iDecoやNISA、積立NISAへの認知が広がってきたこともあり、50歳以降のシニア世代の方々が初めて投資を行うケースが多くなっています。はじめて投資を行うシニア世代に知っていただきたい「大原則」と「それを実行する方法」を本日はお伝えいたします。
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本日、お伝えする大原則は「リスクの高い商品を回避する」です。とても単純な大原則だと思われる方も多いかと思いますが、実はこの原則を守れていない人が多い実感があります。その一例として、「リターン」を重視して投資信託や株や債券などを購入していませんでしょうか。
具体的には、新興国の債券、格付けの低い社債、テーマを絞った投資信託などです。もちろんこれ以外にも多くの避けるべき商品はあります。このような金融商品は、販売用資料などでとても成長性が高く、パフォーマンスが高いことが強調されており、ついつい投資をしたくなると方が多いと思いますが、実際には「リスク(年間の価格のブレ幅)が大きいケースが多く、シニア世代には向いていないことが注意点です。
成長性が高い=リスクが高い商品だと考えても大きな間違いではないと思います。価格の上下幅が大きいことの裏返しとして成長=リターンが存在しており、シニア世代の一番の注意すべき点である、運用期間がある程度限られている場合に不適切になりえます。
投資の世界では、大きく世界経済が後退し投資した商品が長らくマイナスになることも残念ながらあります。若い世代であれば超長期投資としてマイナスからの反転の機会を待ち続けることも可能でしょうが、シニア世代はその点に限界があることが若い世代に対して少し劣る点だといえます。
これを避ける方法は、ずばり「リスクの低い商品」を選択することです。では、どのようにしてリスクの低い商品を選択するかお伝えしてきたいと思います。
リスクを知る手段は意外に難しく有りません。商品パンフレットにも掲載されている「標準偏差」と言われる情報を確認するようにしましょう。この標準偏差を投資の世界の用語にすると「リスク」になります。もし、パンフレットで「標準偏差」を見つけることができなければ、担当者などに口頭で確認をしてみてください。必ず教えてくれます。
標準偏差が分かれば、その標準偏差を元にご自身の投資スタンスと合っているかを考えてみてください。例えば、リスク(標準偏差±10%、期待リターン+5%)と掲載されている商品は、1年間で購入した価格がおおよそ±10%程度、過去は変動した商品であることを示しています。一方で期待リターンが+5%の商品は、過去の平均リターンが5%であることを示しています。つまり、その商品は、年間で期待リターンに加えて±10%程度変動することを意味しており、結果、+15%〜ー5%の範囲内で収まる可能性が高い商品だといえます(ただし、難しくなりますが必ずこの中で収まるとは限りません。65%程度の確率だとお考えください)
これを踏まえた上で、100万円投資をした場合、年間で+15万円からー5万円程度の損益が生じる可能性がある投資をを受け入れることが可能であれば、リスクの観点からはその方に適した商品である可能性があります。もちろんそれ以外にも調べるべきことは多数ありますが、まずはリスクの観点だけに絞ればということになります。
ちなみに、リスク(標準偏差)が±30%と記載されていたらみなさんどの様に思いますか?おそらく、「リスクが高くて買えない」ということを考える方が多いと思います。
このようにリスクを知ることからはじめていただくことが、シニア世代のはじめての投資において最も重要です。もし、上記の内容が難しいと感じた場合は、担当者に「この商品のリスクを説明して」とお願いしていただければ、詳しく説明してくれると思います。
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