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【PIMCOインカム・ストラテジー・ファンド】投資と安定を両立する債券ファンドの実力とは。【1/25 投資信託マラソン】

【PIMCOインカム・ストラテジー・ファンド】投資と安定を両立する債券ファンドの実力とは。【1/25 投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、PIMCO・インカム・ストラテジー・ファンドです。この投資信託は、債券運用を得意とすることで有名なPIMC社が運用しています。投資と安定の両立をうたっていますが、その実力がいかほどかを本日は確認したいと思います。

お願い

この記事は情報提供を目的として作成されたものであり、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。最終的には、ご自身で投資判断をいただきますようにお願いします。

取り上げている投資信託はランダムに抽出しています。中立的な立場で分析しており、運用会社や販売会社との間で業務提携を行ってご紹介するものではありません。

投資信託の概要

概要

それでは概要です。PIMCO・インカム・ストラテジー・ファンドは、グローバルな債券に投資しており、運用会社はPIMCOとなります。NISA成長枠対象で、信託報酬は1.85%。債券にしては高いと思われる方もいるかと思いますが、パフォーマンス次第での判断になります。純資産総額は252億円と、若干小規模です。

世界各国の債券に幅広く投資することが特徴で、債券に強いPIMCOが運用しています。

対象とする債券は、国債や投資適格社債、ハイ・イールド債券という一般的な区分けだけでなく、国債、政府機関債、社債、モーゲージ債券、資産担保証券、ハイ・イールド債券、バンクローンのように細かくジャンルを分けた上で、それぞれの比率を機動的に入れ替えています。

いずれかに投資しなければならないという「スタイルリスク」を、債券の中では持っていません。世界各国で、様々なジャンルを投資対象にしていますから、債券のこれぞアクティブ投資信託という感じのファンドです。

次に右図表でリターンを確認しましょう。同カテゴリー内でも全て上回っており、非常に安定した運用成果が確認できます。また、カテゴリーに対する標準偏差もマイナスで、カテゴリーに対してリスクは低くなっています。一方で、カテゴリーに対するリターンは上回っていることから、非常にパフォーマンスが良いと言えます。

投資信託の投資戦略

次に、債券の投資戦略をご説明します。株式ファンドの戦略をご覧になったことがある方は多いと思いますが、債券ファンドの戦略はあまり知られていないと思います。そのため、簡単にご説明させていただきます。

左の図表は景気サイクルを示しています。景気サイクルが上昇するのは景気拡大期。下降するのは景気減速、後退期となります。景気が良い時期は、株式が上昇し、企業が営業を活発に行う期間です。そのため、クレジットに対してマーケットの寛容度が高まり、格付けが低いハイ・イールド債券や、転換社債、バンクローンの価値が非常に上昇しやすくなります。

一方で景気が悪化すると、国際、適格社債、モーゲージ債券のように、クレジットリスクを抑えた投資を行っており、クレジットがタイトニングし信用性が高い債券の投資を増やす動きを見せています。

株式のようなリスク資産が上昇する際には、国債などの資産を減らしながら、値上がりが期待できるハイ・イールド債券などの比重を高めます。不安定な環境では安全性の高い国債を多めに保有し、ポートフォリオの安定を保ちます。このような機動的な売買により、債券からのインカム収益だけでなく、値上がりによるキャピタルゲインも狙っており、しっかりとリターンが期待できるファンドとなっています。

PIMCOインカムは他の債券ファンドと異なり、非常に流動的な投資が可能であり、配分も変更できます。

セレクションは各地域、経済予測などのしっかりとした分析の上で行っていると目論見書には書かれています。一見、大きな期待値が見込まれますが、実際の状況はどうなのでしょうか。

ユニークなショートポジション

もう1つ、投資戦略には特徴があります。単に債券を保有するだけでなく、金利上昇に強い変動利付債を保有し、債券の「ショート(売り持ち)」ポジションを持っています。各国の金融状況に応じて、機動的に銘柄を組み入れていることがわかります。

例えば、変動利付であるモーゲージ債券比率です。2018年には10%しか保有していませんでしたが、米国金利の上昇を受け、現在は30%以上まで保有割合を増やしています。金利上昇に応じて投資比率をしていることがわかります。

債券を売った方が良い際には売りに出していますから、買うだけでなく、金利が上昇すると見込まれる際には、債券を売っていることがわかります。

金利上昇によって価格下落が起きる固定利付債については、金利上昇の影響が少ない変動利付債に入れ替え、パフォーマンスを維持する戦略を採用しています。

2014年から2023年までの長期間にわたり、保有比率が大きく変動していることから、ファンドの機動性が見てとれます。

次に、右下の図表をご覧ください。ポートフォリオ特性を見ると、平均格付けがAと非常に高いものを保有しています。平均利回りは6.5%です。平均デュレーションは3.8と短く、金利変動の影響をなるべくコンパクトに抑えつつ、高い利回りが実現できています。数値から見ても、かなり良いファンドだとわかりました。

パフォーマンス分析

パフォーマンス

次にパフォーマンスを確認します。Slim 先進国国際、PIMCOインカムストラテジーの円建てを比較すると、1年間のパフォーマンスでPIMCOが上回っています。

3年間の成績でも、PIMCOが大きく上回っています。大きな差は機動的な割合の変更を行い、金利上昇局面への対策が行き届いている結果だと思われます。

7年間で確認しても、良好なパフォーマンスを維持しています。ただ、注目すべき点として、コロナショックのように大きく景況感が悪化する局面では、PIMCOインカムストラテジーがマイナスとなっています。これは国債よりも高いリスクアセット、社債やハイ・イールド債券を一定量保有しているためで、株式が大きく下落する局面では国債のみのファンドと比較しても下落することもあります。

その後に株価の上昇、信用回復が伴えば、しっかりとオーバーパフォームしていますが、マイナスになる局面があることは、1つ注意点として捉えていただければと思います。

資金流出入

資金流入を確認すると、最近のパフォーマンスを見て資金流入が続いていることがわかります。

投資検討のためのポイント

投資の検討ポイント

これらを踏まえて分析します。過去のパフォーマンスを見ると、近年はコロナショックや世界的な金利上昇の影響を受けながらも、値動きを抑制しつつ推移していることが確認できます。

債券ファンドの特徴である低リスク運用ができており、時間とともに着実に上昇していることが明らかになりました。また、シャープレシオは1.5と非常に高く、債券ファンドの平均0.8を大きく上回っています。

金利上昇に弱いと思われる債券ですが、状況に応じてしっかり運用していることがわかりました。その効果もあって、パフォーマンスは安定しています。

ただし、株式市場が大きな変動を見せた場合は、国債運用よりもマイナスパフォーマンスとなる可能性があります。そのため、長期保有をすべき投資商品であると言えます。とはいえ、相場環境や売り買いの時期を深く考えずに投資できる、いつでも入りやすいファンドではないかと思います。

リスクと注意点です。目先に円高となる場合、ドル円の影響を受けてパフォーマンスがマイナスになる可能性もあります。ただし、その場合でも、数年後にはリターンで為替の含み損を取り戻す、安定した運用を期待できるでしょう。

ハイ・イールド債券は、国際運用よりもクレジットリスクを取るため、リターンの源泉になっています。景気後退が起こった際、ハイリスク資産から国債に移す間は、どうしてもパフォーマンスが悪化する可能性があります。その点を理解した上で投資を検討するべきかと思います。

評価

以上を踏まえた評価は4.5です。ファンドの評価自体が高く、しっかりと割合を調整しています。富裕層も信頼するPIMCOの運用能力が高いものだと改めて感じました。

また、株との相関を考えると、ポートフォリオに入れると心強いファンドだと言えます。ポートフォリオにおける適正とファンドの運用スタイルも非常に高いということで、評価は4.5とさせていただきました。

本日は、グローバルに分散する債券ファンドを見てきました。このファンドの特徴は、金利の上昇局面や下落局面において、機動的に入れる債券の種類を変えていることにあります。また、状況によっては債券をショートするなど、非常に流動的な対応をしています。

過去のパフォーマンスは安定していますが、今後円高局面となれば、円建てでは、パフォーマンスが下がる可能性もあります。しかし、長期的にはそのような低下を十分に取り戻す実績を持ったファンドです。タイミングをあまり気にせず投資することも可能ですが、ご自身のポートフォリオに追加する際、どのような役割を果たすのかをしっかり確認した上で、他の債券ファンドと比較し、優位性を確認してから投資対象にするかどうかを分析していただければと思います。

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