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【 ハイクオリティー・アロケーション・ファンド】バランスファンドで高リターンを継続している理由を分析【投資信託マラソン】

【 ハイクオリティー・アロケーション・ファンド】バランスファンドで高リターンを継続している理由を分析【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、ハイ・クオリティー・アロケーション・ファンドというバランスファンドです。

バランスファンドというと、皆さんは安定的な運用をするイメージを持つのではないかと思います。一方でリスクが低い分、リターンも低いという印象を持っている方も多いと思います。しかし、このファンドはバランスファンドでありながら、継続的に高リターンを実現しているファンドです。高いパフォーマンスを維持できている理由を分析していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

この記事は情報提供を目的として作成されたものです。投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。また、取り上げている投資信託はランダムに抽出したものであり、運用会社や販売会社と当社の間に業務提携等は一切ございません。中立な立場でお伝えします。

投資信託概要

概要

ハイ・クオリティー・アロケーション・ファンド(ヘッジなし)は、三井住友DSアセットマネジメントが運用すしています。NISA成長投資枠での投資が可能です。信託報酬は2.07%と高く、この信託報酬を吸収できるパフォーマンスが実現できているかに注目です。純資産総額は583億円です。

当ファンドを分析する理由は、今後の不透明な経済情勢を踏まえると、世界各国の株や債券など、様々な資産への分散投資による収益を獲得することを目指したバランス型アクティブファンドに興味がある方が多いと思ったからです。株式市場の一部では割高感や景気後退への懸念が持たれています。株だけでなく債券など、その他の資産に投資を分散させることで、今後の市場変動を乗り越えようと、バランスファンドに興味を持っている方も多いのではないかと思います。

ファンドの特徴としては、個別銘柄、業種、資産配分などを市場環境に応じて変える点が挙げられます。これはバランスファンド全体に共通する特徴ですが、その中でも、特に機動的に資産配分の割合を変動させる点が際立った特徴です。この資産配分の能力によって、パフォーマンスが大きく変わります。

様々な資産への分散投資を行う方針ですが、実際に投資を行っているのは主に株と債券で、伝統的な金融資産を中心に運用しています。

本日のチェックポイントです。バランスファンドにはローリスク、ローリターンというイメージがありますが、これを覆すことができるかどうかを見ていきたいと思います。また、バランスファンドには、リスクのコントロールが期待されます。ここがきちんとできているかどうかも注目ポイントです。

簡易パフォーマンスです。同じバランスファンドのカテゴリーに比べて、このファンドは5年、3年、1年でも上回る結果を出しています。非常にパフォーマンスの良いファンドと言えます。

標準偏差を見ると、同じカテゴリーをやや上回る結果となっています。リスクはやや高めで、リターンも高めのため、積極的なバランスファンドという印象です。

投資戦略

目論見書からの抜粋をご覧ください。このファンドは、実際に投資を行うのはブラックロックのグローバルファンドです。ブラックロックの運用力が重要なキーとなります。

投資対象を、マーケットを俯瞰的に見たトップダウンの選択と、各企業のバリュエーションなどを踏まえたボトムアップの両方のアプローチをうまく組み合わせ、配分の割合を決めています。世界の景況感の変化、企業業績の変化などを取り入れています。ファミリーオフィスなどで行われるようなアセットアロケーションの手法と同じなので、非常に保守的でリターンの期待感ができる戦略です。

銘柄戦略

資産配分(アセット・アロケーション)がポイントになります。2023年3月末、2024年3月末の報告書から、過去2年間の動きを確認してみます。株式については、50%~70%を維持しています。次に多いのが債券で、20%~40%となっています。2023年末には株式の割合が56%でしたが、2024年3月末には71%に増加しており、株式の割合が上昇していることがわかります。

また、2023年3月末から1年間遡って確認します。緑の部分が北米株、青い部分が北米以外の株式です。全体的に少し変動はありますが、北米株の割合も状況に応じて変動しています。このことから、積極的に資産配分を変えていることがわかります。

2023年の4月以降は、株式の割合を前年に比べて明らかに増やしています。約1年間で15%近く株のアロケーションを増やしていることが確認でき、その中でも北米の割合は非常に高く維持されており、全体の配分が増えた中でも60%近くを維持しています。トップダウン分析で強いマーケット見通しを立て配分を行っていることがわかります。

ちなみに商品にも投資を行っていますが、株の70%、債券の30%を中心に入れ替えを行っているファンドです。

次に各業種や企業を確認します。株式については多少独自の業種配分を行っていますが、概ね市場平均と同じといえます。株式の割合を増減させていますが、銘柄選択で強い特徴を出すというよりも、株式の割合の調整で勝負していることが特徴です。

債券の中身は、国債の割合が非常に多く、主に国債と適格社債の組み合わせとなっています。無難な運用です。債券でパフォーマンスを出すのは、金利が上昇した際には債券の割合を減らすなど、金利状況で勝負しているファンドだと言えます。

このことから、個別銘柄を積極的に売買するのではなく、資産配分に力を入れているバランス型アクティブファンドです。とはいえ、国や業種別の配分も細かく分析しています。例えば、日本を選好している一方で、欧州と中国についてはアンダーウェイトしています。このように国のアロケーションをしっかりと考えています。

個別銘柄では、成長株よりもディフェンシブ株を選好しています。株式の割合を増やしても、比較的守りの強い銘柄を多く組み入れていることがわかります。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

個別銘柄の選定は細かく行いながらも、資産配分は大胆に変更しています。機動的に株式と債券の割合を変更することで、ポートフォリオ全体として値動きをうまく抑えた運用を実現しています。年間のリスク値は10%程度で、株式市場の動きが15%~25%であることと比べて、小さく抑えられています。

一方で、リターンは年間12%前後と、世界株よりも明らかに低くなっていますが、安定的に積み上げるスタンスなので多少は仕方ないと言えます。右のチャートをご覧ください。5年チャートや3年チャートで見ても、世界株と比べて劣る印象があります。ただ、非常に安定した動きとなっており、下落局面でもうまく乗り切る運用がなされています。この結果、シャープレシオは1.1と非常に高く、リスクを抑えた運用ができていることがわかります。

ファンドのチャートを見ると、世界株のパフォーマンスとは乖離はしているものの、世界株が上がる際にはしっかりと追随しています。株が上がっていくときに大きく遅れを取るわけではなく、差は開きつつもしっかりと追随している印象です。

世界株平均が大きく値上がりする局面においては値上がり率が劣るものの、ある程度上昇しています。一方で、下落局面ではリスク耐性が非常に強いため、リスク体勢を発揮して値下がりがうまく抑えられています。リターンに不安を感じる方もいるかもしれませんが、5年前と比較しても80%以上、3年前と比較しても30%以上のプラスリターンを出しており、非常に安定したファンドだと言えるでしょう。

バランスファンドであるため、株式を大きく上回ることは現実的には難しいですが、長期的には安定したリターンを得ることができる最適なファンドの1つだと思います。

しかし、注意点もあります。同分類のバランスファンドと比較しても、リスクが5年平均で2.8%程度高くなっている点です。例えば、5年平均の変動率は11.65%ですが、インデックスは8.8%ですから、2.8%近く高くなっています。少し値動きの大きいバランスファンドであることを理解していただく必要があります。そういった変動に耐えられる方向けの商品と言えます。

また、コロナショックを乗り越えた実績はありますが、次の大幅な調整局面で下方への強さを発揮できるかは、株と債券の配分するマクロ戦略次第です。絶対的に安定したファンドというわけではないかもしれません。

保守的な方にとっては、コアのコアというよりも、コアの一部として保有すると非常に安定するのではないかと思います。とはいえ、インデックスに比べても高いリターンが維持できているため、一部保有しても面白いファンドだという印象です。

資金流出入

流出が続いています。

評価

評価は星4つです。攻めの姿勢があるバランスファンドを分析しましたが、見てもらいましたが、過去1年間の資産配分では、10%以上株式割合を増やしてきており、状況を見極めて取るべきリスクを取っていることがわかります。その分、金利が上昇している局面では債券の割合を減らすなど、適切なアロケーションが行われていることがパフォーマンスに繋がっている印象です。

ただ、リスクを少し大きめに取っている点には注意が必要です。そのため、評価は星4つとさせていただきました。

本日は、バランスファンドの中でもアクティブ色の強いファンドをご紹介しました。個別銘柄に投資を行いつつ、株式と債券の割合を状況に合わせてトップダウンアプローチで変える戦略がうまく機能しています。

コロナショックも乗り越えていますから、恐らく今後の調整局面でも下値耐久度が高く、世界株が大きく上昇する局面ではしっかりついていく形のバランスファンドになるかと思います。積極的に投資を行っているアクティブファンドは他にもいくつかありますので、横比較をしながら、ご自身のリスクとリターンに合ったものを探す際の候補として、さらに深く分析していただければと思います。

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