2026年になり、日本の不動産投資信託(J-REIT)市場が明確な回復基調を見せています。東証REIT指数は3年半ぶりに2000ポイントの大台を回復し、2024年末比で24%高と、米国の2%高を大きく上回る上昇率を記録しました。この復活劇の背景には、オフィス市況の劇的な好転と日本固有の構造変化があります。
オフィス需要の回復が収益を押し上げ
J-REIT復活の最大の原動力は、保有物件の約4割を占めるオフィスセクターの堅調さです。コロナ禍で低迷していたオフィス需要は、出社回帰や人材獲得競争を背景に2024年から増加に転じました。2025年12月時点で都心5区のオフィス空室率は10カ月連続で低下し、2.22%という低水準を記録しています。
需給逼迫により賃料が上昇し、多くの銘柄で賃料増額が実現しています。一般的に金利上昇はREITの逆風とされますが、現在は大型銘柄を中心に「賃料収入の増加」が「金利コストの上昇」を上回り、収益性を押し上げているのです。
ガバナンス改善と日銀の慎重な政策転換
2023年の東証改革を受け、REIT業界でも資本効率を意識した経営が浸透しました。アクティビストによる働きかけも活発化し、各社は自己投資口の取得や分配金増額など、投資口価格の上昇を図る施策を実施しています。
日本銀行は2026年1月19日から保有REITの市場売却を開始しますが、そのペースは年50億円程度と極めて慎重です。市場全体の売買代金に占める割合はわずか0.05%で、需給への悪影響は最小限に抑えられています。政策金利については4月までの追加利上げ確率が約4割と見込まれていますが、賃料上昇力が金利上昇耐性を高めているため、底堅い展開が予想されます。
有望セクターと今後の展望
投資戦略として最も注目されるのはオフィスです。都心を中心に空室率が低下しており、賃料増額の恩恵を最も受けやすいセクターです。次いで商業施設とホテルが有望で、インバウンド需要が引き続き追い風となっています。
今後の成長のカギは「外部成長」です。時価総額の回復により多くのREITが増資を検討できる段階に入り、すでに日本ビルファンド投資法人などが公募増資を発表しています。賃料上昇というファンダメンタルズの強さに支えられたこの回復相場は、2026年も投資マネーの有力な受け皿となるでしょう。
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