渋谷:本日は、私たちの税務のエキスパートである税理士の峯本先生にお話をお聞きします。先生、よろしくお願いします。
峯本:よろしくお願いします。
[ 目次 ]
相続や事業承継に詳しい税理士の見極め方
渋谷:どんな税理士先生に相続や事業承継を頼んだらいいのか。見極める方法があればぜひ教えてほしいと、私も相談を受けることがあります。
お答えできる範囲で、どういった税理士先生が相続、事業承継に詳しいか、見極める方法があれば、ぜひ教えてもらいたいと思います。いかがでしょうか?
峯本:一般的に、顧問税理士の先生に頼むケースが多いのです。ただ、顧問税理士の先生が必ずしも相続を扱っているかは分からないですから、いくつか質問を投げかけてみるといいと思います。
渋谷:具体的に、どういった質問をすればいいですか?
峯本:私もよく受けるのは、「相続税がいくらぐらいかかるのですか?」という漠然とした質問です。それに対して、「全体像が見えなければ相続税は分からないので、資産の全体像を教えて下さい」と具体的に聞いてくる先生です。
また、相続税は100人亡くなっても、6人ほどしか申告していません。大体の資産背景を見極めて、「相続税がかかります」「かかりません」ということを、すぐに、ある程度見極めてくれる方は、相続税に対応していると分かります。
渋谷:なるほど。さっきの質問で十分に相続対策が得意かどうかが分かりますか?
峯本:大体の資産背景を言って、「あなたは相続税がかかります」とか、「かかりません」と言ってくれる先生が、相続税を分かっていると思います。
一般的に、自宅だけで貯金が1,000万ぐらい。奥さんと子どもが2人いるような家庭で、大体1億に行かないぐらいの自宅だけだったら、相続税はかからないです。大体の資産背景を聞いて、「それはかからないですよ」と言ってくれる先生は、相続を扱っているとすぐに分かります。
相談する際の必要な情報量は?
渋谷:なるほど。税理士の先生に相談に行くときに、どの程度の情報を提供すればいいのですか?
峯本:厳密に言うと、全体の資産背景が分かれば大丈夫ですが、逆に「自宅と貯金ぐらい」と言って、相続税を計算しようとしてくる人は、分かっていない税理士だと思います。
渋谷:では、事細かに聞かれたときに、必要に応じて応えればいいと。
峯本:そうですね。全体が分からなくてはならないので、預金、不動産、生命保険満期の死亡保険金、あと、株式もあります。細かいところですと絵画。さらにすごい家ですと、骨とう品。重要文化財を持っていると大変なことになります。
その辺まで見極めて、資産背景を事細かに聞いて判断します。特に、絵画や重要文化財、高額の時計を聞いてきたら、細かく知っていると判断できます。
何人の税理士に相談すれば良いのか?

渋谷:分かりました。税理士先生に頼むときは、1人の先生だけではなく、何人かにご相談していい方を選ぶことになるかと思います。おっしゃっていただいた以外に、何かポイントはありますか?
峯本:相性があるので、話やすい先生とか、親身になって聞いてくれる先生がいいと思います。
渋谷:具体的に親身と言うと、細かい資産まで聞く。そんな親身さですか?
峯本:質問に一言、二言しか返ってこない冷たい先生ではなく、「これはこうです」としっかり説明してくれる先生。これが親身ですし、詳しく知っていると感じます。
相見積もりの必要性
渋谷:もう一つ、多くの方が疑問に思われるポイントです。見積りには有料のところ、無料のところがあります。どちらがいいのですか?
峯本:無料のところでも、結構専門的にやっていることが多いですから、一概には言えないと思います。
渋谷:だから、無料、有料で判断するのではなく、相性や細かさで判断すべきということですね。
相続が発生してからの相談
渋谷:もう一つ。相続が発生して、初めて税理士の先生に相談に行くケースがあると思います。その際も、同じように詳しい税理士先生を探すことが大事ですか?
峯本:亡くなってから10カ月間の申告期限があります。初めの1カ月間ぐらいはバタバタしているとは思いますが、49日を過ぎて、少し落ち着いてから探しに行けばいいと思います。
渋谷: 49日を過ぎて少しホッとすると、なかなか手を付けないで期限が迫ってきたという話も、よく聞きます。一つのめどとして、2カ月ほどで動き出すのが正しいのでしょうか?
峯本:そうですね。そんなにバタバタしていないのであれば49日前。初七日を終えたばかりの方もいます。10カ月ありますので、遅い方では6カ月ほどたってから依頼が来ることもありますが。49日を過ぎたぐらいであれば、税理としては対応できると思います。
渋谷:本音をお聞きしたいところなのですが、申告をやってもらう先生の腕によって、申告額が変わることはあるのでしょうか?
相続申告は不動産がポイント
峯本:正直あります。不動産価格は特にそうです。
渋谷:具体的に、不動産の評価が大きく変わるというのは? 得意な先生はこういうふうにして、苦手な先生は気付かないということがあるのでしょうか?
峯本:例えば、路線価がない無道路地をどうするか、原っぱをどうするかです。
渋谷:法律的には、決まっているところがあるわけですよね?
峯本:路線価×面積程度しか載っていませんので、それ以外については。制限があれば、土地の評価は下がるので、制限をどう見つけてくるかがテクニックだと思います。
渋谷:では、現預金や有価証券は、当然時価があるので評価を変えることはないのですが、不動産であれば、キチッとした評価の仕方をすれば変わってくると。特に苦手な人が、多めに申告してしまう可能性があるということですね?
峯本:そうです。路線価×面積でやってしまって、整形地という真四角でなければ路線価の評価を取ったりとか。あと、よくあるのはセットバックです。道路を取らなくてはいけない場所は、その分評価減を取れるのですが、そこを取り忘れていたり。
あと、謄本通りの面積よりも、実測すると狭いこともあります。その場合、実測した方が有利になることもあるので、その辺です。
渋谷:なるほど。その辺が抜けているということですね。
峯本:はい。
渋谷:よく分かりました。相続に詳しい先生は、相続が発生した後でも十分に聞くことができるとのことですが、2~3人ぐらいの先生に相談してみてという感じですよね?
峯本:そうですね。
渋谷:今聞いた以外に、相続に関して、いい先生に出会える見極めのネタ・コツがあれば教えて下さい。
峯本:ズバリ「相続税の申告をしたことがありますか?」と聞いた方がいいと思います。
渋谷:その心は?
峯本:ない方がいますから。顧問税理士で法人しか扱っていない方がいると思います。
渋谷:ちなみに、相続を専門にしている方は、年に何件ぐらい行うのですか?
峯本:所員が何人かいれば1000件とか。当然、1人1000件ではありません。1人月に2~3件しか抱えられないと思います。10人ほどの税理士がいて、専門にやっているところは年間1000件ほど担当していることもあります。
渋谷:やっているところだと、当然ながらかなり腕も?
大きな税理士事務所が良い?
峯本:ここだけの話、大きいと担当者ごとにレベルの差が出ます。中心になっている先生が手掛ければ、それなりの水準を受けられると思います。ですが、大きくなれば大きくなるほど所員が増えますから、所員によるレベルの差はあります。その辺も、大きい事務所がいいと断言できないポイントです。
渋谷:なるほど。最後に整えた書面、書類をボスがチェックする時間も、現実的にはあまりないのですか?
峯本:ありますが、相続税の申告書は大量になる場合があるため、事細かに全てレビューできるかというと、さすがに。不動産の筆が5~10であればいいのですが、20~30となると。
渋谷:多く扱っている事務所がいいものの、いろいろな人がいるため、そこばかりは規模だけではなく、ちゃんと親身になって事細かに聞いてくれる先生がいいと。そんな感じで、間違いないでしょうか?
峯本:そうですね。
渋谷:分かりました。今日は相続が起こった際、もしくは相続対策の際に、どんな先生と出会えばいいか、見極める方法をお聞きしました。先生、今日はありがとうございました。
峯本:ありがとうございました。
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