渋谷:本日は留学のエキスパートである天野さんにお話をお聞きします。よろしくお願いします。
天野:よろしくお願いします。
渋谷:天野さんは、前回もご紹介した通りスイス留学のエキスパートで、スイスラーニングの元日本代表です。今回も、引き続きスイス留学についてお話をお聞きします。
前回は費用に見合うメリットがあるのかについてお聞きし、十分に理解ができました。
本日はもう少し掘り下げて、カリキュラムについて。独自のすごいカリキュラムがあるのかとイメージされる方も多いと思いますが、実際のカリキュラムはどういったものなのでしょうか?
天野:ボーディングスクールの最終的なカリキュラムとしては、高校卒業資格が目的になります。スイスボーディングスクールカリキュラムの大きな特徴としては、選択できるカリキュラム数がかなり多いことです。
これは学校によって異なりますので、学校選択の段階でお話をして決めていく必要がありますが、取れるのはIB、国際バカロレア、アメリカの高校卒業資格、イギリスのAレベルという大学進学資格、スイスマチューラというスイスの高校卒業資格、フランスの高校卒業資格、ドイツの高校卒業資格。これが選択肢としてあります。
もちろん、日本人が行くと英語がネイティブではないので、IB、国際バカロレアかアメリカの高校卒業資格を取って卒業する人が実際は多いです。しかし、中には行ってからフランス語とイタリア語もできるようになったから、スイスの高校卒業資格を目指すという人もいます。
他の国に行けば、こんなに選択肢は多くありません。一つの国に行って、こんなにいろいろな国の高校卒業資格は取れません。もちろん、どれか一つを選ばなくてはなりませんが。
渋谷:日本で文系理系に分かれるように選択をしていくのだと思いますが、IBやドイツ、フランスを選択すると、一つしか選べないという認識で合っていますか?
天野:高校卒業資格なので、どれか一つになります。ただ、IBに関しては、アメリカの高校卒業資格を取っているけれども、すごく得意な科目だけIBのテストを受けたということもできます。それは、他のところではできません。
渋谷:ちなみにドイツの高校卒業資格を取ると、ドイツの大学しか行けないのですか?
天野:そこなのです。どこの国の大学に行きたいかによって、どのカリキュラムを取るのかが選択肢になります。どの国にも行ける国際バカロレアが、今はダントツの人気です。
ただ、イギリスの大学に行きたければイギリスのAレベルが基本になります。イギリスの大学は3年しか行かなくていいのです。Aレベルで専門科目を絞って行ってしまうので、イギリスでこの学部に行くと決めている人は、イギリスのAレベルを取ります。
渋谷:イギリスのAレベルを取った場合と、インターナショナルバカロレアを取った場合を比べると、あるイギリスの大学に行くとき、Aレベルで入る人の募集数が決まっているなどがあるのですか?
天野:そういう感じです。今は過渡期ですが、だんだんIBを卒業資格として認める学校も出てきています。
イギリスの大学は3年間ですから、大学に入る前のAレベルの2年間で、かなり専門的な4教科ほどに絞って専門的な内容をやってしまいます。バカロレアやアメリカの高校卒業資格のように全部の科目をやっていると、イギリスの場合は専門科目が足りません。
アメリカに関してはどちらでも通用します。いい大学に行きたければ、バカロレアでも平均点でいい点数を取らなくてはなりません。今のところ、まだアメリカの高校卒業資格を取っていた方が、統一試験ではなくて成績になるため、アメリカのいい大学に入りやすいというのはあります。
渋谷:6歳から入ってくる人もいれば、15歳ぐらいから行く人もいるかと思います。6歳で入った人たちは、15歳ぐらいにどこの高校を卒業するかのジャッジをするのか、もっと早い段階でジャッジするのか、どうなのですか?
天野:どのカリキュラムに進むかを決めるのは、10年生に入るときです。10年生というのは、日本の高校1年生です。向こうは高校が4年間なので、日本で言う中学校3年生から高校が始まるとお考え下さい。大体9年生ぐらいで国際バカロレアか、スイスマチューラなのか、アメリカンかを決めて、10年生で決定となります。
渋谷:留学はいつ行っても効果があるという話もある一方、選択をするという観点から見ると、留学をするギリギリのリミットはあるのですか?
天野:そうなのです。正直、特に国際バカロレアという選択肢が出てきた今、できれば高校に入るまで、遅くても高校1年生では留学をしてほしいというのがあります。
渋谷:それは、日本で言う中学2年生までということですか?
天野:日本で言う高校1年生が最終、ギリギリだと思っていただいた方がいいと思います。
渋谷:入ったら、すぐにその判断をするぐらいのノリでいいのですね?
天野:そうです。入る段階、例えば10年生でアプリケーションを出すと、どのカリキュラムで行くかは、その時点で選択をしなければいけません。
渋谷:日本で言う中学校1年生から入ると、2~3年の猶予があるので、しっかりと考えながら歩んでいけるという感じなのですか。
天野:中学校1年生で行っている方が、自分に合ったカリキュラムを選びやすいですし、余裕も出てくるというのはあります。
渋谷:分かりました。卒業資格だけに話が偏ってしまったので、もう少し他の国、もしくは他のところと違う独自のカリキュラムがあれば聞いてみたいのですが、ありますか?
天野:スイスの学校は、とにかくいろいろな国の人たちがいるので、英語がネイティブではない人たちもすごく多いです。ですから、その分EAL、英語が母国でない人のための英語プログラムがすごく充実しています。
グループ指導もあるし、個別指導も選べます。他のクラスで足りないところを補ってくれるとか、そういうことがすごく充実しています。これだけいろいろな国の人たちがいるので、自分の国の言葉もキープしなければいけないと思っている学校もかなりたくさんあります。
日本人であれば、日本語のクラスを取れる学校もかなり増えています。言語を二つ取らなければならないIBでは、大体が母国語は日本語、外国語セクションで英語という人が多いです。IBの日本語学習をするために、日本人の先生がいることをきっちりと置くことを大切にしていて、そこは他とは異なると思います。
渋谷:日本人の先生がいるのですね。
天野:います。
渋谷:私が留学をお手伝いした人のお子さんがサマースクールを経験し、入学の判断をしたことがありました。しかし、行きたいと思って明日すぐに行けるわけではありません。英語力はある場合、行きたいと思ってどのぐらいで行けるものですか?
天野:その学校の試験を受けて行けることが前提で、時期のことだけを考えれば、1カ月で行かせてあげた子もいます。だから、行きたいと思い立っていこうと思えば行けます。
それはスイスだからだと思います。スイスは寮の空きさえあれば、いつでも受けられます。いつでも願書を出し、いつでも入学ができるのです。ババッと資料さえそろえ、試験を受ければ、合否が出るまで1カ月で行こうと思えば行けます。
ただ、サマースクールに参加したり、学校訪問をしたりしてきっちり学校を決めることを考えると、いろいろな方がいらっしゃいますが、お腹の中にいる頃からお母さんがリサーチをして、生まれてから6年後に学校訪問をすると戻って来た方もいらっしゃいます。
10年越しのお付き合いの方もいます。短ければ1カ月ですが、平均すると2年ぐらいで皆さん行かれているかと思います。1~2回サマースクールで学校に行っていることを考えると、多いのは2~3年でしょうか。
渋谷:学期末からではないと入れないなどということはないのですね?
天野: 9月始まりなので、9月、1月、4月のどこかです。アメリカンスクールは2学期制なので、9月か1月のどちらかです。
渋谷:分かりました。今日はカリキュラムについてざっくりとお聞きしました。また他の話を今後聞かせてください。ありがとうございました。
天野:ありがとうございました。
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