今週のマーケット見通し 〜今後のシナリオを再検証〜

今週のマーケット見通し 〜今後のシナリオを再検証〜

超保守的な資産管理チャンネルで配信中

皆さんこんにちは。ファミリーオフィスドットコムです。本日は2月1日の月曜日ということで、今週の見通しをお話ししたいと思います。

本日の内容は、
1)今週の定点チェック
2)今週の注目指標・イベント
3)今週の見通しとリスク
となります。

1)今週の定点チェック

先週から大きく変動があったのは、NYダウをはじめとするアメリカの株式3指標と日経平均です。3%を超えるような下落となっています。ドルインデックス、ドル円、ユーロドルについては少しの変動はありましたが、大きな変動ではなく、為替・金利動向にあまり変化が無かったことがうかがえます。

金と原油。こちらについても、あまり変化はありません。リスクオフにおける金の買いが見られないというのがありますし、インフレを懸念での原油高、OPECの動向などの話もなく、原油も安定しています。

債券の利回りが1.1%~1%前半です。先週に比べて、若干利回りが低下している、債券が買われている状況ではあります。しかし、リスクオフの流れで株価から債券に流れていると予見させる水準ではないと思います。つまり、株価は単独で調整が入ったということだと思います。

米ゲームストップ株の影響

株価が単独で調整が入った背景は、皆さんもよくご存じの通り、ゲームストップという株価動向が影響していると思われます。ゲームストップの株は、redditというSNSを中心に、個人投資家が、ヘッジファンドの空売りしているものを買いあげ、利益を上げようと盛り上がったものです。

元々、ゲームストップはアメリカ国内に5,000店舗ほどあるゲーム販売ショップですが、直近の営業利益は700億円位の赤字会社です。本来であれば、去年末の2ドル~5ドルが適正価格で、その価格でも高いのではないかという程度の株式価値の会社でした。それが1か月近くで300ドルを超え、時価総額が2兆円を超える水準まで上昇しました。それによって、ショートスクイーズという減少が起こり、ヘッジファンドが空売りしているものの買戻しが必要となり、多くのヘッジファンドが損失を被ったのではないかと、話題になっています。

ここで気になるのが、空売りのリサーチを20年発行してきたシトロンリサーチが、空売りレポートを発行しなくなること。今後は、ロング(買い)のレポートのみ発行するようです。また、今回の騒動で個人取引に規制がかかってくるかもしれないこと。ヘッジファンドに対して民主党政権が規制をかけてくるかもしれないこと。ロビンフッド等、証券会社に対して、取引に関する規制、ルールの設定があることなどの影響が懸念されます。

いずれにしても、今回の一連の流れにより、株式取引において窮屈なルールが作られる可能性があることをマーケットが嫌気をさしている一番の要因だと思われます。

もちろん、今回の取引をでVIXが暴騰したため、今後ボラティリティが上がると懸念されたというのもあります。ですが、一番の懸念材料は、ヘッジファンドや証券会社、個人投資家の取引に規制がかかり、活況な株式市場に冷や水をかけた形になっていることです。

今週、いろいろな話が進んでくると思われますが、まだ株価の下落が続きそうなので、十分な注意が必要です。

FEDの債券購入に変更なし

次に定点チェックを行います。このスライドをご覧ください。アメリカ中央銀行の買い上げている債権のバランスシートです。額が増えていると、FEDが市場の国債、社債などを買い付けていることになり、資金を供給している状況を表します。

先週は少し金額が減っていますが、これはオペレーションの問題で、買う金額を減らしているわけではありません。引き続き、FEDのバランスシートが増えていて、量的緩和が継続しているため、ファンドメンタルズではリスクオンが継続中と言えます。

米国イールドカーブ

次は、アメリカの6か月~30年の金利、イールドカーブを見ると、1か月前が赤色です。現在は濃い青色になるのですが、5年以上の金利が上昇していて、リスクオフ、金利が下がり債権が買われている状況ではないです。引き続きイールドが立っているため、ある程度景気の明るく先読みしていることになります。こちらにもリスクオフの傾向が無いと言えます。

定点チェックを行った結果、株式においてまだまだ変動幅が増えそうな話題も尽きないですが、全体のファンドメンタルとしては、総じて強い状況が続いていると、金利、FEDの買い入れ購入額から見て分かりました。

2)今週のスケジュール

月曜日にISMの製造業景況感指数、水曜日にISM非製造業景況感指数、金曜日に1月雇用統計。他にも今回の株価騒動を受け、株式売買ルールについてなど上院銀行委員会公聴会が開かれる予定です。ここでいろいろな取引ルールについて規制がかかると懸念されれば、株価が調整色を強める可能性があり、要注意です。

ISM製造業・非製造業も、予想は先月より下がってはいますが、50を超え、総じて堅調になる見通しです。雇用統計は前月マイナス14万人だったのが、プラス5万人。失業率が6.7%と変わらず、こちらもあまり大きな変化が無いと思います。

要人発言に注目

アメリカの要人発言には注目です。先週、FOMCが終了したことで各連銀総裁の講演やコメントが多く聞かれます。無いとは思いますが、ここでネガティブなコメント、テーパリングの前倒しへのコメントがもしあれば、マーケットに大きな影響があります。そういったところには、注目が必要です。

3)今週の見通し

今週の注目ポイントは、銀先物が4.39%、約5%近く先週末、1日で上がっています。redditで、次は金を狙う、銀を狙うと言われているため、SNSで持ちかけられた取引、トランザクションに対して、個人投資家が群がっている状況です。そのため、まだまだボラティリティが上がると考えられます。

右の半導体に関するセクターを集めたSOX指数は、大きく調整が入ってきています。中心になるのは、半導体を供給するテクノロジー企業の株が売られていることです。これは、redditのような株価を動かす要因が、マイナスの影響があるため、ハイテク企業、IT企業、テクノロジー企業を売却しようという動き、利益確定を見せているためです。

全体が落ち着くまでは、Apple等がいい決算を発表しても、売られる可能性がありますので、要注意が必要です。

VIX指数は、20を超えると全体の株価の動きが大きくなりますが、現在32まで上がってきています。そもそも、去年のコロナショック以降、ずっと高止まりしている傾向があります。今後も、ファンダメンタルズがいい株価は、動く傾向があることに、注意が必要です。

10年間の利益率を平均して、物価をあわせたシラーPEレシオは、高止まりして株価調整が起こりやすい傾向を示しています。ファンダメンタルズはいいですが、VIX指数とシラーが高いため、株価調整が起こりやすい状況が続いていると言えます。

米ドルと金の関係

金価格が下落を続けています。本来、リスクオフとなれば金の価格が上がってくると想定されますし、ドルも買われる傾向が出てくるはずです。

ですが、今は実質金利の低下を受けたドルの安さ、ハイテク株の上昇を見据えて、金から株価へ資金が流入している状況が続いています。このように金価格、ドル価格から見て、リスクオフであるとは少し考えにくいです。

米国ハイイールド債券の金利動向

次に米国のハイイールド債券の利回りです。ハイイールドとは格付けの低い企業が発行している社債です。そこに資金が行き渡らないと、債券価格が下落します。その状況は、米国10年債券、ハイイールド債券のスプレッドが開いた状況になりますが、今はその差が狭まっている。つまり、お金が余っているとはいえ、ハイイールド債券にもしっかりとお金が流入し、企業の信用リスクの台頭についてマーケットも織り込んでいないということです。

金の価格、ドルの価格、ハイイールド債券の金利から見る限り、相場の大きな変調には至っていないと言えるでしょう。

本日の内容の振り返り

今週のテーマとして、1つ目は、redditやロビンフッダー達の投機的動きがマーケットにどうインパクトがあるか。2つ目は、それに関する公聴会等で、細かいルールが発せられ、投資熱を冷やしては、マイナスになるということ。3つ目は連銀関係の要人発言で、テーパリングやインフレ、金利上昇についてのコメントがあった場合、結構なサプライズになるということ。

この3つのテーマをしっかりと見ていけば、総じて底堅い展開になると思います。焦らずに、しっかりとポートフォリオを管理していただきたいと思います。


続きを読む

「資産を守るために、着実な資産管理を」

ファミリーオフィスドットコムでは無料で⾃信で⾏っていただける資産管理から、
エキスパートによるオーダーメイド型の資産管理まで、様々なサービスを提供しています。

メディアでご紹介いただきました

関連記事

日銀、国債購入減額へ舵を切る:7月会合で具体策を決定〜ドル買い・円売りトレンド再開か?〜

日銀、国債購入減額へ舵を切る:7月会合で具体策を決定〜ドル買い・円売りトレンド再開か?〜

日銀金融政策決定会合(6月) 政策金利 据え置き 国債買い入れ 7月会合後に減額方針 市場は日銀金融政策決定会 …

6月FOMCで年内1回の利下げ示唆。今後の見通しへの影響は? 〜CPI減速で楽観ムードもその後のFOMCをどのように捉えるべきか〜

6月FOMCで年内1回の利下げ示唆。今後の見通しへの影響は? 〜CPI減速で楽観ムードもその後のFOMCをどのように捉えるべきか〜

12日は米CPIとFOMCの発表があり、ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数が過去最高値を更 …

時価総額でアップル超え!エヌビディアの驚異的な躍進とSOX指数

時価総額でアップル超え!エヌビディアの驚異的な躍進とSOX指数

エヌビディアが驚異的な躍進を遂げ、時価総額で一時アップルを超えたというニュースが話題になっています。さらに、S …

【米国株】‌‌モヤモヤの市場展開が続く米国市場。FOMCで流れが変わるのか?注目ポイントを分析【6/10 マーケット見通し】

【米国株】‌‌モヤモヤの市場展開が続く米国市場。FOMCで流れが変わるのか?注目ポイントを分析【6/10 マーケット見通し】

先週の米国市場は、モヤモヤした市場展開が続いています。米国では、企業決算が一段落し、先週の注目は景気動向はどう …

利下げ期待後退で金が急落!5月の米雇用統計が市場を揺さぶる

利下げ期待後退で金が急落!5月の米雇用統計が市場を揺さぶる

雇用統計 5月結果 予想 前回(4月) 非農業部門雇用者数(前月比) 27.2万人 19.0万人 16.5万人 …

【米国株は割高?】世界各国のPER・PBRでわかる!投資妙味がある国は?

【米国株は割高?】世界各国のPER・PBRでわかる!投資妙味がある国は?

世界の株式市場を見渡すと、国によってPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)の水準に違いが見られます。本 …

【米国株】‌‌米国経済指標が減速を示唆。相場が警戒する次の材料【6/3 マーケット見通し】

【米国株】‌‌米国経済指標が減速を示唆。相場が警戒する次の材料【6/3 マーケット見通し】

先週発表されたアメリカの経済指標には、幾つか経済減速を示す内容が確認できました。一方で、株式市場はさほど影響を …

激動の株主総会、企業と投資家の「対話」は深まるか

激動の株主総会、企業と投資家の「対話」は深まるか

2024年6月の株主総会シーズンが近づいてきました。最近はアクティビスト(物言う株主)の動きが活発化しており、 …

圧倒的存在感!〜エヌビディアの最新決算後から約10日経過。市場反応から見えてきた今後の注目ポイントと投資家が知るべき半導体株のポイント〜

圧倒的存在感!〜エヌビディアの最新決算後から約10日経過。市場反応から見えてきた今後の注目ポイントと投資家が知るべき半導体株のポイント〜

半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)は2024年5月22日、2025年度第1四半期(2024年1月30日〜 …

【最終回】半導体銘柄への投資戦略 〜2030年1兆ドル市場へ!〜半導体産業の未来と投資戦略

【最終回】半導体銘柄への投資戦略 〜2030年1兆ドル市場へ!〜半導体産業の未来と投資戦略

半導体産業は、テクノロジーの進歩と現代社会の発展を支える重要な役割を担っています。スマートフォン、コンピュータ …

【第11回】半導体銘柄への投資戦略 〜半導体業界でリードする海外企業に注目!〜米国、欧州、アジアの有望銘柄と投資のポイント

【第11回】半導体銘柄への投資戦略 〜半導体業界でリードする海外企業に注目!〜米国、欧州、アジアの有望銘柄と投資のポイント

半導体は現代社会に欠かせない重要な部品であり、スマートフォンやパソコン、自動車など幅広い分野で使用されています …

【第10回】半導体銘柄への投資戦略 〜日本の半導体株投資戦略~世界を席巻する日本企業の強みに迫る

【第10回】半導体銘柄への投資戦略 〜日本の半導体株投資戦略~世界を席巻する日本企業の強みに迫る

半導体は、現代社会に欠かせない重要な電子部品であり、あらゆる電子機器に使用されています。スマートフォン、パソコ …

【第9回】半導体銘柄への投資戦略〜 ChatGPTを支える技術~半導体業界に訪れた「生成AI」特需

【第9回】半導体銘柄への投資戦略〜 ChatGPTを支える技術~半導体業界に訪れた「生成AI」特需

近年、生成AI(人工知能)が急速に発展し、私たちの生活に大きな影響を与えつつあります。生成AIは、テキストや画 …

香港ハンセン指数「強気相場」突入!中国株「復活」のシナリオと落とし穴

香港ハンセン指数「強気相場」突入!中国株「復活」のシナリオと落とし穴

2021年以降、規制強化や不動産セクターの債務問題、ゼロコロナ政策などが中国株式市場に影を落としていましたが、 …

【米国株】‌‌最初の利下げ前後に取るべき投資戦略【5/20 マーケット見通し】

【米国株】‌‌最初の利下げ前後に取るべき投資戦略【5/20 マーケット見通し】

先週は、米経済指標があまり好調でなかったことを受け利下げ期待が台頭しました。今年9月の利下げ予想が60%を超え …

おすすめ記事