるものの、従業員承継の実施割合は増加傾向にあり、全体の承継方法に占める割合で大きな差は見られなくなっています。

まとめ:従業員承継は、最適な人材の確保と関係者の理解を得やすいというメリットから増加傾向にあります。これは、資質不足のリスクを抱える親族内承継との対比として特に注目されます。

2. 従業員承継の最大の課題:「株式譲渡資金」の壁

従業員承継には、親族内承継では生じない、株式の引き継ぎに関する重大な課題が伴います。

2-1. 株式譲渡資金の「後継者買い取り」が必須となる仕組み

従業員承継では、株式などの経営資源を引き継ぐ際に相続税の優遇措置を利用できません。そのため、後継者は株式を現在の経営者(オーナー)から直接買い取る方法を採用します。

  • リスク: 後継者候補の資金力が乏しい場合、株式を買い取ることができず、結果として経営権を移せないという事態が発生します。これは、事業承継の成否を分ける最大の課題となります。

2-2. 会社の変革を期待しにくい「革新性の欠如」

自社の文化や風土に慣れ親しんだ従業員・役員を後継者に据えることで、抜本的な変革や新たな発展が望めなくなるというデメリットもあります。

  • 対比: 「自社を大きく変えたい」と願うのであれば、M&Aなどを利用し、外部の資本とノウハウを取り入れる第三者への承継を選択する方が適している場合があります。

まとめ:従業員承継の最大の課題は、後継者の資金力に依存するため、株式の引き継ぎが失敗しやすい点です。また、安定と引き換えに、事業の革新性を失うリスクも伴います。

ファミリーオフィスは、内部承継は従来文化に縛られ抜本的な変革が進みにくく、成長機会を逃すリスクがあると主張する。

3. 従業員承継を成功させる戦略的ポイント(HowTo)

従業員承継のデメリットを克服し、成功確率を高めるためには、以下の戦略的ポイントを実践しましょう。

3-1. 【戦略1】株式引き継ぎのための「資金調達計画」

後継者の資金力が乏しい場合、以下の方法で譲渡対価を減額するか、資金調達をサポートする必要があります。

  • 譲渡対価の調整: 現在の経営者が受け取る譲渡対価(資金)を減額し、株式を後継者が取得しやすくする。
  • 準備期間の確保: 後継者が資金を集められるように、5年〜10年といった十分な時間を確保し、計画的に準備を進める。
  • 金融機関からの融資: 事業を担保に、後継者が金融機関からの融資を受けられるようサポートする。

3-2. 【戦略2】「能力・実績・人望」を軸とした後継者教育

後継者を教育するには、一般的に5年〜10年ほどの期間が必要です。以下の能力を身につけさせるよう、長期的な視点で教育を進めましょう。

  • 必要な能力: 財務・会計の知識、リーダーシップ、決断力、そして従業員や取引先からの人望

3-3. 【戦略3】複数の専門家から意見を集約する

従業員承継の複雑なプロセス(株式評価、資金調達、税務、法務)を独断で進めると、失敗に直結しかねません。

  • 鉄則: 独断では行わないことです。複数の専門家(税理士、金融機関など)から意見を集約し、時間をかけて対応することが、成功のための絶対条件です。

4. まとめ:従業員承継は「長期の育成」と「資金調達」が鍵

従業員承継は、自社の文化を維持しつつ、最適な人材を後継者とできるメリットがありますが、株式の譲渡資金という壁が立ちはだかります。

成功の鍵は、長期の育成計画と、後継者の資金調達方法を綿密に検討することにあります。事業承継の専門家などからサポートを得つつ検討しましょう。

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