賢明なる資産運用(3)〜分散投資で一番大事なこと〜

賢明なる資産運用(3)〜分散投資で一番大事なこと〜

分散投資の重要性についての説明は、投資に興味がある人は必ず一度は聞いたことがあるはずです。「分散することでリスクを低くする」ということだけが理解され、実際には、どのように自分の投資に活かしていくべきか、あまり知られていません。本日はその点をお伝えしていきます。

分散投資を正しく行うには

分散投資の効果は、複数の資産クラス(例えば、株式、債券、通貨、コモディティ、不動産など)に投資をして初めて得られるものです。もちろん、複数の個別銘柄に分散をしてもそれなりの分散効果が得られることはありますが、実際に全体相場が悪化した時は、総じて値下がりをすることがあります。

相関係数

複数の資産クラスに分散することは、リスクを分散することになり、リスクを軽減することができるようになります。ただし、分散の際に注意をしなければいけないのは、それぞれの資産が持つ価格変動が互いに連動しない(専門的には相関係数が低い)相関関係の組わせと、その資産の持つ価格変動(標準偏差=リスク)をコントロールした組み合わせを行う必要があります。

いままでこの点を考慮せずにポートフォリオを作ってきた方は、是非、早めに各資産の相関係数をインターネット、もしくは、金融機関の担当者に問い合わせてみてください。それを参考に配分を見直してみてはいかがでしょうか。

リスクを配分してリスクを抑えるという考え方

資産を適切に配分をしてポートフォリオを作ることをアセットアロケーションといいます。私も今まで多くの資産配分について相談を受けてきましたが、その多くが「期待リターン」、つまり、どの程度将来リターンを期待したいのでどのように配分をすべきでしょうかというものです。例えば、年間8%で運用したいなど。

しかし、期待リターンを優先的に考えたポートフォリオは、リスクが自ずと大きくなりがちです。その結果、将来の目標金額を達成できなくなる「リスク」が高まると理解しておくことが一番大事なポイントです。私たちのような長期投資家は、短期の価格変動はリスクと考えず、将来の目標額が達成できないことをリスクと定義しています。

このような意識を持つことで、自ずと高いリスクは回避しリスクをコントロールした判断が行えるようになってきます。また、金融機関の担当者にその旨を伝えることができるようになります。

では、具体的にどのようにしてリスクを下げるかといいますと、例えば、米国株式は年間±12%の変動幅(リスク)があるとします。一方で、米国債は±6%のリスクとします。

もし、株式だけを100%保有しているとすると年間12%程度、期待していたリターンを上下するような投資になります。一方、株式50%、債券50%に分散することで期待できるリターンはその分散の分だけ下がるものの、リスクは±8%まで軽減することができるようになります。つまり、年間で想定していたリターンに対する誤差を低くすることで、将来の達成をより確実にすることが分散投資の本当の効果になります。

まとめ

分散投資は、長期で資産形成をする最適な手段とされています。ただし、正しい分散投資を行うためには、「相関係数」「リスクを配分する」という2点をまずは理解しそれを実現するために、自分でポートフォリを組むか、その旨を金融機関の担当者へ相談するだけでも、今での提案とは大きく異なってくると思います。

ご案内
当社では、ご自身でポートフォリオの構築と管理を行うための無料動画を配信しています。是非、ご利用ください。
https://fa3ily-office.com/self_familyoffice/

続きを読む

メディアでご紹介いただきました

関連記事

【米国株】米国株に売られすぎサインが点灯も、市場がまだまだ強気になれない理由

【米国株】米国株に売られすぎサインが点灯も、市場がまだまだ強気になれない理由

先週、ビッグイベントのFOMCを通過しました。通過後に株価は大きく下落。週間でNASDAQでマイナス5%、S& …

【米国株】FOMC後、上昇から一転大幅下落。今後もベアマーケットは継続するか?

【米国株】FOMC後、上昇から一転大幅下落。今後もベアマーケットは継続するか?

日本時間9月22日朝、9月のFOMCが終わりました。この会合において0.75%の利上げを決定され、S& …

【米国株】景気敏感株のフェデックス大幅下落。米国株の企業業績悪化が今後も続きそうな理由

【米国株】景気敏感株のフェデックス大幅下落。米国株の企業業績悪化が今後も続きそうな理由

16日、フェデックスという超大手物流会社が業績見通しを取り消しました。米株式指標は大きく下落すると思われました …

【米国株】CPIサプライズで米株急落。特に下落が大きかったNASDAQ指数の今後の見通しは?

【米国株】CPIサプライズで米株急落。特に下落が大きかったNASDAQ指数の今後の見通しは?

13日、市場で注目されていた米CPIが発表されました。予想よりも高く、今後もインフレが続きそうだということで、 …

【米国株】CPIの低下が株価に与える影響と注意しておくべきポイント

【米国株】CPIの低下が株価に与える影響と注意しておくべきポイント

先週、株価が大きく上昇しています。背景は二つあると言われています。年内FOMCにおける利上げ幅が、ある程度織り …

【米国株】FRBの大幅利上げ継続は確実視。株価のボトム時期の目処はいつ頃か?

【米国株】FRBの大幅利上げ継続は確実視。株価のボトム時期の目処はいつ頃か?

9月20日~21日に、次回FOMCが予定されています。その10日前からFRB高官、要人が発言できないブラックア …

【米国株】いよいよQTが9月から本格化。世界で同時に進む金融緩和縮小の影響について

【米国株】いよいよQTが9月から本格化。世界で同時に進む金融緩和縮小の影響について

9月に入り、アメリカのQTが月間950億ドルと前月の倍になりました。今後、マーケットにインパクトがを与えるので …

【米国株】米長期金利上昇は雇用統計後も続くのか?株価の動向にも大きな影響

【米国株】米長期金利上昇は雇用統計後も続くのか?株価の動向にも大きな影響

本日は米国の長期金利の見通しについてお話ししたいと思います。株式投資家も、債券投資家にも大きく関係のある米10 …

【米国株】米国株の焦点は金利から企業業績へ。2023年予想EPSの見通しについて

【米国株】米国株の焦点は金利から企業業績へ。2023年予想EPSの見通しについて

今後、株価に大きなインパクトを与える2023年の米国の企業業績、EPS(1株当たりの利益)は今後どうなっていく …

【米国株】ジャクソンホール会合、パウエル議長発言で株価急落。どうなる?今後の米株市場の見通し

【米国株】ジャクソンホール会合、パウエル議長発言で株価急落。どうなる?今後の米株市場の見通し

8月26日23時に、ジャクソンホール会合でパウエル議長が講演を行いました。その発言に今後の金融政策を示す、多く …

【米国株】ベアマーケットで堅実にリターンを上げる「投資戦略と考え方」

【米国株】ベアマーケットで堅実にリターンを上げる「投資戦略と考え方」

本日は、過去のブル・ベアマーケットを分析し今後の投資戦略立案のヒントにしていきたいと思います。今年に入ってベア …

【米国株】ジャクソンホール会合、パウエル議長コメント次第では波乱要因にも

【米国株】ジャクソンホール会合、パウエル議長コメント次第では波乱要因にも

日本時間の8月26日23時から、パウエル議長がジャクソンホール会合にて公演予定です。23時というのは、アメリカ …

【米国株】FRBはハト派的なスタンスに方向転換をしたのか?金融市場の「緩み」に注目。

【米国株】FRBはハト派的なスタンスに方向転換をしたのか?金融市場の「緩み」に注目。

17日、FOMC議事要旨が発表されました。その中身を受けて、マーケットではFOMCがハト派に転じたのではないか …

【米国株】8月末に向けて金利上昇の可能性。FOMC議事要旨とジャクソンホール会合で注目すべき点。

【米国株】8月末に向けて金利上昇の可能性。FOMC議事要旨とジャクソンホール会合で注目すべき点。

17日から、今月末にかけて金利が動く可能性があります。それがなぜか、お話ししたいと思います。 17日晩には、F …

【米国株】株価の上昇局面が続く中で慎重派は何を警戒しているのか?

【米国株】株価の上昇局面が続く中で慎重派は何を警戒しているのか?

6月中旬からS&P500が18%程度、NASDAQが22%程度上昇したとして、強気相場入りとのニュース …

おすすめ記事