本日のテーマは、『米国株2026 小型株が強い理由と勝ち筋銘柄の選び方』です。
昨年、2025年まで大型株を中心に大きく上昇し、独壇場の相場だったとの印象を皆さんもお持ちかと思います。ですが、ここ最近は少し動きが変わってきています。
下の図表をご覧ください。最近パフォーマンスが上がっているのが、緑のチャート、ラッセル2000です。それ以外はおおむね横ばいで、最も低いゾーンが赤で示したM7、NASDAQ100。去年まで非常に強かった銘柄が少し停滞気味となっています。S&P500からM7を除いたものが2番目に良く、M7を含めた青いチャート、S&P500が3番目でした。小型株がここ最近上昇しているのです。

2026年に入ってもラッセル2000は年初来で6.76%の上昇に対して、S&P500は1.38%、NASDAQは1.18%と、4%以上もパフォーマンスが異なっています。このような状況から、今年は米国株の中でも小型株を、特に注目している方が多いのではないかと思います。
そこで本日は、なぜ好調なのかという背景と、2026年はどの個別銘柄を選ぶべきなのか、その見極め方についてお伝えしていきたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
[ 目次 ]
米国小型株が上昇している背景
小型株上昇の背景:AIの裾野拡大×利下げの追い風
最初に、米国の小型株が上昇している背景を4つのポイントに分けてお伝えします。
まずは下の図表、小型テック株と、通常のテック株のパフォーマンス比較をご覧ください。このチャートは、上に行けば行くほど、小型のテック株のパフォーマンスがいいことを示しています。昨年の秋以降、小型テクノロジー株が上昇に転じているのです。

背景として最も大きかったのは、昨年、特に前半においては、AI相場の中で大型テック企業が収益化したという点です。その後、いろいろな企業が実装するフェーズ、第2フェーズに入ったことで、大型株に加え、小型株も今後収益化できるだろうとの見方から、小型株のテック企業などにも資金が回りました。
結果として、大型株に大きく出遅れていた小型テック株において巻き戻しが起きていることが、小型株上昇の背景の1つ目のポイントだと言われています。
2つ目のポイントです。今年もFRBは、おそらく1回から2回の利下げと予想されているわけですが、利下げ局面はそもそも小型株に非常に有利な状況だと言われています。
理由は借り入れにあります。小型株は大型株よりも借り入れのレバレッジが2倍程度ですから、金利が下がると助かるのです。
また、小型株は変動金利の債務比率が約32%あります。S&P500は6%ですから、大きな差があるのです。つまり金利低下による恩恵を受けやすいのは、大型株よりも小型株だと言えます。
こうした政策金利の動向から見ても、小型株に有利に働くのではないかと言われているのです。
需給の変化とバリュエーションの見直し
3つ目のポイントは需給関係の変化をお伝えします。

左の図表、大型株と小型株のパフォーマンス比較をご覧ください。上に行けば行くほど、小型株が上昇していることを示します。ここ最近、ずっと大型株が優位だった状況から、少し反転してきています。特にここ最近では、10日連続で小型株が大型株を上回っているのです。
パフォーマンスが良くなると、急激に資金がシフトする可能性があります。今まで小型株を回避していたお金が、小型株が動き出したということで改めて戻ってくる、資金のフローが変わってくる可能性が指摘されています。そのため、需給面においても小型株に追い風が吹いている状況です。
4つ目が、バリュエーションの見直しです。ラッセル2000と呼ばれる小型株は、過去1年間の平均PERが19.6倍となっています。一方で、大型株のラッセル1000は29.9倍と、10倍近く評価が異なります。ディスカウントで言うと、34%近く小型株が評価されている状況です。
右の図表はIWMとIWB、小型株と大型株を比較したものになりますが、すでに小型株のほうが上昇トレンドに転じ、52週の高値を取っています。
下のチャート、ラッセル2000とNASDAQ100の比較を見ても、8ヶ月の高値を取っています。改めてバリュエーションの見直しが入り、ラッセル2000、小型株にお金が入ってきているのです。
4つのポイントから分かるように、今の小型株は一過性のものではなく、ある程度トレンドとして出始めているとマーケットでは認識されているため、年初から非常に堅調に推移しています。
では、2026年はどういう戦略を取るべきなのでしょうか。
2026年の米国小型株投資戦略
2025年は質が勢いに負けた“逆転相場”
2025年を振り返ると、意外な結果になっています。こちらのジャナス・ヘンダーソンの資料、左は小型株の中でもフリーキャッシュフロー、ROEが良い上位20%の銘柄のパフォーマンス、右はフリーキャッシュフローが少なく、ROEが低い企業のパフォーマンスです。

少し違和感を覚えるかもしれませんが、ROEが低くて、フリーキャッシュフローが少ない企業のほうが、2025年前半はパフォーマンスがいいことが分かります。一方で、クオリティーの高い銘柄は、パフォーマンスが伴いませんでした。
ですから、2025年に小型株の優良株に投資した方は、あまりパフォーマンスがついてこなかったとのイメージをお持ちかもしれません。ニュースや話題性のあるものが業績や中身に関係なく上がっていくことを、肌感覚としてお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ただ、こうした動きというのは、相場に流れができる前の段階でよく見られる動きでもあり、長期的なパフォーマンスとは異なります。昨年までの動きが今年も踏襲されるかというと、そうではなく、本来あるべきパフォーマンスのあり方に戻ってくると指摘されています。
ですから、昨年までのイメージはいったん置いておいて、2026年にどういったものが上がっていくのかに注目する必要があるのです。
2026年の小型株はクオリティー重視の選好へ
では、2026年はどうなるのでしょうか。やはり過去の実績をベースに考えるべきだと思っています。
同じくジャナス・ヘンダーソンが出した、こちらの資料。フリーキャッシュフローの利回りのイールド、ROEが、上位20%の企業と下位20%の企業を比較したものです。

過去20年間においては、当然ながら上位20%のパフォーマンスが良く、下位20%はパフォーマンスが悪いという結果になっています。
さらに面白いのが右の図表、4つのファクターモデルで比較したものになります。4つのファクターモデルで上位20%のほうが、下位20%を圧倒的に上回るパフォーマンスを出している、ということが分かります。
4つのファクターとは、割安度・クオリティー・資金効率・モメンタムを重ねたもので、この4つが重なったものは、大きくパフォーマンスを残していることが分かっています。
ここから分かるヒントとしては、2026年は4つの分析をしっかり行うことで、個別の大きく成長する小型株を見つけることができるということです。
では、今年はどういう銘柄選定をすべきなのでしょうか。
小型株選別のルール
2025年はモメンタムだけでも勝てた時期がありましたから、名前がニュースに出てきたから買ってみたら儲かった、ということがあったかもしれません。

ただし、2026年は本来あるべき姿に戻る、歴史的な水準に収れんすると言われています。小型株をどう買うかよりも、どの銘柄を選ぶかが、非常に重要なポイントとなってきます。
先ほどの分析内容を、過去の歴史を踏まえたうえで整理しますと、6つのポイントで見極める必要があると考えています。
1つ目が利益です。黒字であることがベストで、黒字でなくとも、利益率が改善しているかどうかがポイントとなります。
2つ目がフリーキャッシュフローです。昨年はフリーキャッシュフローが良くてもパフォーマンスが良くありませんでしたが、今年はフリーキャッシュフローが出ている、もしくは改善している企業が注目されます。
3つ目が財務で、借り入れ過多がないことです。借り入れが多くてもモメンタムがあれば上がる、という昨年のトレンドとは異なり、ある程度財務体質がしっかりしている企業が評価されます。
4つ目が効率です。資本効率という観点でいくと、ROE、ROICが高いかどうか、資本効率が高いかで評価されます。
昨年までは、これらのポイントとあまり関係なく上昇していた部分もありましたが、今年は重要視されると言われています。
こうしたものを個別銘柄で選ぶことが少し苦手だという方は、こうした点を重視して構成された米国のETFもありますから、そちらを選ぶのも1つだと思っています。
この4つに、バリュエーションとモメンタムを5つ目、6つ目のポイントとして加えたいと思います。
割高かどうかは昨年まで無視される場面もありましたが、今年については、しっかりと割安かどうかという判断基準も入ってきます。
加えてモメンタム、下落トレンドから上昇トレンドに変わった、相対的に上向きのトレンドには、資金が入りやすくなります。
まずは前半、企業のファンダメンタルズをしっかり分析し、バリュエーション的に割安、かつモメンタムが出ているかどうかを見ることが重要になります。
一般的な投資と同じではありますが、昨年までのモメンタム重視の流れとは異なり、今回は本来あるべき姿に戻ってきていることを改めて確認していただいたうえで、小型株を選定していただければ、比較的良いパフォーマンスを残せるのではないかと思っています。
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