日本株先週の振り返り
3月17日〜21日週の日経平均株価は堅調な展開となり、週間では前週末比で623.96円高(+1.68%)の3万7677.06円で取引を終えました。週初は、米国で連邦政府の閉鎖を回避するための「つなぎ予算」が上院で可決されたことが好感され、投資家心理が改善。加えて、ロシアと米国の間で大統領同士の電話会談が予定されているとの報道も伝わり、地政学的リスクが一時的に後退したことで、リスクオンの流れが強まりました。
日経平均(年初来)

出所:Google
17日(月)は、これらの材料を背景に大幅続伸で始まり、下げ止まり感とともに上昇トレンド転換への期待感が高まりました。翌18日(火)は、米国市場の上昇や円安の進行に加え、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが日本の五大商社株を追加取得したとの報道が伝わり、海外マネーによる日本株への再評価がテーマとして意識されました。これを受けて、一時は心理的節目である3万8000円を回復する場面もありました。ただし、週半ばの18〜19日には日銀金融政策決定会合と米FOMCが控えていたため、市場全体としては積極的な売買がやや手控えられる形となり、25日移動平均線付近でのもみ合いが続きました。いずれの会合でも予想通り政策金利は据え置かれ、サプライズはなかったことから、イベント通過後の安心感が広がり、週末21日(金)にかけては再び買いが優勢となる場面も見られました。
一方で、依然としてトランプ前大統領による関税強化の可能性が市場にくすぶっており、企業業績や国際貿易に与える影響への不透明感から、株価が一段高となるには慎重な見方も根強く、上値追いにはやや力強さを欠く週となりました。
日本株今週の見通し
3月24日〜28日週の日経平均株価は、トランプ前大統領による関税政策への懸念が引き続き意識され、積極的な売買は控えられる展開が予想され上値が重たくなりそうです。先週と同じく、4月以降の米関税がどうようになるか全体像が見ていそうで見えていない状況を踏まえるとなかなか積極的に買いにくい状況が続きます。もっとも、3月11日に記録した3万5987円を底に反発基調が継続。ただし25日移動平均線まで戻したことで、短期的な戻りの達成感も広がりそうです。ただし、テクニカル的に同線を上抜ける場面では、売り方の買い戻しが相場を押し上げる可能性もあります。このようなテクニカルな買いに配当取りの動きで需給が改善し一時上昇する可能性もありますが、前述の理由で上昇は一時的になる可能性が高そうです。個別銘柄では、防衛関連株に対する投資資金の流入が継続する見通しです。また、3月期末が近づくなか、配当や優待を目的とした銘柄への買いが増えることも想定内です。
今週の為替注目点
今週の為替市場では、円相場が上昇する可能性が高まっています。日米の金融政策イベントを通過し、今後は4月2日に予定される米国の対中関税発動が焦点となっています。特に自動車分野への関税が25%に達する可能性もあり、日本経済への影響を懸念する投資家の間で、リスク回避姿勢から円買いの動きが強まる可能性があるでしょう。一方で円のロングポジションが積み上がっており、買い戻しのトリガーがどこにあるのか、気になります。なお、来週は米PMI、日銀議事要旨、東京都区部CPI、米PCEなど重要指標が相次ぎますが、先週の日銀総裁の発言をややタカ派と捉える市場関係者も多いことから、結果次第では円高に大きめのドライブがかかり、水準達成で円ロングのアンワインドが起こるような流れになりそうです。
米ドル円(年初来)

出所:Google
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