日本株先週の振り返り
先週(5月19日〜23日)の日経平均株価は軟調に推移し、最終的に前週比で593円安の3万7160円台で取引を終えました。ムーディーズによる米国債の格下げが投資家心理を冷やし、週明けは続落でスタートしました。その後、米株市場の安定を受けて20日は一時反発しましたが、3万8000円付近では買いが続かず伸び悩みました。G7や日米財務相会合を控えた警戒感も相場の重しとなりました。22日には米金利上昇と円高圧力を背景に再び下落し、3万7000円を割り込む場面も見られました。週末は米金利の落ち着きと関税交渉を控えた買い戻しで反発しましたが、為替の不安定さが影響し、上値は限定的となりました。全体として調整色が強い一週間でした。
日本株今週の見通し
今週(5月26日〜30日)の日経平均株価は、長期金利や為替の変動をにらみながら、やや神経質な展開が予想されます。23日に75日移動平均線を下値に反発したことから、外部環境が安定すれば、200日移動平均線がある3万7800円付近が上値目処として意識されそうです。ただし、26日は米国市場がメモリアルデーで休場となるため、週前半は海外投資家の売買が限られ、短期的な材料で振れやすい状況となる可能性があります。注目は28日のエヌビディア決算です。AI需要を反映した業績が市場予想を上回れば、東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体関連株にも追い風となるでしょう。その他にも、セールスフォースやマーベル・テクノロジーの決算も予定されており、米ハイテク株の動向が日本市場にも波及しそうです。
今週の為替注目点
今週のドル円相場は、上値の重い展開が続くと見られます。背景にあるのは、国内長期金利の上昇懸念と米財政への不安です。
特に注目されるのが、28日の40年国債入札です。20日の20年債入札では1987年以来の大幅なテール(平均落札価格と最低落札価格の差)、2012年以来の低い応札倍率という極めて弱い結果となり、長期金利が急騰。これによりドル円は下落方向に動きました。国債買い入れを縮小している日銀の姿勢もあり、流動性の乏しい超長期債への警戒感は強まっています。機関投資家の中からも需給の悪化を懸念する声が上がっており、入札結果次第では再び円高圧力が強まるでしょう。一方、米国でも財政不安がドル売り材料となりそうです。大型減税を盛り込んだ法案により、連邦債務は今後10年間で3兆8000億ドル増えるとの見通しが出ており、ムーディーズの格下げ判断を裏付けるような状況です。その結果、米30年債の利回りが急騰しており、ドル・債券・株の「トリプル安」リスクにも注意が必要です。また、27日の米消費者信頼感指数、28日のFOMC議事要旨、29日の1-3月期GDP改定値、30日のPCEコア・デフレーターなど、重要指標の発表が続きます。これらが市場の不安を煽れば、さらにドル円の重石となる可能性があるでしょう。
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